こちらでは、開発登録簿(かいはつとうろくぼ)とはなにか、詳しく説明します。
開発行為の具体的な内容を明らかにする図面
開発行為(かいはつこうい)とは、簡単にいうと特定工作物の建設を除けば、山林や水田などの未整備の土地を住宅用の土地にするための宅地整備工事です。
例えば、不動産業者が土地を購入し、道路(42条1項2号道路・42条1項5号道路)を新設して区割りを行い、土地と建物をセットにした新築分譲住宅を売る場合が該当します。
一定面積以上の開発行為を行う場合は、都道府県知事の開発許可が必要になります。その対象土地面積は、自治体によって異なりますが、首都圏・近畿圏・中部圏の市街化区域であれば500㎡以上と定められており、それ以外の地域は500㎡より大きくなっています。
開発許可を受けるには、各自治体ごとの開発指導要綱、取り扱い基準、まちづくり条例などの最低敷地面積や道路幅員、隅切りの長さなどの規定を守らなければなりません。開発許可がおりると開発登録簿が作成されます。開発登録簿には、開発行為の内容や、土地利用計画図などが明記されます。
中古不動産を調査する上で、対象不動産が開発許可を受けたかどうかは、役所の開発指導課でヒアリングします。そして、開発登録簿があれば役所で取得します。
開発登録簿の見方について
開発登録簿を見るポイントは次の通りです。
- 許可年月日と番号
- 検査済証発行年月日
- 工事完了公告日
- 道路幅員・隅切り・転回広場
- 敷地の周り間の寸法
- 生活配管の記載
工事完了公告日に記載があるということは、現地がその図面の通りに完成したことを示します。つまり、現況の道路幅員、隅切りや接道の長さが図面と同じでなければおかしいということになるので、必ず現地と照合します。
周り間(まわりけん:敷地の外周の寸法)については、地積測量図と照合しつつメジャーで測定し、下水のマンホールなど配管関係の記載があれば上水道や下水道などの図面と照合しながら、あわせて現地で確認します。
もし、検査済証発行年月日や工事完了公告年月日の日付が空欄の場合には、まず記載漏れかどうかを確認しますが、完了公告がなされていないのであれば基本的に建物を建築することができません。既に建物が建っていれば違反建築、更地なら建築不可の可能性もあるため、この状態で建築や再建築ができるかどうかについて慎重に調査する必要があります。その場合、区域内の道路は、単なる通路か43条但し書き通路となっている可能性が高いでしょう。
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