こちらでは、切土(きりど)・盛土(もりど)について詳しく説明します。
傾斜のある土地を平らな土地にするために、地面を削ったり、土砂を盛ること
切土(きりど)とは、傾斜のある土地を平らかにするために、地面を削りとって地盤面を低くすることをいいます。逆に、盛土(もりど)とは、傾斜のある土地を平らかにするために、土を盛って地盤面を高くすることをいいます。
丘陵地の宅地造成では、傾斜部分の土を一部を削り、その部分の土を下に盛って、ひな段状に宅地をつくります。
このような切土や盛土を含めて、山や丘などの土地を宅地にかえることを宅地造成(たくちぞうせい)といいます。また、宅地造成によってつくられた宅地を造成地(ぞうせいち)といいます。
宅地造成及び特定盛土等規制法による制限
宅地造成工事規制区域内で、次のような切土・盛土を行う場合には、宅地造成及び特定盛土等規制法により都道府県知事の許可が必要になります。
・不動産の重要事項説明書における「宅地造成及び特定盛土等規制法」とはなにか
切土に対して盛土はリスクのある土地だともいえます。
切土は、元の地盤面を削ったので、地盤は全体的に均質で締まっています。それに対し盛土は、元の地盤面の上に新たに土を盛り足すために、元の地盤と盛土部分のふたつの層に分かれ、その境がすべりやすくなります。
盛土部分の土は、細かいすきまがあり、雨水の浸透にともない土が締まるため、空洞が生じて建物を支える力が弱まります。また、締固めが不十分だと不均質になり、盛土自体や地上建物の重みで、沈下の程度が同一でない不同沈下(ふどうちんか)が起きます。さらに地震が起こると、振動で盛土部分が滑り、建物基礎を支持できなくなって建物が損壊したりします。
なぜ、盛土の造成地がつくられたのかというと、日本の国土の平地の面積が約3割と少なく、大半が山地に囲まれていることに原因があります。高度経済成長期に都市部の人口増加に伴い、宅地として利用できる平らな土地が不足したため、住まいの場所は郊外の丘陵地や台地、山麓へと広がりました。
大規模盛土造成地(だいきぼもりどぞうせいち)
盛土造成地は、谷間や山の斜面に土を盛るなどしてつくられています。このうち、過去の地震時の被害事例から、滑動崩落(かつどうほうらく:盛土の地すべり)の発生が多かった盛土の面積や高さ、盛土をする前の地山(じやま)の傾斜をもとに、大規模盛土造成地が下図のように定義されています。
家の建っている場所が盛土なのかどうかについて調べたい方はこちらの記事をご覧ください。
・ハザードマップとはなにか、家が建っている場所のチェックポイント
不動産会社だけど、プロに不動産の基本調査や重要事項説明書などの書類の作成を依頼されたいという方は、「こくえい不動産調査」にご相談ください。
地方であっても複雑な物件でも、プロ中のプロがリピートしたくなるほどの重説を作成してくれます。