こちらでは、液状化(えきじょうか)現象とはなにか、詳しくお伝えします。
地震が発生したとき、地盤が液体状になる現象
液状化とは、地震の震動で地盤が揺さぶられて、その一部が液体の状態に変化することです。
液状化は、主に同じ成分や同じ大きさの砂からなる地盤が、地下水など水分が多く満たされている場合に起こる可能性が高いといわれています。
そのような砂でできた地盤は、隙間に水を含みながら砂の粒子が結びついて支え合っていますが、地震が発生して地盤が繰り返し強い振動を受けると、今まで互いに接触していた粒同士の骨格が崩れバラバラとなります。また、粒同士の間にある水には、周りの土から力が加えられ水圧が上昇します。
するとバラバラとなった砂の粒は浮き上がり、液体と同じように自由に動くため、水に浮いたような状態になります。これが「液状化」です。
液状化になると、水の比重よりも重い建物が沈んだり傾いたり、水の比重よりも軽いマンホールなどが浮き上がったようになったり、地中の水道管や下水管などがダメージを受けます。また、地面の裂け目から、水が土とともに地表に噴き出す噴砂(ふんさ)現象が見られます。
液状化が発生するのは、海岸部の埋立地、河川を中心にできた三角州など海や川の近くが多いとされていますが、内陸部の旧河川(きゅうかせん)や池の跡地、水田を宅地化したところでも起こり得ます。2018年の北海道地震で液状化が起きた札幌市清田区でも、かつて沢や水田があった湿地帯に、火山灰を含む土で盛土によって宅地された地域は、比較的地盤が弱いとされています。
(液状化で大きな被害を受けた北海道札幌市清田区)
また、木造住宅は、建物重量が軽く基礎が浅いため、液状化による影響を受けやすいと言われています。
東日本大震災では、埋立地で液状化が顕著でした。埋め立てには砂が多く使われ、もともとは海だった場所なので、地盤に含まれる水分も多いからです。
(液状化で大きな被害を受けた千葉県浦安市で浮き上がったマンホールを保存した震災モニュメント)
液状化は再発防止対策のハードルが高い
2011年の東日本大震災で、市内の約85%が液状化の被害を受けた千葉県浦安市は、約4,100戸分で対策工事を住民との間で検討しましたが、大半は工法や費用負担などの理由で断念しました。液状化対策は、コンクリートで地盤を強化したりするなどの方法がありますが、費用は数百万円かかるとされています。
液状化による被害予想について、さまざまなハザードマップが公開されており、液状化マップで検索して見ることができます。
また、家の建っている場所の土地の成り立ち、つまりその土地が自然本来の地形(自然地形)なのか、人の手が加わった人工的な地形(人工地形)なのかを知っておくことは、リスク対策する上でも重要です。
・ハザードマップとはなにか、家が建っている場所のチェックポイント
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