高く売れる一戸建て・土地の特徴&査定方法の基礎知識
一戸建ての家の査定は建物と土地とに分けて行われるのが一般的です。
したがって、ここでは建物と土地を分けて、「高く売れる一戸建て・土地の特徴」と一般的な「査定方法の基礎知識」について解説します。
1.「高く売れる」一戸建て・土地の特徴
土地や建物の価格が決まる主なポイントは、次の表の通りです。これらの兼ね合いで価格が決まります。
建物部分
- 築年数、リフォームの有無
- 築浅や最近リフォームした建物の方が、査定評価が高くなります。
- 構造や工法
- 木造よりも鉄骨造や鉄筋コンクリート造の方が、査定評価が高くなります。
- 有名ハウスメーカーが建てたかどうか
- 有名ハウスメーカーや大手工務店が建てた家の方が、査定評価が高くなります。
- エネルギーコストがかからないかどうか
- 太陽光発電がついていたり、省エネの工夫がある家(ZHE住宅など)の方が、査定評価が高くなります。
土地の部分
- 交通や近隣の状況
- 駅や商業施設、病院など、日常生活に必要な施設が近くにある方が、査定評価が高くなります。
- 周囲の環境や供給施設
- 日当たりや風通し、景観などが良い立地の方が、査定評価が高くなります。
水道やガスなどのインフラの引き込みがない場所だと、査定評価が低くなります。 - 街路状況
- 接道状況(前面道路の幅など)によって査定評価が変わります。
また、道路から奥に入り込んだ旗竿地は、査定評価が低くなることが多いです。 - 画地状況
- 整形地(正方形)に近い形の方が、査定評価が高くなります。
極端に細長い土地や不整形な土地は、査定評価が低くなることが多いです。
2.一戸建て・土地の査定方法
一戸建ての建物部分には「原価法」、土地の査定方法は「取引事例比較法」を用いて査定します。それぞれの査定方法の特徴は、次の表の通りです。
建物部分の査定方法(原価法)
建物部分の価値は、次のような方法で調べます。
- 1.同じ建物を新築で建てた場合、建築費用がいくらかかるかを調べる
- 2.建てられてから今まで(築年数分)の劣化分を計算する
- 3.新築で建てた場合の建築費用から劣化分を差し引いて、今の建物の価値を出す
たとえば、査定したい家と同じ家を建てた場合の費用が3,000万円、築年数分の劣化分が1,300万円の場合、この家の建物部分の査定額は、3,000万円−1,300万円=1,700万円 です。
このような査定方法を「原価法(げんかほう)」といいます。
この方法に従うと、木造建築の築20年以上の家の場合だと建物部分の価値はほとんどゼロになると言われています。
しかし、もちろん建物の状態や需要も加味されますので、必ずしも築年数だけで査定額が決まるわけではありません。
原価法については、次の記事で詳しく説明しています。
原価法とは?一戸建て(一軒家)の査定方法をわかりやすく解説!土地部分の査定方法(取引事例比較法)
土地部分の価値は、次のような方法で調べます。
- 1.査定したい土地と条件が近い土地が、過去にいくらで取引されたかを調べる
- 2.取引の売却実績をいくつか選んで平均坪(㎡)単価を算出する
- 3.算出された単価に売却する不動産の広さを乗じる
この方法で算出された金額をベースに、方角、前面道路、高低差などの要因や経済状況を考慮したうえで、査定価格を出します。
このような査定方法を「取引事例比較法」と言います。取引事例比較法は、マンションの査定でもよく用いられる査定方法です。
取引事例比較法については、次の記事で詳しく説明しています。
土地の査定方法である「取引事例比較法」をわかりやすく解説!