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居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除とは?

居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除とは?

不動産を売却したときは、税金(譲渡所得)の計算をしなければなりません。譲渡所得とは売却価格から購入価格を差し引いたもので、利益が出ている場合は税金を納める必要があります。

逆に損失が出ている場合は、もちろん税金を納める必要はありませんが、損失を他の所得の利益と相殺することで税金が安くなる特例があります。

これは譲渡所得に関する「マイホームを売ったときの5つの特例」という制度だ。

ここでは、その中の「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」と「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」についてわかりやすく説明します。

 

マイホームを売ったときの5つの特例とは?

あなたが居住用の不動産を売却したとき、①3,000万円特別控除、②10年超所有軽減税率の特例、③特定居住用財産の買換え特例、④居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除、⑤特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除という5つの特例の適用を受けられる可能性があります。これをマイホームを売ったときの5つの特例といいます。

ここでは、④の「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」と⑤の「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」について説明しますが、そのために「譲渡所得」についてしっかりと理解しておく必要があります。譲渡所得について知らない方は、まず下記を参照してください。

譲渡所得税の計算方法についてわかりやすく説明する

2016.01.24

①の「3,000万円特別控除」と②の「10年超所有軽減税率の特例」について知りたい方は以下を参照してください。

3000万円控除(不動産売却の税金)とはなにかわかりやすくまとめた

2016.01.30

③の「特定居住用財産の買換え特例」について知りたい方は以下を参照してください。

マイホームの特例の一つ特定居住用財産の買換え特例とは?

2016.01.31

 

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居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除とは?

損益通算(そんえきつうさん)とは、譲渡(=売却)所得を計算した上で出てきた損失(=赤字)を給与所得など他の所得の利益(=黒字)と相殺することをいい、繰越控除(くりこしこうじょ)とはその相殺しきれなかった損失を翌年以降の所得と相殺することをいいます。他の所得には以下の所得が該当します。

・利子所得(預貯金の利子など)
・配当所得(株式や投資信託の配当金など)
・不動産所得(不動産の賃貸など)
・事業所得(商売など)
・給与所得(給料・賞与など)
・退職所得(退職金など)
・山林所得(木材の収益や山の売却など)
・一時所得(保険金や競馬の払い戻し金など)
・雑所得(年金など)

平成16年度以降、土地・建物等の譲渡所得の計算上生じた損失は、原則として他の所得との損益通算及び繰越控除ができなくなりました。しかし、④の「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」と⑤の「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」の制度の要件を満たせば、譲渡損失を他の所得との損益通算及び繰越控除をすることができます。

 

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居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除とは?

居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除とは、5年を超えて保有する居住用の不動産を譲渡(=売却)して、新しく居住用の不動産に買い換えることを条件に、上記の「居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」を利用することができるというものです。

この場合、不動産売却で損失が出ても、売却損をその年の他の所得と損益通算でき、損益通算しても赤字となった金額については、翌年以降3年間繰り越して所得から控除できます。この特例を受けるためには、税務署に確定申告しなければなりません。また、住宅ローン控除との併用が認められています

譲渡所得の計算方法について詳しく知りたい方は以下を参照してください。

譲渡所得の取得費と譲渡費用の計算方法についてわかりやすく説明する

2016.01.25

条件として、まず居住用の不動産でなければなりません。しかし、その不動産に住まなくなった場合でも、その日から3年目の年末までに売れば特例の適用が認められます。また、

・買い換えた不動産を取得した年の年末、または繰越控除の特例の適用を受けようとする年の年末において、「買い換え(=新居)資産」の住宅ローン(償還期間10年以上)があること
・買い換える建物の床面積が50㎡以上のものであること
・売却の年の前年から翌年までの3年の間に買い換えること

などの条件があります。

また、この制度は売却した前年、前々年にこの「①3,000万円特別控除」と「②10年超所有軽減税率の特例」「③特定居住用財産の買換え特例」「④居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」「⑤特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」を受けていないことが条件となります。その他、親子間や夫婦間で不動産を売買した場合には適用することはできません。

また、以下のような特例と重複して適用することも不可能です。

・収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例
・交換処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例
・換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例
・収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除
・特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例
・特定の事業用資産を交換した場合の譲渡所得の課税の特例
・大規模な住宅地等造成事業の施行区域内にある土地等の造成のための交換等の場合の譲渡所得の課税の特例
・認定事業用地適正化計画の事業用地の区域内にある土地等の交換等の場合の譲渡所得の課税の特例
・承継業務の事業計画の施行区域内にある土地等の交換の場合の譲渡所得の課税の特例
・特定普通財産とその隣接する土地等の交換の場合の譲渡所得の課税の特例

その他、特殊な要件等は国税庁のHPを参照してください。

 

特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除とは?

特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除は、5年を超えて保有する居住用の不動産を譲渡(=売却)して、新しく居住用の不動産に買い換えることが条件ではなく、譲渡(=売却)契約を締結した日の前日時点で「譲渡(=売却)資産」の住宅ローン(償還期間10年以上)があることです。

不動産を売却して損失が出た場合、売却損をその年の他の所得と損益通算でき、損益通算しても赤字となった金額については、翌年以降3年間繰り越して所得から控除できます。ただし、譲渡損失の内、以下のいずれか少ない金額について損益通算できます。

・譲渡(=売却)した居住用財産の譲渡損失額
・譲渡(=売却)した居住用財産にかかる借入金(=住宅ローン)残高から譲渡対価の額(=売却価額)を控除した残額

この特例を受けるためには、税務署に確定申告しなければなりません。

譲渡所得の計算方法について詳しく知りたい方は以下を参照してください。

譲渡所得の取得費と譲渡費用の計算方法についてわかりやすく説明する

2016.01.25

条件として、まず居住用の不動産でなければなりません。しかし、その不動産に住まなくなった場合でも、その日から3年目の年末までに売れば特例の適用が認められます。

また、この制度は売却した前年、前々年にこの「①3,000万円特別控除」と「②10年超所有軽減税率の特例」「③特定居住用財産の買換え特例」「④居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」「⑤特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」を受けていないことが条件となります。その他、親子間や夫婦間で不動産を売買した場合には適用することはできません。

また、以下のような特例と重複して適用することも不可能です。

・収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例
・交換処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例
・換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例
・収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除
・特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例
・特定の事業用資産を交換した場合の譲渡所得の課税の特例
・大規模な住宅地等造成事業の施行区域内にある土地等の造成のための交換等の場合の譲渡所得の課税の特例
・認定事業用地適正化計画の事業用地の区域内にある土地等の交換等の場合の譲渡所得の課税の特例
・承継業務の事業計画の施行区域内にある土地等の交換の場合の譲渡所得の課税の特例
・特定普通財産とその隣接する土地等の交換の場合の譲渡所得の課税の特例

その他、特殊な要件等は国税庁のHPを参照してください。

 

まとめ

④の「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」と⑤の「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」をまとめると以下のようになります。

  居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
適用条件
  1. 現在主として住んでいる自宅を売却したとき
  2. 居住の用に供さなくなった日から3年を経過する日の属する年の年末までに売却したとき
  3. 家屋を取壊した場合は、上記②の範囲内で、家屋を取壊した日から1年以内にその敷地の売却に関する契約が締結されているとき(取壊し後、敷地を賃貸その他の用に供した場合には不可)
  4. 転勤等で単身赴任の場合、配偶者が居住している家屋を売却したとき(ただし、2つの家屋を所有する場合は、主たる居住用家屋)
共通条項
  1. 共有の居住用財産を譲渡した場合、共有者の持分の範囲内において各人毎に適用
  2. 譲渡する相手が譲渡者の配偶者や親・子などの直系血族、生計を一にする親族、同族会社等でないこと
  3. 一定の譲渡損失があること(買換えの場合は、土地の譲渡損失が500㎡以下の部分に相当する金額のみ対象)
  4. 所得金額が3,000万円(給与収入の場合、3,245万円)以下の所得の年に繰越控除(3,000万円超の年分は適用不可。ただし損益通算を行う年は所得制限なし)
  5. 平成29年12月31日までに譲渡したものに限る
特例の特徴  損益通算をしてもなお引ききれない譲渡損がある場合、損益通算をした翌年以後3年間その他の所得から繰越控除することができる
所有期間   譲渡する年の1月1日現在で所有期間が5年超
居住期間 制限なし 制限なし
連年適用の制限 前年、前々年において3,000万円特別控除、10年超所有軽減税率の特例、特定居住用財産の買換え特例、  居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除、特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の居住用の特例の適用を受けていないこと
損益通算ができる損失の金額 譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額 以下のうちいずれか少ない金額

  1. 譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額
  2. 譲渡資産にかかる一定の住宅ローンの金額から譲渡資産の譲渡対価の額を控除した残額
繰越控除の対象 所得税・住民税 所得税・住民税
譲渡資産にかかる住宅ローン 要件なし 譲渡契約を締結した日の前日において当該譲渡資産にかかる一定の住宅ローンの残高があること
買換え資産の要件 取得期限 譲渡日の属する年の前年1月1日から翌年12月31日までに取得すること 買換え資産を取得する必要なし
居住の用に供する期限 買換え資産を取得した日から取得した日の属する年の翌年12月31日
住宅ローン 取得をした日の属する年の12月31日または特例の適用を受けようとする年の12月31日において買換え資産について一定の住宅ローン残高があること
面積制限 50㎡以上(登記簿面積)
住宅ローン控除の適用 併用を認める
経過年数制限 なし

2つの制度の大きな違いは、まず「買換え」があるかどうか、買換えがあれば、買い換えた不動産に10年以上の住宅ローンを利用しているのか、買換えがない場合、売却する不動産に10年以上の住宅ローンが残っているかということです。

居住用財産の買い換え等の場合(買い換える場合) 特定居住用財産の場合
(買い換えない場合)
居住用不動産の買換えの有無
買い換える不動産の住宅ローンの有無 有(金額問わず10年以上)
売却する不動産の住宅ローンの有無 有(金額問わず10年以上)
損益通算・繰越控除できる譲渡損の額 譲渡した居住用財産の損失額(全額)

①または②のいずれか小さい方の金額
① 譲渡した居住用財産の譲渡損失額
② ①の財産にかかる借入金残高から譲渡対価の額を控除した残額

「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」と「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」についての計算方法を知りたい方は以下を参照してください。

居住用財産の譲渡損失の損益通算と繰越控除を計算してみる

2016.02.07

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この記事の執筆者

坂根 大介
坂根 大介さかね だいすけ

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。
野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。
「証券×不動産(売買)×IT」という強みと、契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、不動産屋社長のためのノートなどをわかりやすく発信している。
イクラ株式会社では、過去に家が売れた成約価格がわかり、売買実績豊富な信頼できる不動産会社とチャットで相談できる「イクラ不動産」を運営。日本経済新聞にも取り上げられる。
また、司法書士事務所では、不動産登記の専門家として登記だけでなく、離婚協議書の作成や遺産分割協議書の作成、相続登記、自己破産の申請を数多く行っており、住宅ローンなど金銭的問題・離婚・相続などを中心に法律に関わる不動産売却の相談が年間1000件以上ある。
主な資格は、宅地建物取引士JSHIホームインスペクター2級FPなど。

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