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3000万円控除(不動産売却の税金)とはなにかわかりやすくまとめた

3000万円控除(不動産売却の税金)とはなにかわかりやすくまとめた

不動産を売却して利益が出た場合は、譲渡所得に対してかかる税金(所得税・住民税)、いわゆる譲渡所得税(じょうとしょとくぜい)を納めなければなりません。

譲渡所得税を簡単にいうと次のような税金です。

  • 不動産を売却した利益を譲渡所得といいます。
  • 利益が出ている場合には譲渡所得税・住民税を納めなければなりませんが、損失の場合は必要ありません。
  • 不動産の譲渡所得は、他の所得税と一緒に計算して相殺することは不可能です。
  • 課税方法は所有期間によって異なり、譲渡した年の1月1日現在において、所有期間が5年以下か5年を超えるかにより大きく2つに分けて判断します。
  • 使用の用途を居住用、事業用(非居住用)に分けて、条件が該当する場合には特例や特別控除、繰越控除を受けることができます。

売却して利益が出たかどうかは、売却価格から購入価格を差し引いて計算します。このとき、税金が安くなる「マイホームを売ったときの5つの特例」という制度があります。

マイホームを売ったときの5つの特例とは、簡単にいうと住用の不動産を売却したときに税金の優遇を受けることができる次の制度のことです。

  • 3000万円特別控除
  • 10年超所有軽減税率の特例
  • 特定居住用財産の買換え特例
  • 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
  • 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

ここでは、その中の「3000万円特別控除」とはなにかわかりやすく説明します。

3000万円特別控除とは

3000万円特別控除とは、居住用の不動産を売却(譲渡)した場合に、所有期間は関係なく譲渡所得(売却代金)から特別控除として最大3,000万円を差し引くことができるという特例です。

つまり、3000万円利益が出ていても所得税・住民税はかからないため、本来、譲渡所得税を支払わなければならない人にとっては大きなメリットとなる制度です。

譲渡所得税がかかる金額(課税譲渡所得)の計算方法は次の通りです。

課税譲渡所得の計算方法

課税譲渡所得 = 譲渡所得 − 特別控除

「3000万円特別控除」を理解するためには「譲渡所得」についてしっかりと理解する必要があります。譲渡所得について知らない方は、まず下記を参照してください。

譲渡所得税の計算方法についてわかりやすく説明する

譲渡所得税の計算方法についてわかりやすく説明する

2016.01.24

もし、譲渡所得の額が3000万円未満の場合は、その譲渡所得の額を上限として差し引きます。この特例を受けるためには、税務署に確定申告が必要です。その際に、「譲渡所得の内訳書」と「売却した自宅の所在地の住民票(除票)の写し(売却した日から2ヶ月経過後に交付を受けたもの)」が必要です。

また、売買契約日の前日において、住民票に記載されていた住所と売却した自宅の所在地が異なる場合は「戸籍の附票の写し」などが必要になります。

条件として、まず居住用の不動産でなければなりません。しかし、その不動産に住まなくなった場合でも、その日から3年目の年末(12月31日)までに売れば特例の適用が認められます。

住んでいたもしくは住まなくなった家屋(建物)を取り壊した土地については、次の条件にあてはまっていなければなりません。

  1. 売買契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する年の12月31日までに売却すること
  2. 家屋を取り壊してから売買契約を締結した日まで、貸駐車場などその他の用に供していないこと

3000万円特別控除は、3年に1度使うことができる制度なので、売却した前年、前々年にこの「3000万円特別控除」に加えて、「特定居住用財産の買換え特例」「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」の適用を受けていないことが条件となります。

ただし、10年超所有軽減税率の特例とは併せて適用することができます

その他、親子間や夫婦間など特別な関係にある人と不動産を売買した場合には適用することはできません。また、この特例を受けることだけを目的として入居することや、別荘や一時的な目的のために仮住まいしたとしても、居住用としては認められないため適用できません。

また、次のような特例と重複して適用することも不可能です。

・固定資産の交換の特例
・収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例
・交換処分に伴い資産を取得した場合の特例
・換地処分等に伴い資産を取得した場合の特例
・収用交換等の場合の特別控除
・特定事業用資産の買換え及び交換の特例
・大規模住宅地造成事業の施工区域内にある土地等の造成のための交換特例
・認定事業用地適正化計画の事業用地の区域内の土地等交換の特例
・承継業務の事業計画の施行区域内にある土地等の交換の特例
・特定普通財産とその隣接する土地等の交換の特例

その他、特殊な要件などについては国税庁のHPを参照してください。

共有の場合

建物(家屋)・土地(敷地)ともに共有の自宅を売却した場合には、共有者それぞれが要件を満たしていれば、共有者1人につき3,000万円の控除を受けることができます

不動産を共有名義にして共有持分を持つメリットとデメリット

ただし、建物(家屋)と土地(敷地)の所有者が違う場合は、原則として、土地(敷地)の所有者は3000万円控除の適用を受けられません。しかし、次の3つの条件にすべて当てはまる場合には、土地の所有者も適用を受けることができます。

  1. 建物と土地を同時に売却すること
  2. 建物の所有者と土地の所有者が親族関係にあり、生計を一にしていること
  3. 土地の所有者が建物の所有者と一緒にその家に住んでいること

この場合の特別控除額は、2人合わせて3,000万円までです。まず、建物の所有者が控除し、残りを土地の所有者が控除します。

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まとめ

3000万円特別控除をまとめると次のようになります。

適用条件
  1. 現在主として住んでいる自宅を売却したとき
  2. 居住の用に供さなくなった日から3年を経過する日の属する年の年末までに売却したとき
  3. 家屋を取壊した場合は、上記②の範囲内で、家屋を取壊した日から1年以内にその敷地の売却に関する契約が締結されているとき(取壊し後、敷地を賃貸その他の用に供した場合には不可)
  4. 転勤等で単身赴任の場合、配偶者等が居住している家屋を売却したとき(ただし、2つの家屋を所有する場合は、主たる居住用家屋)
  5. 共有の居住用財産を譲渡した場合、共有者の持分の範囲内において各人毎に適用
  6. 住宅ローン控除との重複適用は不可
  7. 譲渡する相手が、譲渡者の配偶者や親・子など直系血族、生計を一にする親族、同族会社等でないこと
その他 所有期間に関係なく譲渡所得から3,000万円が控除されます。要件が合えば10年超所有軽減税率の特例と併用も可能。特定居住用財産の買換え特例との重複適用はできません
所有期間 制限なし
居住期間 制限なし
適用の制限 3年に1度しか適用できません。そのため前年、前々年において3000万円特別控除、特定居住用財産の買換え特例、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除、特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用を受けていないこと

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この記事の執筆者

坂根 大介
坂根 大介さかね だいすけ

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。
野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。
「証券×不動産(売買)×IT」という強みと、契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、不動産屋社長のためのノートなどをわかりやすく発信している。
イクラ株式会社では、過去に家が売れた成約価格がわかり、売買実績豊富な信頼できる不動産会社とチャットで相談できる「イクラ不動産」を運営。日本経済新聞にも取り上げられる。
また、司法書士事務所では、不動産登記の専門家として登記だけでなく、離婚協議書の作成や遺産分割協議書の作成、相続登記、自己破産の申請を数多く行っており、住宅ローンなど金銭的問題・離婚・相続などを中心に法律に関わる不動産売却の相談が年間1000件以上ある。
主な資格は、宅地建物取引士JSHIホームインスペクター2級FPなど。

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