不動産流通業界には4つの団体が存在する。
それぞれどのような違いがあるのだろうか?
不動産の4つの団体(宅建協会・全日・ FRK・全住協)とは?
不動産屋(宅地建物取引業者)は、全国で12万超あるが、一般的に4つの団体のいずれかに属している。各団体は、加入した不動産業者の育成や指導、消費者からの相談、不動産流通市場の発展を目的とした政策提言などの様々な公益事業を展開しており、大きな違いはない。
公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会
全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)は、各都道府県にある宅地建物取引業協会(宅建協会)の全国組織として設立された。会員業者数は10万弱にのぼるため、大半の不動産屋が全宅連に加盟していることになる。「宅建協会」と省略して呼ばれる。
公益社団法人 全日本不動産協会
全日本不動産協会(全日)は、業界最古の団体で、会員業者数は3万を超える。「全日」と省略して呼ばれる。中小の不動産屋で、宅建協会に加入していなければ、全日に加入しているケースがほとんどだ。
一般社団法人 不動産流通経営協会
不動産流通経営協会(FRK)の会員業者数は300弱だが、大手不動産(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル等)・中堅不動産会社が会員となっており、大手不動産グループともいえる。「FRK」と省略して呼ばれる。
一般社団法人 全国住宅産業協会
全国住宅産業協会(全住協)は、どちらかというと建設会社の中堅企業が会員となっているケースが多い。また、FRKなどと重複して加盟している業者も多い。「全住協」と省略して呼ばれる。
何のために加盟しているのか?
不動産屋がいずれかの団体に加盟する大きな理由は、営業保証金(弁済業務保証金分担金)にある。簡単に言うと、不動産屋を始めるには1,000万円の営業保証金を供託(預ける)しなければならず、負担が大きい。それに対して、国土交通大臣が指定した団体に加盟することで、60万円の弁済業務保証金分担金を納めれば良いというメリットがあるからだ。
また、団体に加盟するとその団体の売買契約書・重要事項説明書・媒介契約書を利用することができる。団体ごとにより、若干書式が異なっている。ちなみに、売買契約書や重要事項説明書は、FRKの書式が一番厳しいとされている。FRKの書式は、大手不動産会社が使用する書式であり、大手不動産会社は訴訟のリスクを考えてシビアに作成されたものだからだ。強いていえば違いはそれぐらいのもので、どこの団体だから良いとか悪いとかの優劣はない。
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