差押えの条件が満たされない場合において、権利が侵害されるおそれがあるときに、勝手な処分を制限する登記
仮差押(かりさしおさえ)とは、金銭債権(または金銭債権に換えることができる債権)の強制執行をするための予備的手続として、債務者(お金を借りている側)財産の減少を防ぐための法的手続きです。金銭債権(きんせんさいけん)とは、ある人が他のある人からお金を受け取る権利のことをいい、執行(しっこう)とは、法律・命令・裁判・処分などの内容を実際に実現するという意味です。
あとで正式な差押を予定しており、現段階では仮に差し押えるということで、仮差押といいます。
差押(さしおさえ)とは、債権者(お金を貸している側)の訴訟によって、公権力を持っている裁判所や税務署・地方公共団体が、債務者(お金を借りている側)の財産や権利の処分を禁止することを言います。公権力(こうけんりょく)とは、国や地方公共団体が国民に命令し強制する権力という意味です。
差押えするには、債権者が貸金返還の訴訟(本案訴訟という)を起こして勝訴し、確定判決などの債務名義と執行文の付与が必要です。ただし、確定判決が出て決着するまでには時間がかかるため、その間に債務者が不動産を売却してしまうと、債務者が所有している不動産の強制売却(競売)などの目的を達成することができません。
これを防ぐために、確定判決が出ていないなど、差押えの条件が満たされない場合に仮差押の登記を行います。処分の制限に関する登記の1つであり、不動産に関する権利の処分を制限します。
仮差押と仮処分(かりしょぶん)はどちらも、自分の権利を保全するために、裁判所が発する命令で、まとめて保全処分といいます。保全処分は急いでいるため、手続きを早くする必要があり、一般的に書面だけで行われ、短期間で決定されます。裁判所は、保全処分を行うにあたり、一般的に保証金の供託(きょうたく:預けて保管してもらうこと)を命じます。
仮差押が金銭債権を対象するのに対し、仮処分は金銭債権以外の権利を保全する点で異なります。
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