リースバックとは、所有している家(不動産)を不動産会社などが直接買い取り、あなたは賃貸としてそのまま住み続けることができるサービスです。
リースといえば、コピー機などをイメージするのではないでしょうか。
物品の所有権はリース会社にありますが、企業は、毎月の定額なリース料を払えば、自社で購入した場合と同じように機械や設備を使用できるため広く普及しています。
リースバックのメリットとデメリット
リースバックは、コピー機などのリースの家バージョンです。不動産を所有する売主が、売却しても住めるサービスです。
このように、資産を売却した後でも、それをそのまま使用しながら買主に使用料を支払う方式をリースバックといいます。
- 不動産会社が買い取る際に不動産売買契約を結ぶため、所有権は売主から不動産会社に移ります。
- 代わりに、売却代金が売主の手元に入ります。
- 同時に賃貸借契約を結び、売主はオーナーとなった不動産会社に賃料を支払うことで賃借人となって住み続けることができるというものです。
もし、住宅ローンが残っていても、リースバックして得られた資金で住宅ローンを全額返済できるのであれば利用できます。そのため、「リースバックの資金<住宅ローンの残債」のように債務超過する場合は、現金を手出しなどしない限り、リースバックが利用できない可能性があります。
そのまま住み続けることができること以外のメリットとして次の点があげられます。
売主がリースバックを利用するメリット
- 不動産会社が直接買い取るため、現金化が早い(1ヶ月程度)
- 売却したお金は何に使っても自由
- 年齢制限や年収制限なし
- 売却したことが近所にバレない
- 売却した自宅を再度購入することが可能
- 固定資産税・都市計画税や、マンションの場合は管理費・修繕積立金がかからない
- 引越し費用や保証人が不要
逆にデメリットとして次の点があげられます。
売主がリースバックを利用するデメリット
- 家賃がかかる
- 自宅を買い戻さない場合、期限内に出ていかなければならない
- 一般的な売却金額より安くなるのはもちろんのこと、一般的な買取金額よりも安くなる
また、リースバックには、期間内に売却した自宅を再度購入することができる買い戻し優先権がついています。このときの賃貸の契約は定期賃貸借契約です。定期賃貸借契約は、契約期間が終了した時点で契約が終了し、確実に明け渡ししなければならない契約です。
この定期賃貸借契約の期間は、買い取る不動産会社が決めますが、一般的に2年程度であることが多いです。
つまり、2年以内に買い戻せない場合は、結局出ていかなければなりません。この買い戻しの金額は、一般的に売却金額の120%〜130%となっています。
リースバックは売却した後、何年もそこに住み続けることができるわけではなく、今すぐ資金が欲しい人で、かつ、今すぐには引っ越ししたくない人向けの売却サービスということができます。
条件はリースバックを行う不動産会社によって条件が異なりますが、出ていく期間(買い戻し優先権)が長ければ長いほど、売却金額が安くなるか、賃料のどちらかが高くなります。
収入が減って生活費が不足しているときや借金の返済が苦しい場合など、「まとまったお金を借りることができたら良いのに」と考えるのは普通のことです。
リースバックでの買取価格は普通に売却したときの価格のおよそ40%~50%になります。
リースバックは、不動産会社が購入して賃貸するというリスクを背負います。不動産は額が大きいので、不動産会社は転売して早く資金を回収したいのです。しかし、最初に◯千万円で購入し、その後数年間は賃貸で貸さないといけないので、資金力が必要になります。
また、天災地変がくると所有者は不動産会社に変わっているため、全て不動産会社の費用負担になります。こちらもリスクです。
リースバックでの買取価格は、場所など条件によって異なります。
リースバックを見積もる際は、面倒くさがらず1社でも多くのリースバックを扱っている会社に見積もってください。
会社ごとに大きく条件が異なり、場合によっては、買取価格が数百万円異なることは普通にあります。
リースバックの会社を比較するときは次の条件を必ず聞いて、比較して選んでください。
- そもそもリースバック対象エリアかどうか
- 取り扱っている種別は?(マンションはOKか、戸建てはOKか)
- 買取金額はいくらなのか?
- 家賃はいくらなのか?最大、いつまで賃貸できるのか?
- 後で買い戻すことはできるのか?
- 初期費用はかかるのか?
- その他、かかる費用や条件はないか?
リースバックを取り扱いしている不動産会社
(このページは、利用者が便利になるようにリースバックを扱っている会社をまとめて掲載したく考えています。掲載されているサイトの他にもリースバックを扱っている会社がある場合はお問い合わせよりご連絡ください。掲載を検討させていただきます。)
北海道・東北地方
北海道・青森県・秋田県・岩手県・山形県・宮城県・福島県でリースバックを取り扱っている不動産会社です。
北海道
市区町村 | 会社名 |
帯広市 | センチュリー21 株式会社ネクストワン |
関東地方
東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・群馬県・栃木県・茨城県でリースバックを取り扱っている不動産会社です。
東京都
市区町村 | 会社名 |
足立区 | 株式会社福屋不動産販売 北千住店 |
葛飾区 | 株式会社MOTOZUKE |
墨田区 | 株式会社福屋不動産販売 錦糸町店 |
中部地方
新潟県・山梨県・静岡県・長野県・岐阜県・愛知県・富山県・石川県・福井県でリースバックを取り扱っている不動産会社です。
静岡県
市区町村 | 会社名 |
浜松市 | センチュリー21 中央不動産株式会社 浜松店 |
愛知県
市区町村 | 会社名 |
大府市 | ハウスドゥ!大府東浦店 株式会社エネチタ |
東海市 | エスビー不動産株式会社 |
近畿地方
大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・和歌山県・滋賀県・三重県でリースバックを取り扱っている不動産会社です。
大阪府
市区町村 | 会社名 |
大阪市 | 株式会社イーナリンク |
大東市 | ハウスドゥ! 大東野崎店 ラリーケー株式会社 |
兵庫県
市区町村 | 会社名 |
神戸市 | 神戸不動産リアルティ株式会社 |
中国地方
広島県・岡山県・山口県・鳥取県・島根県でリースバックを取り扱っている不動産会社です。
岡山県
市区町村 | 会社名 |
総社市 | 有限会社クサチ |
四国地方
香川県・徳島県・愛媛県・高知県でリースバックを取り扱っている不動産会社です。
九州地方
福岡県・佐賀県・長崎県・大分県・熊本県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県でリースバックを取り扱っている不動産会社です。
福岡県
市区町村 | 会社名 |
中間市 | 合同会社Faith |
福岡市 | 売却の窓口 株式会社キャッスルハウス |
宮崎県
市区町村 | 会社名 |
日向市 | 株式会社アクロス不動産(イエステーション日向店) |
その他
分類 | 会社名 |
FC(フランチャイズ) | ハウスドゥ! |
FC(フランチャイズ) | センチュリー21 |
買取会社 | スター・マイカ |
買取会社 | インテリックス |
買取会社 | ムゲンエステート |
仲介会社 | 大京穴吹不動産 |
仲介会社 | 伊藤忠の仲介 |
パワービルダー | 一建設 |
ノンバンク | セゾンファンデックス |
不動産会社側のメリット
不動産会社側のメリットは2つです。
- 安く買える
- リースバックをフックとした集客ができる
①安く買える
リースバックでの買取価格は、現在相場価格の40%〜50%ぐらいです。
近年、参入が増えていますが、リースバックはリスクと考える不動産会社も多く、まだまだ取り扱っている不動産会社プレイヤーが少ないため、その分安く買えるという事実があります。
②リースバックをフックとした集客ができる
前述したように、リースバックは買取価格も安く、またオーバーローンのケースであったり、過疎の地域ではそもそもリースバックの対象とすることが難しいことから、そうそうリースバック契約が増えるわけではありません。
実際、ハウスドゥ!のハウス・リースバックの月間のリースバックの問い合わせ数(反響数)は約2000件あるのに対して、実際の契約件数は60件と、わずかリースバックの契約率は3%となっています(2020年3月時点)。
では、残りの1940件の問い合わせはどうなるのでしょうか?
リースバックでの問い合わせの大半が、リースバックにはならず、仲介もしくは買取になっていることが多いのです。
リースバックを利用したいというお客様の大半が、お金に窮している方です。
リースバックを利用したくても利用できない場合、売主はどうすると思いますか?
これがリースバックが売却集客のフックとなり大きな理由です。
リースバックの場合の契約書の記載方法
リースバックには、期間内に売却した自宅を再度購入することができる買い戻し優先権がついています。買い戻し優先権を正式にいうと、再売買予約完結権です。
再売買予約完結権の行使は、相場価格のおよそ55%ぐらいに設定されることが多いです。
相場のおよそ40%で買い取り、もし、賃貸借契約期間中に再売買予約完結権を行使されたとしても、相場のおよそ55%で買ってくれるため、利益が出る仕組みとなっています。
不動産会社によっては、リースバックの売買契約時に別途、地歴調査費用(5万円前後)を取っているケースがあります。
また、定期賃貸借契約時に敷金・礼金も取っているケースも多いです。
契約書における特約条項の記載方法についてサンプルをあげました。あくまでもサンプルであることにご留意ください。
売買契約書の特約条項
一、甲及び乙は、本物件につき再売買を予約し、甲が乙に対して金◯円を提供しかつ甲が乙に対し再売買予約完結の意思表示を書面によってなしたときは、意思表示後1ヶ月後に乙の何らの意思表示なしに、再売買の効力が生じます。但し、甲及び乙は別途協議の上、再売買契約締結の日を決定することができるものとします。尚、消費税の増税により上記再売買価格が当該増額分増加することがあることにつき、甲は了承するものとします。
一、甲は第三者に対し前項の再売買予約完結権(以下「本件予約完結権」という)を譲渡することができません。但し、乙の事前の書面による承諾を得た場合はこの限りではありません。
一、甲は、本契約に関する権利義務・債権債務を、乙が甲の承諾なしに、第三者に譲渡等をすることについてあらかじめ承諾するものとします。
一、乙は本契約に基づき本物件の所有権を取得したときから、本物件を目的物をとする定期賃貸住宅契約(以下「本件賃貸借契約」という)を甲と締結し、甲は本物件を賃借するものとします。
一、甲が、前項に記載される本件賃貸借契約期間中に、本件予約完結権を行使しなかった場合、本件予約完結権は失効するものとします。但し、本件賃貸借契約が期間満了時に再締結された場合は、再締結された期間は失効を猶予されるものとします。
一、甲は以下の各号の一に該当する事由が発生したときは、理由のいかんに関わらず、甲の本件予約完結権は消滅するもとします。
(1)甲が、本件賃貸借契約の賃料支払を2ヶ月分以上遅滞したとき
(2)甲が本契約上の義務に違反し、乙からの催告を受けても、30日以内に当該違反を是正しなかったとき
(3)乙の責めに帰すべき事由によらず、本件賃貸借契約が終了したとき一、乙は甲の依頼を受け、本物件引渡時までに本物件の地歴調査を行うものとします。尚、調査費用(◯円税込)は甲が乙に本契約の決済時に支払うものとします。
一、本契約にかかる取引につき、甲は、乙が保有する甲の個人情報を、本契約に関する権利義務・債権債務の譲渡に関する取引の関係上必要な範囲で第三者に提供することに甲は同意するものとします。
一、本物件の引渡までに、本物件に属する管理費・修繕積立金・固定資産税・都市計画税等及び電気・ガス・上下水道等公共料金に滞納があった場合、甲の責任と負担において精算し引渡すものとします。万が一、引渡し時までに精算が完了しない場合、乙は本契約を解除できるものとします。
定期賃貸住宅契約書の特約条項
一、本契約は、本物件を目的物とする令和◯年◯月◯日付不動産売買契約(以下「原契約」という。)における再売買予約特約に基づき、甲が乙に対し1ヶ月前に再売買予約完結の意思表示をすることで解約することができるものとする。但し、本契約開始日から6ヶ月の期間内に前記意思表示をなす場合、中途解約違約金として前記期間の残存期間の賃料相当額を、甲は乙に支払わねばらないものとする。
一、本契約に際し、本物件を対象とする火災保険は乙指定の保険会社代理店を通じ、申し込むものとする。
一、本契約は、本物件を目的物とする原契約を前提としている。そのため、前記売買契約が何らかの事情で解除された場合、本契約は自動的に白紙解除されるものとする。
一、乙は本物件を第三者に売却した場合、本契約の内容を新所有者に承継させることを確約するものとする。
一、甲は、本契約に関する権利義務・債権債務を、甲の承諾なしに、乙が第三者に譲渡等をすることについてあらかじめ承諾する。
一、甲は、本契約条項第16条(再契約)第1項の書面に対する回答を、第2条第1項に規定する期間の満了の1ヶ月前までに記名・押印のうえ乙へ通知するものとする。