福島県の「マンションを売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
福島県の「マンションの売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「 福島県のマンション売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください
マンションを売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて) (39.5%) |
福島県は2011年に発生した東日本大震災以降、他県へ住み替えするケースが多く見受けられました。最近においても、より良い生活環境を求めてそのまま他県に定住する人もいるためか、住み替えでのマンション売却がトップとなったようです。 |
2位 売り時だと思ったから(19.7%) |
福島県は、特に県庁所在地である福島市や東北地方でも人口規模の大きい郡山市といわき市において、マンションの需要が高まりつつあります。 |
3位転勤・転職(仕事や勤務地の変化など) (11.8%) |
「転勤・転職」でマンションを売却したという回答が3位という結果でした。 会社の辞令で他県に転勤、あるいは新しい会社に転職することをきっかけにマンションを売却する人が多くみられます。 |
4位 離婚・別居 (10.5%) |
離婚での財産分与や住宅ローンの清算などの理由で、自宅マンションを売却して現金化するのもよくあるパターンです。 |
5位 相続関連 (7.9%) |
相続した財産に相続税が課される場合、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内に納付しなければなりません。原則、現金で納めることになるため、親が住んでいたマンションに子供が同居していない場合は売却するケースが多いです。 |
6位 ローンの返済苦など金銭的な理由 (6.6%) |
コロナ禍が落ち着き、景気が回復傾向にあるとは言え、住宅ローンの支払いが困難になる人は一定数います。そのため、金銭的な理由でマンションを売却する人も見受けられました。 |
7位 その他 (3.9%) |
東京から福島までは東北新幹線を使えば約1時間30分でアクセスでき、東北・磐越両自動車道が縦横に交差しています。首都圏への往来にも利便性が高く、緑豊かな自然を楽しめることから売却しても成約しやすいようです。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、マンション売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(39.5%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
子どもの中学校進学と同時に、マンションから戸建てに住み替えすることにしました。駅近で立地が良かったことで早く買い手が見つかり、無事に売却することができました。
〈買主への上手な伝え方〉
住み替えでマンションを売却することは珍しいことではありません。また、買い手に悪いイメージも与えないため、正直にそのまま伝えても良いでしょう。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
2位(19.7%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
最近になって、少しずつ中古マンションの相場価格が上がってきがようなので、今が売り時なんじゃないかと思い、売却することにしました。リフォームもしていたので買った時よりも少しですが高い価格で売ることができて良かったです。
〈買主への上手な伝え方〉
再開発事業などが始まると不動産の資産価値が上がり、高値で売却できる可能性があるため自宅を売る人も存在します。不自然な理由ではないため、買主にそのまま事情を伝えても問題はないでしょう。
あからさまに金銭的な期待感を見せたくない場合には、「住み替えです」と言い換えるのもおすすめです。
3位(11.8%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
最近、転職をしたので、より新しい職場に近いところに住みたいと思いマンションを売ることにしました。仕事をしながらの売却だったので大変でしたが、不動産会社の方のサポートもあって無事に売却することができ、ほっとしています。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤や転職で遠方に行くためマンションを売却することも良くあります。正直にそのまま伝えても問題はないでしょう。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
4位(10.5%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
妻に愛想を尽かされ離婚しました。同じマンションに住み続けるのはとても辛かったので離婚と同時に売却すること決めました。気持ち的に沈んでいて、うまく売却できるのか心配していましたが、不動産会社の方に支えてもらいながらなんとか売却することができたので売って良かったと感じています。
〈買主への上手な伝え方〉
離婚・別居といったネガティブな理由は、場合によっては買主に良くないイメージを与えてしまうことが考えられます。例えば、新婚カップルなどには敬遠されてしまうかもしれません。そのため、詳しい事情を話さずに、「住み替え」などと濁して伝えるのをおすすめします。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。「住み替え」などと伝えるほうが良いでしょう。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
離婚による売却については、「【離婚×不動産まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説 」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
5位(7.9%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
実家のマンションを相続したものの、私を含む兄弟全員が他県にマイホームを所有しているため売却することになりました。ほかにも相続財産があり相続税を納めることになったのですが、現金をすぐに用意しなければならず、不動産の共有は後々、面倒なことになるかもしれないと考えたからです。思ったより高値で売れたので無事に相続税を納めることができました。
〈買主への上手な伝え方〉
売却をする際に、売主の個人的な事情を詳しく伝える必要はありません。相続が原因の場合は、「誰も住む人がいないから」とストレートに伝えてもよいでしょう。
なお、自宅で親が亡くなった理由が、病死や老衰、転倒による事故死など「自然な死」の場合は告知義務はありませんが、念のために不動産会社には伝えておくのがおすすめです。
6位(6.6%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
家業の資金繰りが難しくなり、助けるために今住んでいるマンションを売って実家に帰ることになりました。正直自分で買ったマンションを売ることに抵抗がありましたが、家業を助けたかったので売ることにしました。相場価格が上がっていたことで、買った時よりも高く売ることができたので本当に良かったです。
〈買主への上手な伝え方〉
「家業を手伝うため」という理由は、物件そのものに問題があるわけではなく、あくまでも個人的な経済事情が原因で手放すため、買主に伝える義務はありません。「住み替え」のために売却するなど、適当な理由を伝えても良いでしょう。
7位(3.9%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
父が他界した後、母が1人で住んでいましたが、要介護レベルが進んだため老人ホームに入居することになりました。そのため、まとまった資金が必要になり、母の同意のもと自宅マンションを手放すことに。思ったより高値で売れたので、母も安心しております。
〈買主への上手な伝え方〉
老人ホームに入居する場合は、一般的に高額な一時金が必要となります。そのため、子供と同居をしていない高齢の方は自宅を売却してまとまった資金を作り、施設に入居することは珍しくありません。このようなケースは、そのまま事情を伝えても良いでしょう。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 福島県のマンション売却理由は、主に住み替えによるものだった。東京都をはじめ関東圏内へ引っ越すケースが多い。
- 件数はかなり減っているものの、東日本大震災の影響による住み替えもまだ売却理由になっていると見受けられる。