不動産を売買する際、重要事項説明書の中に「管理組合の名称および管理の委託先」という項目があります。
(この項目では、FRK・宅建協会・全日・全住協の重要事項説明書を念頭に説明しており、書式や記載方法は微妙に異なっていますが、用語の意味や記入すべき内容は基本的に同じです。ここではFRKの記入方法を中心に解説しています。)
管理組合の名称および管理の委託先とは
こちらの項目では、マンション管理組合の名称、管理の形態、管理委託先について記載します。
【管理組合の名称】
管理組合の名称を記入します。
【管理の形態】
マンションの建物とその敷地、付属施設の管理について、通常は管理規約に定められているので、その内容に従って管理組合が管理を行います。
「管理組合」といっても、実際に活動しているものや名ばかりのものなど、その実態はさまざまです。例えば、郊外型の居住用マンションは、組合活動が活発で管理組合の存在がはっきりしているケースが多いですが、都内のワンルームマンションは管理組合といっても名ばかりで、ほとんど機能していません。
したがって、委託管理(いたくかんり:管理を業者にお任せすること)している場合でも、管理組合と管理会社が連携しているケースもあれば、管理会社が実質的に単独で管理を行っているものもあり、実態はマンションごとに異なります。そのため、管理について調査をする場合は、組合活動の内容がどうなっているかをよく調査し、買主に説明した方が良いでしょう。
管理の形態は大きく分けると次の3つの方式があります。
- 自主管理(じしゅかんり)
- 一部委託管理(いちぶいたくかんり)
- 全部委託管理(ぜんぶいたくかんり)
物件調査の場合、マンションの管理形態がいずれに該当するのかを、売主・管理組合の役員(理事長など)・管理会社・管理人にヒアリングしたり、管理規約を確認の上、該当する管理形態を記載し、説明しなければなりません。
自主管理(直接管理方式)
「自主管理」とは、区分所有者(マンション所有者)全員が協力して管理業務を分担し、管理員を直接雇用し、または清掃・設備の保守点検を、管理全般を請け負うマンション管理会社を通さず、直接専門業者に委託する(もしくは自分たちで行う)など、自ら管理を行う方式です。一般的には小規模なマンションに多くみられます。
区分所有者が自ら管理業務を行うため、管理費が低額で済むというメリットがあります。逆に、所有者ひとりひとりの負担が大きいこと、修繕積立金など巨額のお金を管理する上で、特定の人に任せておくことに不安があることがデメリットです。
一部委託管理(一部委託方式)
基本的には自主管理方式と同じですが、管理業務の一部、例えば清掃または設備の保守点検だけをマンション管理会社に委託する方式です。
全部委託管理(一括委託方式)
区分所有者の合意のもとに、管理業務の全て(事務管理業務・管理員業務・清掃業務・設備管理業務)をマンション管理会社に委託する方式です。この方式は、自主管理や一部委託管理方式に比べて管理費は上がりますが、その分、マンションに住む人の手を煩わす必要がありません。現在の大半のマンションは、「全部委託管理方式」を採用しています。
管理委託先(かんりいたくさき)
全部委託管理や一部委託管理など、区分所有建物およびその敷地の管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名(法人の場合はその商号または名称)・住所(法人の場合は主たる事務所の所在地)・電話番号を記入し、さらに管理の委託先が、マンション管理業者登録簿(マンションの管理の適正化の推進に関する法律第44条第1項)に登録を受けている場合には、その登録番号も記入します。
管理の委託がされていなくて、自主管理を行っているときは、「その他」の項目欄に管理組合の代表者・管理人等の連絡先を記入して、説明します。
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