福岡県の「土地を売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
福岡県の「土地の売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「福岡県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
土地を売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 売り時だと思ったから(48.7%) |
今が土地の売り時だと思ったので売却したという回答が1位という結果でした。福岡県の基準地価変動率はプラスで全国でも2位と高く、上昇傾向にあるため売り時だと判断する人が増えたのだと考えられます。 |
2位相続関連(21.0%) |
福岡県で土地を売却した理由の第2位は「相続」でした。 子供がすでにマイホームを所有している場合は、実家の土地を相続しても使い道がないために売却を選択する方は少なくありません。 |
3位 ローンの返済苦など金銭的な理由(9.2%) |
ローンの返済が困難になった、事業の資金繰りや家計が厳しいなど、金銭的な理由で土地を売却するというケースもあります。 |
4位住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)(7.2%) |
家族構成、ライフスタイルの変化などにより土地を売却したという理由も一定数見受けられました。 |
5位その他(6.4%) |
その他の福岡県における戸建ての売却理由として、資産整理や投資用物件の買い直しという回答もありました。 |
6位転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)(4.1%) |
総務省の人口移動報告では、福岡県の他都道府県への転出者数は約10万人です。転勤時に子供が小さい場合は、思い切って家と土地を売って、家族そろって新天地での生活をスタートさせる人も多いようです。 |
7位離婚・別居(3.3%) |
福岡県においても、離婚により土地を売却したという回答が少ないですが一定数ありました。福岡県の離婚率の高さは1.68%(人口千対:2022年)と全国でも上位であり、離婚により家とともに土地を売却するケースもあるようです。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月30日
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、土地売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(48.7%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
畑として利用していた土地を売却したいとずっと前から考えていました。住宅地に隣接していて近くには高速道路もあり、その他交通の便も良いので、福岡市内のベッドタウンとして若い人も入って来やすい場所なので、それなりに高く売れると不動産会社からアドバイスを受けたので売りに出しました。結果、高く売ることができたのでよかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
高く売れそうな時期を見計らって売却するのは、売主としては当然のことです。ただし買主からしてみれば、真逆の立場となります。「高く売却できるタイミングだったから」と伝えることで買主に悪い心証を与えかねません。「使用していない土地」などと言葉を濁して伝えたほうがよいでしょう。
2位(21.0%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
両親が死去後、相続した家と土地をそのままにしていましたが、やっと手をつけて売却しました。相場や現在の経済状況からみたら、想定の範囲内でしたし、3ヵ月未満で売却できたのはとても良かったと思います。
〈買主への上手な伝え方〉
相続で取得した土地の売却も良くあることです。家で人が不自然に亡くなったりしていないのであれば、買主にネガティブな印象は与えないので、そのまま事実を伝えても問題はありません。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明しなくても大丈夫です。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害 ・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
3位(9.2%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
生活資金を確保したく、昔、実家があり、現在は空地となっていた場所を売却しました。過疎の進む町だったため、売り出してから1年の月日を要しました。田舎の生活をしたく移住してきた方が購入してくれました。土地が安いのが逆に良かったのだと思います。
〈買主への上手な伝え方〉
金銭的な理由で、不動産を売却するケースもあります。個人的な経済事情が原因のため、買主に伝える義務はありません。「住み替え」のためと伝えても良いでしょう。
4位(7.2%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
実家が築50年を超えて老朽化が激しかったため、解体して更地にして売却し、ゆくゆくはマンションへ住み替えようと思いました。事前に調べた価格より査定額が思いのほか高額で、最終的にも大幅な減額なしで売却できました。これからの生活が楽しみです。
〈買主への上手な伝え方〉
老朽化が進んだ建物は、物件に対する悪印象を持たせてしまうかもしれません。更地にしてしまうほうが高く売却できる場合もあります。住み替えによる土地の売却自体は珍しいことではないため、そのまま伝えても問題ないでしょう。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
5位(6.4%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
実家の隣地を将来利用するつもりで購入したものの、親が他界。現在住んでいるところから転居する必要もないため、最終的に売却することにしました。5ヵ月程度での売却を目指していたので、価格は少し抑えめにしたところ、3ヵ月目に購入希望者が決まり安堵いたしました。
〈買主への上手な伝え方〉
何らかの理由によって遊休地となった土地の売却を考える方もいます。こちらの場合、買主にありのまま伝えても何も問題ないため、「不要になった」と伝えるだけで充分でしょう。
6位(4.1%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
家を建てるために土地を購入したものの、転勤が決まり、家を建てることなく遊休地となっていました。しかし、固定資産税を支払い続けるのも馬鹿らしくなり売却することにしました。立地が良いので、そこそこ需要はあると感じて売り出し価格を決めました。結果的に、売却条件を変えずに売却できたので満足しています。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤や転職に伴う売却も一般的な理由に該当するため、そのまま伝えても大丈夫です。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
7位(3.3%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
離婚に伴って、居宅は妻に譲り、別に所有していた土地を私が貰うことになりました。しかし、離婚を機に別の都市に転居することにしたため、土地は売却することにしました。すぐに買い手も見つかり、清々しい気持ちでいっぱいです。
〈買主への上手な伝え方〉
離婚はプライベートなことであり、場合によっては買主にマイナスイメージを与えかねないため、単なる「使用しない土地」の売却であると伝えましょう。
離婚による売却については、「【離婚×不動産売却まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説 」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 福岡県では「売り時だと思ったから」という理由で土地を売却したケースが最も多いという結果だった
- 福岡県では基準地価の変動率が高く上昇傾向にあるため、これを機に土地を売却したという人多い