(※この記事は、筆者のベテラン君が実際に不動産会社から依頼を受けた「物件調査・重説作成」案件をもとに、調査や重説作成のポイントをわかりやすく説明するものです。)
こちらの記事では、対象不動産に、含まれる私道と含まれない私道について、物件調査のポイントをわかりやすく説明しています。
(現地とビデオ通話がつながっています。)
敷地の周り間を測って、地積測量図と照合してください。
角地ですから隅切り部分も計測してくださいね。
【ワンポイント】私道負担とは
私道負担とは要するに、自分の土地の一部を道路として提供することです。
例えば、土地100㎡のうち私道負担が20㎡含まれる場合、この20㎡の部分は道路ですから建物を建築できません。建ぺい率や容積率も20㎡を除いて計算されます。所有する土地の面積が100㎡であっても、80㎡の部分しか建築に利用できないという制限(=負担)があるわけです。(私道負担を除いた土地面積80㎡を「有効敷地面積」などといいます。)
そのため、不動産売買においては、土地利用に制限があることを買主に説明しなければならないので、重要事項説明の際に「私道負担に関する事項」を説明します。説明すべき内容は、私道負担の有無と私道負担がある場合、その位置と面積です。
私道負担の調査って、意外と簡単ですね。
ベテラン君、今日はありがとうございました。
対象物件の私道負担だけを調べて終わりですか?
でも確か、重要事項説明書では「対象不動産に含まれる私道」の内容を説明することになっていますよね。
そういえば、重要事項説明書には「対象不動産に含まれない私道」を説明する項目がありました。
私道負担があるのは、この物件だけですか?
例えば隣地などは私道負担がありませんか?
地番47番の土地に私道負担があれば、対象物件の利用に密接な関係がありますから、「対象不動産に含まれない私道」として説明すべきですね。
ベテラン君、ありがとうございました。
道路をはさんで物件の対面側についても調べなきゃ。
もう一度、公図を見てください。
地番48の物件を調査する場合、要約書や地積測量図などの資料を取得する際には、本物件以外に、少なくとも地番18、19、22、42、47などの資料も取得すべきでしょう。
もし、私道負担があれば・・・。対象物件の利用に密接な関係がありますから、「対象不動産に含まれない私道」として説明すべき、です。
今回の物件について、私道に関する調査事項がおおむね理解できました。
もう、事務所に戻って大丈夫・・ですね。
仲介担当者のための物件調査の実践アドバイス
対象不動産に含まれる私道と含まれない私道
私道に関する調査は、対象物件のみならず、隣地や道路の対面側の調査も必要です。
調査対象地の要約書や地積測量図、建物図面、建築計画概要書、位置指定図面、分譲時の区画図その他、取得できるものは全て取得してください。
例えば、今回の物件のように前面の位置指定道路には、隣地や対面側の敷地の一部が含まれているケースもあります。これらの私道所有者に対して、道路の通行や掘削の承諾を得なければならない場合もあります。
重要事項説明においては、これらの「対象不動産に含まれない私道」について、説明をしなければなりません。
今回の物件は、建物が相当古いので、建て替え用地として取引する予定です。物件の北側は位置指定道路ですが、道路調査で接道義務を満たすことは確認しました。
今日は、私道に関する調査をしたいので、アドバイスよろしくお願いします!