あなたは親からの資金援助で不動産の購入を考えているとします。
親からお金を援助してもらって不動産を購入する方法には大きく分けて3つの方法があります。
ここではその3つの方法と親子間の借入れ方法についてわかりやすく説明します。
親が資金を援助する場合の方法
親から援助を受ける場合には以下の3つの方法があります。
1. 贈与(ぞうよ)
「相続時精算課税制度」や「住宅取得等資金の非課税制度」を利用し、親より贈与を受ける方法です。
→贈与について
→相続時精算課税制度や住宅取得等資金の非課税制度について
2. 共有(きょうゆう)
親の出した資金分を親の持分として共有で登記する方法です。
3. 借入金(かりいれきん)
所定の条件を守り親からの借入金とする方法です。いわゆる「親子間借入れ」のことです。
親子間借入れについては以下で説明します。
親子間借入れの方法
親子間借入れをする上で一番の注意点は、親から「(お金を)返してもらわなくても良い」と言われて、親に返さなくなったり、親だからといってお金がある時(不定期)に返したりすることです。これは贈与税の対象になる可能性があります。
無用の誤解を生まないように、親から実際にお金を借りて返済を行う場合には、以下の通り、借入れについて取り決めしておく必要があります。
1. 金銭消費貸借契約書(きんせんしょうひたいしゃくけいやくしょ)を作成する
金銭消費貸借契約書とはお金の貸し借りの契約書のことです。ワープロでも手書きのものでも形式は問われません。借入金額・利息・返済期間等の借入条件をしっかりと記載します。なお、借入金の金額に応じた収入印紙を貼り、消印することを忘れないでください。
→収入印紙(印紙税)について
2. 一定の利息はつける
銀行金利と比べて極端に低い金利や無利息であると、借りる側に経済的利益が生じて有利になるため、贈与税の対象になる可能性があります。
3. 金銭消費貸借契約書に従い毎月確実に返済する
お金の返済方法としては「手渡し」よりも「振込」がよいでしょう。返済したという確実な証拠を振込用紙や預金通帳で証明できるようにしておきます。返済は原則として借りた翌月からとし、長く返済しない異常な期間(例えば1年後や2年後)を設けないようにします。
4. 返済期間は返済完了年の親の年齢がおおむね80歳までの期間とする
親の年齢を考慮した常識的な返済期間を設定します。例えば75歳の親に35年返済は非常識と判断されます。
5. 他の住宅ローンとの兼ね合いで返済可能な償還金とする
金融機関では年収の一定割合以下の返済額となっているかで貸付の判断をしています。年間総返済額は他のローン返済額も含め年収の40%以内を目安とします。
親が子の借金を肩代わりする場合は?
借金を肩代わりすることを代位弁済(だいいべんさい)といいます。親が子の借入金の代位弁済を行った場合はどうなるのでしょうか。子が親に返済しない場合(親が子の借金を放棄した場合)は、子は「債務免除益」という贈与を受けたことになります。この債務免除の金額が年間110万円を超える場合には、贈与税の対象となる可能性があります。これを避けるためには、親子間借入れや相続時精算課税制度を利用する必要があります。