福岡県の「マンションを売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
福岡県の「マンションの売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「 福岡県のマンション売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
マンションを売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて) (23.4%) |
福岡におけるマンションを売却した理由は、「住み替え」が1位という結果でした。家族構成やライフスタイルの変化に加えて、より良い生活環境を求める住み替えも多く見受けられます。 |
2位 売り時だと思ったから(20.1%) |
今がマンションの売り時だと思ったので売却したという回答が2位に入りました。福岡県の中古マンションは、コロナ禍により上昇率が停滞しましたが、2022年から再び上昇傾向にあるため、売り時だと判断する人が増えたのだと考えられます。 |
3位 転勤・転職(仕事や勤務地の変化など) (12.2%) |
転勤や転職によりマンションを売却したという人も一定数います。福岡は、九州の中心地として企業が支社や支店を置いていることが多く、転勤による転入や転出が多い地域のため、それに伴うマンション売却も多くなるようです。 |
4位相続関連(12.0%) |
相続したマンションを売却したというケースもあります。特に福岡市や北九州市など、マンションの多い都市部でよく見られる売却理由です。 |
5位その他 (11.5%) |
その他の福岡県におけるマンションの売却理由として、投資用物件やセカンドハウスのマンションを売却したという回答が多く見受けられました。 |
6位 離婚・別居(10.9%) |
福岡県においても、離婚や別居によりマンションを売却したという回答がありました。福岡県の離婚率は全国よりやや多く、離婚したあとに今まで住んでいたマンションに住みたくないので売却するケースも多いようです。 |
7位ローンの返済苦など金銭的な理由 (9.9%) |
ローンの返済が苦しい、事業の資金繰りや家計が苦しいなど、金銭的な理由でマンションを売却したという回答が最も少ない割合という結果でした。福岡県の景気動向指数は2022年にやや下がりましたが、後半から2023年においては上昇傾向にあり、景気が回復しているからだと考えられます。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、マンション売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説します。
1位(23.4%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
夫婦ともに博多駅近くで働いているので、通勤に便利な場所で結婚後にマンションを購入しました。昨年、子供が生まれたので、もう少し子育てに良さそうな地域に転居するため、今のマンションを売却しました。ちょうど西区に手頃な中古戸建があったので購入しました。マンションを買うときに貯金をほぼつぎ込んで住宅ローンを少なくしておいてよかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
子供の誕生や成長により、マンションから住み替えることはよくあります。 未来を感じさせる明るい印象を与えるため、買主にはそのまま伝えてもOKです。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
2位(20.1%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
所有しているマンションを売って春日市の実家にもどろうと考えていたのですが、なかなか踏ん切りがつきませんでした。でも、今、福岡でも中古マンションの価格が上がっているということを聞いたので不動産会社に査定してもらったところ、思っていたよりもかなり高額だったので売却を決めました。
〈買主への上手な伝え方〉
立地条件の良いマンションは、いざ売りに出すと高値で取引されることが多いようです。 ただし、売主にとっての売り時は、買主にしてみると買い時ではないかもしれません。金銭的な事柄はあまり出さずに、通常の「住み替え」であると伝えたほうが無難です。
3位(12.2%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
久留米の支社に勤めていたのですが、北九州市に転勤になったのでマンションを売ることにしました。同じ福岡県内ですが、まったく違う土地柄なので楽しみと不安が入り混じっています。今のマンションから引っ越しをしてから売却に出したので売れやすかったと不動産会社の担当の人に言われました。遠くに転勤する同僚も多いなか、それほど遠くへの転勤でなくて助かりました。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤や転職で、住まいのあり方を見直すことはよくあります。 新天地に行くことは前向きなイメージを与えるため、買主にはそのまま事情を伝えるのをおすすめします。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
4位(12.0%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
母が1人で住んでいたマンション(団地?)を相続しました。駅に近く生活も便利なところにあるのですが、古くて狭いため使い道がなく、売却することにしました。リフォームしてから売ろうかとも思いましたが、不動産会社の人にまずそのまま売りに出してみましょうとアドバイスしてもらったところ、リフォーム前提で一人暮らしの物件を探している買い手が見つかりました。あわててリフォームしなくてよかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
近年では、実家のマンションを相続しても利用しないケースは少なくありません。買主には「相続物件の売却」と伝えても問題はないでしょう。
リフォームについては、不動産会社に相談することをおすすめします。なぜなら、リフォームにかかった費用を回収できるとは限らず、また自分好みにリフォームをしたいと考えて物件を探している買い手もいるからです。
5位(11.5%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
子供たちが独立してから夫婦で古いマンションに住んでいたのですが、主人が認知症になり、日々の生活が大変になってきたので2人で施設に入ることにしました。ローンを組まずに購入していたので、売却代金のほとんどが手元に入り、入居時の初期費用に充てることができ助かりました。
〈買主への上手な伝え方〉
高齢者施設に入るなどの理由で、それまで住んでいたマンションを売却するケースも増えています。そのまま伝えても問題はありませんが、住み替えとだけ伝えても良いでしょう。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
6位(10.9%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
事情があって離婚はできないのですが別居状態が続いており、子供も独立したので私1人で広いマンションに住んでいるもの無駄なので、夫とも相談して売却することにしました。実質上の財産分与だと言えます。夫がどこに住んでいるかは知りませんが、私は福岡市内に賃貸物件を借りて、都会の生活を楽しもうと考えています。
〈買主への上手な伝え方〉
福岡県の離婚率は全国でも上位に位置しています。離婚や別居は今や珍しくありませんが、あまり良いイメージは持たれません。買主には、ただの「住み替え」であると伝えておきましょう。
離婚による売却については、「【離婚×不動産売却まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説 」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
7位(9.9%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
15年ほど前に夫婦でお店を始め、最初は調子が良かったのでマンションを購入しました。でも、コロナ禍で業績が悪化し、世間が落ち着いてきたもののあまり客足が戻らず、どうしても住宅ローンを支払っていくのが苦しくなったので売却することにしました。幸い、ローンの残りは売却代金で返済できました。
〈買主への上手な伝え方〉
勤務先の会社の業績が悪くなったり自営業の経営が悪化したりして、年収が大幅に下がることもあります。そうなると住宅ローンの返済が苦しくなって自宅を売らざるを得ない場合もあるでしょう。
金銭的に困っている状況を買主に話す義務はありませんので、通常の「住み替え」であると伝えるのをおすすめします。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 福岡県は九州の拠点として全国展開している企業の支店が多くあるため、転勤や転職によるマンションの売却が他県よりも多い傾向にある。
- 離婚率が全国3位という福岡県では、離婚や別居を理由とするマンションの売却も比較的多い。
- ほかの主要都市と同様に、福岡市内のマンション需要も高まっているため価格が高騰しており、売り時だと考える人もかなりいると見受けられる。