福岡県の「戸建てを売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
福岡県の「戸建ての売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「福岡県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
戸建てを売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて) (27.2%) |
福岡における戸建てを売却した理由は、「住み替え」が1位という結果でした。子供の誕生、高齢になった親との同居、二世帯での同居解消など、家族構成の変化がきっかけであることが多く見受けられます。 |
2位 売り時だと思ったから(21.1%) |
今が戸建ての売り時だと思ったので売却したという回答が2位に入りました。福岡県の基準地価変動率は全国でも2位と高く、上昇傾向にあるため売り時だと判断する人が増えたのだと考えられます。 |
3位 転勤・転職(仕事や勤務地の変化など) (16.5%) |
第3位は「転勤・転職」という結果でした。総務省の人口移動報告では、福岡県の他都道府県への転出者数は約10万人で、子供が小さい場合は、思い切って家を売って家族そろって新天地で生活をスタートさせる人も多いようです。 |
4位相続関連(12.2%) |
福岡県で戸建てを売却した理由の第4位は「相続」でした。 親の戸建てを相続しても、子供が他にマイホームを所有している場合は利用する可能性が低く、売りに出すことも珍しくありません。 |
5位その他 (9.7%) |
その他の福岡県における戸建ての売却理由として、投資用物件を売却したという回答が多く見受けられました。売る原因の半数以上が収益がマイナスで損切といわれています。損失を広げないために売却する例が多いようです。 |
6位 離婚・別居(8.5%) |
福岡県においても、離婚や別居により家を売却したという回答がありました。福岡県の離婚率の高さは1.68%(人口千対:2022年)と全国でも上位であり、離婚したあとに今まで住んでいた家に住みたくないので売却するケースも多いようです。 |
7位ローンの返済苦など金銭的な理由 (4.9%) |
ローンの返済が苦しい、事業の資金繰りや家計が苦しいなど、金銭的な理由で家を売却したという回答が最も少ない割合という結果でした。しかし福岡県の景気動向は、持ち直しの動きに足踏みがみられます。そのため、住宅ローンの返済が困難になる人はこれからも一定数いることが考えられます。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、戸建て売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説します。
1位(27.2%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
実家で母と私達家族4人の2世帯で同居していましたが、子どもがもう一人増えることになり家が手狭になることと、上の子が小学校に進学するにあたり、住み替えを考えました。同時に母と私達家族の世帯分けも行いました。人気が出てきているエリアのようで、相場が上がってきていたので、査定額より高く売り出すことができ決めてよかったと思います。
〈買主への上手な伝え方〉
子供の誕生や成長により、住み替えることはよくあります。 未来を感じさせる明るい印象を与えるため、買主にはそのまま伝えても大丈夫です。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
2位(21.1%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
投資目的で持っていた不動産の価値が上がったため売却を考えました。もともと維持費が高く、建物の老朽化などもあり、今が売り時だと判断しました。不動産会社の買い取りとなりましたが、早く売却できて良かったです。
〈買主への上手な伝え方〉
立地条件の良い戸建ては、いざ売りに出すと高値で取引されることが多いようです。 ただし、売主にとっての売り時は、買主にしてみると買い時ではないかもしれません。金銭的な事柄はあまり出さずに、通常の「住み替え」であると伝えたほうが無難です。
3位(16.5%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
愛知県への転勤が決まり、現在の家のローンの残債が多かったので、売却代金で完済できるのならば売却したいと思いました。近隣では同等の物件の売り出しがあまり多くなく、一定の需要が見込めると不動産会社からのアドバイスもあり売却しました。ローン残債の完済もでき一安心しました。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤や転職で、住まいのあり方を見直すことはよくあります。 新天地に行くことは前向きなイメージを与えるため、買主にはそのまま事情を伝えるのをおすすめします。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
4位(12.2%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
実家を相続したため、今の家を売り実家に住むことにしました。自分も高齢ということもあり、あまり手間をかけたくありませんでした。不動産会社の方に相談した結果、約2カ月で成約が決まり更に希望より多い価格で売却できた時はすごく嬉しかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
現代は核家族が多いため、親から不動産を相続してもどちらかの家を売却するケースが目立ちます。 珍しいことではないため、買主には「相続関連で」と伝えておきましょう。
5位(9.7%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
両親が兄の住む近くのサービス付き高齢者向け住宅に移るため、代理で売却しました。相見積もりで価格が最も高かった不動産会社さんに決めたことで、早く売却できました。
〈買主への上手な伝え方〉
高齢者施設に入るなどの理由で、それまで住んでいた家を売却するケースも増えています。そのまま伝えても問題はありませんが、住み替えとだけ伝えても良いでしょう。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
6位(8.5%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
家の名義人である夫が失踪し、2年後無事に離婚できました。そこから家の売却を開始しましたが、楽観的に設定した売価ではなかなか購入希望者が現れず大変苦労しました。そこで契約内容、価格を見直したところ、あっという間に売る事ができ安心しました。
〈買主への上手な伝え方〉
福岡県の離婚率は全国でも上位です。離婚は今や珍しくありませんが、あまり良いイメージは持たれません。買主には、ただの「住み替え」であると伝えておきましょう。
離婚による売却については、「【離婚×不動産売却まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説 」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
7位(4.9%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
金銭的な理由から、収益物件で店舗(美容室)付き住宅の売却を行いました。住宅部分の賃貸契約でお世話になっていた不動産会社に相談し、ローンの残債があったのですが、プラマイゼロの査定をいただき、結果、投資にもご興味がある方がご購入下さいました。不動産会社の人にはとても良くしてもらいました。
〈買主への上手な伝え方〉
売り出す時に「住宅ローンが厳しい」と伝えることに抵抗がある場合は、「経済的な理由」や「住み替えのため」などと言い換えても良いでしょう。
金銭的に困っている状況を買主に話す義務はないため、通常の「住み替え」であると伝れば大丈夫です。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 福岡県では、戸建ての売却理由で最も多かったのは「住み替え」という結果だった
- 福岡県では基準地価の変動率が高く上昇傾向にあるため、これを機に戸建てを売却するケースも多い