こちらでは、工業団地造成事業(こうぎょうだんちぞうせいじぎょう)とはなにか、詳しく説明します。
工業団地をつくる事業
「工業団地造成事業」は、「首都圏近郊整備法」「近畿圏近郊整備法」に定める事業です。
「首都圏近郊整備法」は、正式には「首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律」といい、1959(昭和34)年に制定された法律です。「近畿圏近郊整備法」は、正式には「近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律」といい、1964(昭和39)年に制定された法律です。
「工業団地造成事業」は首都圏と近畿圏に限られ、高度成長による製造業の拡大にともない増大した工業用地の需要に対して、工業団地の供給とそれに伴う道路や鉄道など公共施設の整備を目的とした法律です。
ここでの「首都圏」とは、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県の1都7県を指しており、「近畿圏」とは、大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県・福井県・三重県の2府6県を指しています。
工業団地造成事業は、地方公共団体が事業主体となり用地を買収して行います。そこで、一気に工業団地の造成、そして工業団地と一体となる公共施設を整備するため、比較的短期間で事業を行います。また、事業完了後10年間は、購入地の所有権移転(売却)については、原則として、当事者が地方公共団体等の長の承認を受ける必要があります(首都圏近郊整備法25条1項、近畿圏近郊整備法34条1項)。ここでいう「地方公共団体等の長」とは、地方公共団体が施行者であった場合はその長、都市基盤整備公団または地域振興整備公団が施行者であった場合は国土交通大臣です。
日本の高度成長の需要にこたえるための法律であったため、ほとんどの地区で事業が完了しています。
首都圏近郊整備法について詳しくは「不動産の重要事項説明書における「首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律」とはなにか」をご覧ください。
近畿圏近郊整備法について詳しくは「不動産の重要事項説明書における「近畿圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律」とはなにか」をご覧ください。
工業団地造成事業は、「首都圏近郊整備法」「近畿圏近郊整備法」に具体的な内容が定められていますが、大枠としては都市計画法第12条に定める市街地開発事業のひとつです。詳細については以下をご参照ください。
【市街地開発事業について】
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