（この項目では、FRK・宅建協会・全日・全住協の契約書を念頭に説明しており、書式や記載方法は微妙に異なっていますが、用語の意味や記入すべき内容は基本的に同じです。ここではFRKの記入方法を中心に解説しています。）
不動産（土地・建物・マンション）を売買する際、契約書に「所有権の移転の時期」という項目があります。
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（所有権の移転の時期） 第6条 本物件の所有権は、買主が売主に対して売買代金全額を支払い、売主がこれを受領した時に売主から買主に移転します。 |
「所有権の移転の時期」の意味と内容
こちらは、所有権の移転の時期を定めた条項になります。ここでの「所有権」とは、民法で定義されている、土地や建物などの不動産を自由に使用・収益・処分することができる権利のことなので、「いつの時点で、売主から買主の物になるのか」を定めているわけです。
本物件の所有権は、買主が売買代金の全額を支払ったとき（通常は残代金支払いのとき）に、買主に移転します。
物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。
（民法第176条）
民法176条では「所有権の移転は当事者の意思表示のみによって移転する」と定められています。
でも、
売主が「不動産を売ります」、買主が「その不動産を買います」という意思表示だけで売主から買主へ所有権が移転するとなると、なんだかおかしいですよね。
売主からしたら「買主からまだ代金の支払いを受けていないのに、自分の不動産ではなくなるの？」という事になるし、買主からしたら「売主にまだ代金の支払いもしていないのに、自分の不動産になるの？」と思うかもしれません。
それより、「買主が、全ての代金を支払ったときを所有権の移転の時期とする」とした方が、当事者にとって公平であるといえることから、こちらの第6条が設けられています。
こちらの条項は、民法の「所有権の移転は当事者の意思表示のみで移転する」の規定からみると、特約になります。
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