不動産の重要事項説明書の「都市計画法・建築基準法以外のその他の法令に基づく制限」において「大規模災害からの復興に関する法律」という項目があります。
どのような不動産が「大規模災害からの復興に関する法律(大規模災害復興法)」の対象となり、どのような制限を受けるのでしょうか。
ここでは、不動産の重要事項説明における「大規模災害からの復興に関する法律」について説明します。
次の不動産は「大規模災害からの復興に関する法律」について重要事項説明が必要です。
- 届出対象区域内
大規模災害からの復興に関する法律とは
大規模災害からの復興に関する法律(大規模災害復興法)は、東日本大震災の経験を踏まえ、大規模な災害からの復興の枠組みをつくる法律で、2013(平成25)年に定められました。
大規模災害が発生した場合、災害地域での生活再建や経済復興を迅速(じんそく)に図り、災害に対して安全な地域づくりを目的とします。そのために、政府による復興対策本部の設置や復興計画の作成、復興計画実施に係る特別の措置等を規定します。
大規模災害が発生した被災市町村は、復興整備事業実施区域の全部または一部の地域を、届出対象区域(とどけでたいしょうくいき)として指定することができます。
その届出対象区域内で、土地の区画形質の変更、建築物その他の工作物の新築、改築・増築などをするときは、その行為に着手する日の30日前までに市町村長に届出なければならず、届出事項を変更するときも同じです。
【届出対象区域内における制限行為】
届出対象区域内において、土地の区画形質の変更、建築物その他の工作物の新築、改築または増築その他政令で定める行為をしようとする者は、当該行為に着手する日の30日前までに、内閣府令で定めるところにより、行為の種類、場所、設計または施行方法、着手予定日その他内閣府令で定める事項を特定被災市町村長に届け出なければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
1.通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
2.非常災害のため必要な応急措置として行う行為
3.国または地方公共団体が行う行為
4.復興整備事業の施行として行う行為前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項のうち内閣府令で定める事項を変更しようとするときは、当該事項の変更に係る行為に着手する日の30日前までに、内閣府令で定めるところにより、その旨を特定被災市町村長に届け出なければならない。
近年、大規模災害があった地域の不動産を売買する際には、GoogleやYahoo!で「◯◯(市町村) (大規模災害からの復興に関する法律)届出対象区域」と検索し、該当するかどうか調べましょう。また、役所にもヒアリングした方が良いでしょう。
調査した結果、売買の対象となる不動産が届出対象区域内に該当する場合には、制限の内容を調査するとともに、不動産の重要事項説明書の「大規模災害からの復興に関する法律」の項目にチェックをつけて、制限内容を説明する必要があります。
・内閣府防災情報のページ参照
不動産会社だけど、プロに不動産の基本調査や重要事項説明書などの書類の作成を依頼されたいという方は、「こくえい不動産調査」にご相談ください。
地方であっても複雑な物件でも、プロ中のプロがリピートしたくなるほどの重説を作成してくれます。