岩手県の「マンションを売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
岩手県の「マンションの売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「 岩手県のマンション売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください
マンションを売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて) (41.0%) |
結婚・独立・出産など家族の変化に加え、「通勤や通学に便利な立地」、「より良い生活環境」を求めて住みかえたという事例や、高齢化が進んでおり、所有している物件を売り施設に入る・子どもと同居するといった事例も多かったようです。 |
2位 売り時だと思ったから(17.9%) |
2位のマンションの売却理由は、「売り時だと思ったから」でした。岩手県全体として中古マンションの需要は近年ほぼ横ばい傾向にあるため、需要が無くなる前に売りたいと希望する方も多くなっています。 |
3位 相続関連(15.4%) |
使う予定がないためすぐに売却するケースが多いですが、空き家のまま放置し続けて管理費用や管理の手間がかかるため、結局、数年後に売却するといったケースもあります。 |
4位 離婚・別居(10.3%) |
岩手県の離婚率は全国平均と比べて低めです。しかし、離婚する人が最も多くなるのはおおむね30代で、ちょうどマンションを購入する世代と重なっているため、戸建てや土地よりも売却理由として多くなっていると考えられます。 |
5位転勤・転職(仕事や勤務地の変化など) (7.7%) |
岩手県から宮城県や東京都などへ転勤・転職を理由とした県外転出が多くなっています。単身赴任や賃貸に出すことを選ぶケースが少ないため、戸建てや土地に比べて売却理由となる割合が高いです。 |
6位 その他(5.1%) |
賃貸用・投資用物件の売却という理由が比較的多く見受けられました。マンションは戸建てや土地よりも、投資用物件として売買されることが多いためです。 |
7位ローンの返済苦など金銭的な理由 (2.6%) |
不測の事態や環境の変化により、当初は問題ないと思われた住宅ローンの返済が大変になり、売らざるを得なくなる場合があります。 また、住宅ローンの支払いが滞り、金融機関から督促状が届いた後、不動産会社に相談し任意売却を行うケースも多くなっています。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、マンション売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(41.0%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
子どもの中学校進学と同時にマンションから戸建てに住み替えることにしました。初めての不動産売却で何事もなく売却できるのか不安でしたが、不動産会社の方が真摯に対応してくださったおかげで無事に買い手も見つかり、良い売却をすることができました。
〈買主への上手な伝え方〉
住み替えはマンションの売却理由としてはメジャーなため、買主にそのままを伝えても悪くとられる心配はまずないでしょう。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
2位(17.9%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
投資用にマンションを購入していたのですが、ずっと価格が横ばいで、下がらないうちに売っておいた方がいいのではないかと考え、売却することにしました。買った時よりも少しだけ高く売ることができたので良かったです。
〈買主への上手な伝え方〉
高く売れる時に売りたいと思うことは売主の当然の希望としてあるため、買主に尋ねられればそのままを伝えても問題はないでしょう。
しかし、それによって買主に特別な良い影響が与えられるということもないため、「住み替えです」と濁しても良いかもしれません。
3位(15.4%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
実家のマンションを相続したのですが、岩手を離れることになったため、今後の維持費を考えて思い切って手放すことを決めました。働いておりマンション売却に向けて、なかなか思ったような時間をとれなかったのですが、不動産会社の方から進捗状況について細かく連絡をもらえたので、安心してお任せできました。
〈買主への上手な伝え方〉
相続による売却はマンションではあまりメジャーではないものの、正直に伝えても買主の心証を損じる心配はないといえます。
4位(10.3%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
夫と性格が合わず、離婚することにしました。財産分与のことなどわからないことだらけですごく不安でしたが不動産会社に相談したことで、順調にマンションを売却することができました。本当に良かったです。
離婚を理由とする売却も、マンションのほうが土地や戸建てに比べて多いようです。
離婚による売却に詳しい不動産会社に相談をもちかけることで、スムーズな売却が可能になることもあります。また、視野になかった選択肢も出てくるかもしれません。
〈買主への上手な伝え方〉
離婚・別居といったネガティブな理由は、正直に言うと買主の印象を下げてしまう恐れがあります。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。「住み替え」などと濁して伝えるほうが良いでしょう。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
離婚による売却については、「【離婚×不動産まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説 」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
5位(7.7%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
転勤を命じられ、盛岡市を離れることになりました。戻って来れる目処も立たなかったので住んでいたマンションを売却することにしました。急なことだったのでとても焦ったのですが、不動産会社の方が親身に対応してくださり、無事売却することができました。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤・転職による売却も理由としてメジャーなため、正直に伝えて問題ないでしょう。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
6位(5.1%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
不動産投資に興味があり、賃貸用として購入したマンションがあったのですが、思っていたより借り手がつかず、管理が大変になったので売却を決意しました。賃貸用として内装を綺麗にしていた点が評価され、無事に買い手がつきました。
〈買主への上手な伝え方〉
賃貸用・投資用物件の売却の際には、その旨を伝えるとともに「レントロール」(賃料・敷金など賃貸条件を記した表)や、過去の修繕履歴を明確に知らせておくと良いでしょう。 かかる税金だけでなく、売るべきタイミングについて不動産会社に相談することもできます。
時期を逃すと損になる場合もあるので、予定があれば早めに検討を始めましょう。 売却を検討する際は、できるだけ複数の不動産会社に相談するほうが選択肢が広がるのでおすすめです。
7位(2.6%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
体調を崩し、働けない期間が長く続き、月々のローンの支払いが苦しくなってしまいました。既にローンを滞納していたので、競売にかけられる前に任意売却をしようと、任意売却の実績がある不動産会社に相談しました。経験がある会社だったので、スムーズにことが進み、借金を減らすことができたので助かりました。
〈買主への上手な伝え方〉
物件において、買主の生活に差し障りの生じるような問題がない限り、プライベートな売却理由を伝える義務はありません。
「住み替え」などと濁しても問題ありませんし、心配な場合には不動産会社に相談すると、売主にとって損にならない最適な伝え方を提案してもらえるでしょう。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 岩手県での、マンション売却理由の1位は「住み替え」という結果だった。また、中古マンションなどは近年需要が横ばいからやや下がり気味のため、さらに下がる前に売却する人も多い。
- 岩手県でのマンションの取引は基本的に盛岡市に限って行われている傾向があり、そこに物件を持っている人は比較的売れやすいことから、売却を考える可能性も高い傾向にある。