こちらでは、駐車場法とはなにか、駐車場整備地区とはなにか、詳しく説明します。
駐車場を設置しなければならない地区
駐車場法は、市街地での駐車施設を整備し、道路交通の円滑化および都市機能の増進を図るための法律で、1957(昭和32)年に制定されました。
駐車場整備地区は、駐車場法に基づく地域地区で、主に市街地中心部の自動車交通が著しく輻湊(ふくそう:1ヶ所に集中こと)する地区、またはその周辺の同じような地区において、円滑な道路交通を確保することを目的に市区町村が定めます(駐車場法第3条第1項)。具体的には、駐車場整備地区内に駐車場の設置を促すものです。
駐車場整備地区および商業地域・近隣商業地域内では、一定規模以上(床面積が2,000㎡以上で条例で定める)の店舗などの建築物を建築、または同規模以上となる増築をしようとする場合、条例によって、その建築物または敷地内に、床面積に応じて一定の駐車場を設けることを義務付けることができます(駐車場法第20条)。設置が義務付けられた駐車場を、付置義務駐車場(ふちぎむちゅうしゃじょう)といいます。
このように公営の駐車場や民間の駐車場の設置の促進を図るとともに、そのことにより商業地として活性することも目的としています。
調査している不動産が、駐車場整備地区に該当しているかはGoogleやYahoo!で「◯◯市 駐車場整備地区」と検索すれば調べることができます。
上記の不動産は、駐車場整備地区内にあります。こちらの大阪市の例から駐車場整備地区についてみてみましょう。
駐車場整備地区の例:大阪市
大阪市の駐車場整備地区の概要は次の通りです。
増大する駐車需要に対処し道路交通の円滑化を図るため、昭和36年都心部に駐車場整備地区を指定しました。さらに、平成2年に都心部駐車場整備地区を拡大するとともに、新大阪駐車場整備地区、京橋駐車場整備地区を新たに指定しました。
駐車場整備地区内で建築物を建築する場合には、大阪市の「建築物における駐車施設の附置等に関する条例」によって、一定規模以上の建築物に駐車施設等の設置を義務づけています。なお、駐車場整備地区以外の地域についても、建築物の用途によっては、この条例の対象となる場合があります。(大阪市のHP参照)
(大阪市の駐車場整備地区)
大阪市の駐車場整備地区内で建築物を建築する場合は、「建築物における駐車施設の附置等に関する条例」を守る必要があります。条例の内容は次の通りです。
駐車場整備地区における制限内容は、各自治体の条例ごとに内容が異なるため、注意が必要です。
駐車場整備地区は、都市計画法で定める「地域地区」の一つです。地域地区とは、都市計画区域内の土地を、どのような用途に利用すべきか、どの程度利用すべきかなどを定めて21種類に分類したものです。
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