こちらでは、連坦建築物設計制度(れんたんけんちくぶつせっけいせいど)について、詳しく説明します。
自分の土地と隣接した土地を1つの敷地とみなして、建物の容積率を融通できる制度
建築基準法では、ひとつの敷地に対して、ひとつの建物を建てるのが原則(一敷地一建築物の原則)です。
この特例として建築基準法第86条の「ひとつの敷地とみなすこと等による制限の緩和」があり、第1項に一団地の総合的設計制度、第2項に連担建築物設計制度が定められており、いずれも複数の建物敷地をひとつの敷地とみなす制度です。
総合的設計制度の適用となる建物は、これから新築し、かつ基本的にいっぺんに建築される場合に適用されます。
・一団地認定と総合的設計制度とはなにかをわかりやすくまとめた
連担(れんたん)とは、「それぞれが拡大することによって連なり、相互に融合すること」の意味です。
連担建築物設計制度は、建築しようとする敷地に、すでに建物が建っている別の敷地を含めてひとつの敷地とみなして、容積率の制限を適用します。そのため、市街地内の古い建物の敷地にも広く適用できます。
たとえば、商業地域内の幅員の広い道路(20m)に面する敷地と、その裏の狭い道路(4m)に面する敷地で考えてみましょう。
(連担建築物設計制度のイメージ:国土交通省HPより参照)
単独の敷地の場合、幅員の広い道路に接する敷地の容積率は400%なのに対し、幅員の狭い道路に接する敷地の容積率は240%になります。しかし、この2つを1つの敷地とみなすことができれば、一体となった土地が幅員20mの広い道路に接していることとなり、敷地全体の容積率が400%となります。
右上の図のように、すでにBの建物が建っている場合は、新たに建てるCの建物は、Bの建物が使い切っていない残りの容積率160%(400%−240%)を上乗せして、400+160=560%の容積率を使うことができます。
右下の図のように、Aの建物がすでに建っている場合は、新たに建てるDの建物は、同様に400%の容積率を使うことができます。
これが連担建築物設計制度です。ただし、連担建築物設計制度は、隣接した土地でしか利用できません。
離れた土地に容積率を利用して活用するのが、特例容積率適用地区です。
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