こちらでは、特定街区(とくていがいく)とはなにかについて、詳しく説明します。
街区を統一感ある街にするための制限
街区とは、街路(道路)に囲まれた区域のことです。一般的な建築制限は、ひとつひとつの敷地を単位にしているため、バラバラに行うのに対し、特定街区では街区を単位にして(複数の街区をひとつにできる)、総合的な制限を行います。そのため、特定街区に指定されるエリアは、きれいな区画になっていることが多いです。
具体的には、都市計画で街区計画を定めて、壁面線の制限を指定し建物を後退させて、スペースを確保すると同時に、建ぺい率・容積率および建物の高さ制限を緩和し高い建物を建てて、周辺(同じ街区内)も含めて統一感のある街づくりを行います。また、隣接する街区で一体的な計画を行なうことにより、使わなかった容積率を片方の街区に上乗せする容積移転が可能です。街区計画によって制限の内容は異なります。
特定街区は、市街地の整備改善を図るため、街区の整備または造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率、建築物の高さの最高限度および壁面の位置の制限が定められる。
特定街区内に建築される建築物には、建基法で定められた容積率、建ぺい率、高さ制限、斜線制限等の一般的な規制は全てが適用されず、特定街区に関する都市計画の規制が適用されます。つまり、特定街区内の建築物の容積率、建築物の高さは、特定街区に関する都市計画で定められた限度以下でなければなりません。
特定街区は高度利用地区とよく似ています。高度利用地区が密集地などで指定されるのに対して、特定街区は区画の整った街区で指定されます。
街区になっているのは、街の中心部が多いため、特定街区には超高層オフィス・商業ビルが建てられます。例えば、東京都庁を含む西新宿の高層ビル群(新宿副都心)は特定街区で建てられています。
調査している不動産が特定街区に該当しているかはGoogleやYahoo!で「◯◯市 特定街区」と検索すれば調べることができます。
上記の不動産は特定街区内ではありません。
特定街区は、都市計画法で定める「地域地区」の一つです。地域地区とは、都市計画区域内の土地を、どのような用途に利用するべきか、どの程度利用するべきかなどを定めて21種類に分類したものです。特定街区とは、21種類ある地域地区の中で、ただひとつ「街区」という名称を持ちます。
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