こちらでは、大深度地下使用法(だいしんどちかしようほう)とはなにか、詳しく説明します。
地下40m以深は公共目的であれば無償で利用できるという法律
大深度地下使用法の正式名称「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」は、大都市圏の地下の公共的利用を円滑に行うために、2000(平成12)年に制定、2001(平成13)年に施行されました。省略して、大深度法(だいしんどほう)と呼ばれます。
大深度は、通常は利用されない地下の非常に深い部分のことです。
たとえ公共事業であっても、地価の高い大都市圏で地下鉄などを建設しようとすると、莫大な地上権設定料が必要になるため、地下鉄や高速道路は公道の下しか通せず、様々な弊害を生み出していました。
土地の所有権は、地下および空中に及ぶ絶対的な権利ですが、大深度法は、地下40m以深の空間(大深度地下:だいしんどちか)には地上の所有権が及ばず、公共目的であれば使用できるというものです。これにより、大深度地下であれば、土地所有者に地上権設定料を支払うことなく地下にトンネルを掘ることが可能になりました(大深度地下の定義:国土交通省HPより)。
リニア中央新幹線は、大都市圏内において大深度地下を利用する予定となっており、品川駅も大深度に建設予定となっています。ただし、現在の東京にある一部の地下鉄など、大深度法の施行前に計画・建設された地下鉄や道路は、さかのぼって大深度法が適用されません。そのため、大深度法施行前に設定された地上権は、たとえ40mより深い所をトンネルが通っていても地上権が存続します。
大深度地下使用法の対象地域は、首都圏・近畿圏・中部圏の一部が指定され、公共目的に該当するのは、道路・河川・鉄道・電気・ガス・上下水道などの公共的事業です。
(大深度地下使用法を適用した事例:国土交通省HPより)
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