こちらでは、遊休土地転換利用地区(ゆうきゅうとちてんかんりようちく)とはなにか、詳しく説明します。
市街化区域内の遊休土地に対して有効利用を促進するための地区
遊休土地転換利用促進地区は、市街化区域内の遊休土地(工場跡地等の未利用地)に対して、有効利用を促進するための地区です。遊休とは利用、活用されず、使われないままで放置してあることの意味です。
市街化区域とは、すでに市街地を形成している区域(既成市街地)、または、今後10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域(エリア)のことです。市街地とは、人家や商店・ビルなどが立ち並んだにぎやかな土地のことで、農地や森林などが見られません。そして、市街化とは建築物が数多く建築されているイメージになります。
市街化区域なのに「遊休」状態であるのは良くないですよね。そのため、遊休土地転換利用促進地区に指定され、一定期間内に有効利用がなされないと、利用計画の届出、当該土地の買取り協議の対象となります。
都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる条件に該当する土地の区域について、遊休土地転換利用促進地区を定めることができる。
- 当該区域内の土地が、相当期間にわたり住宅の用、事業の用に供する施設の用その他の用途に供されていないことその他の政令で定める要件に該当していること。
- 当該区域内の土地が前号の要件に該当していることが、当該区域及びその周辺の地域における計画的な土地利用の増進を図る上で著しく支障となつていること。
- 当該区域内の土地の有効かつ適切な利用を促進することが、当該都市の機能の増進に寄与すること。
- おおむね5,000㎡以上の規模の区域であること。
- 当該区域が市街化区域内にあること。
2 遊休土地転換利用促進地区については、都市計画に、名称、位置及び区域を定めるものとするとともに、区域の面積その他の政令で定める事項を定めるよう努めるものとする。
具体的には、市街化区域内で、まとまった土地が有効利用されないままになっているとき、市町村が土地所有者に対して積極的な土地利用を促します。市町村長は、遊休土地転換利用促進地区の指定を行い、それから2年経過したとき、5,000㎡以上の未利用地等の所有者に対して、遊休土地であることを通知します。通知を受けた者は、6週間以内に土地利用または処分計画を届出なければなりません。有効利用等が行われて目的が達成された場合は、指定を廃止するという流れです。
遊休土地転換利用促進地区は、都市計画法で定める「地域地区」ではありません。地域地区は、都市計画法第8条に定められており、どのような用途に利用するべきか、どの程度利用するべきかなどを定めて21種類に分類したものです。遊休土地転換利用促進地区は、都市計画法第10条の3に定められており、第8条に定める地域地区を補完追加するものとなっています。遊休土地転換利用促進地区は、かつて川崎市において指定されたことがありましたが、現時点での指定はありません。
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