不動産を売買する際、重要事項説明書の中に「建築基準法に基づく制限」という項目があります。
ここでは、その中の「その他重要な事項」に記載すべき下記の項目についてまとめました。
- 総合設計制度と一団地認定
- 違反建築物と既存不適格建築物
(この項目では、FRK・宅建協会・全日・全住協の重要事項説明書を念頭に説明しており、書式や記載方法は微妙に異なっていますが、用語の意味や記入すべき内容は基本的に同じです。ここではFRKの記入方法を中心に解説しています。)
建築基準法に基づく制限(その他重要な事項)
建築基準法に基づく制限で、上記のように既につくられている項目以外で、記載・説明すべき事項は「その他重要な事項」に記入する。
総合設計制度と一団地認定
記入例:総合設計制度の場合
違反建築物と既存不適格建築物
記入例:既存不適格建築物について
記入例:違反建築物で、建ぺい率・容積率がオーバーしている場合
一般の不動産流通市場で取り扱われる中古物件は、違反建築物が意外に多く、重要事項説明に際して大きな問題となる。重要事項説明では基本的には買主に有利・不利に関係なく、宅建業者が知り得た事項について告知義務があると考えられる。したがって、まず建築基準法で定められた規制内容をそのまま記入する。そして、建ぺい率・容積率がオーバーしていれば、その事実を明記する。建築基準法令等に違反しているか否かの判定は行政庁が行うのであって、宅建業者ではないことに注意する。
記入例:建物が用途制限等に抵触している場合
建ぺい率・容積率以外の制限には、建築の知識にかなり精通していなければ判断できない事項も多い。宅建業者としての調査義務の範囲がどこまであるのかは個々のケースで異なるが、宅建業者としては、道路接道の長さ、防火地域内の木造住宅などの現地調査等で明らかな違反と分かる事項については説明すべきだ。
新築の違反建築物について
新築の違反建築物については、仮に買主が違反建築物であることを承知していたとしても法令違反に【建築基準法第9条の3(違反建築物の設計者等に対する措置)および宅地建物取引業法第65条第1項第3号(他法令違反)の規定に】抵触するため、宅建業者は取引に関与してはならない。そのため、新築建売住宅を取引する場合は、事前に建築確認済証に添付されている配置図や各階平面図等を入手し、建ぺい率の最高限度、容積率の最高限度、敷地の接道義務などの内容をチェックした上で現状と照らし合わせ、売主である建売業者に建築基準関係規定に適合した建築物であることを確認して、取引を進めていく必要がある。
不動産会社だけど、プロに不動産の基本調査や重要事項説明書などの書類の作成を依頼されたいという方は、「こくえい不動産調査」にご相談ください。
地方であっても複雑な物件でも、プロ中のプロがリピートしたくなるほどの重説を作成してくれます。