新潟県の「戸建てを売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
新潟県の「戸建ての売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「新潟県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
戸建てを売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
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1位
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新潟県における戸建て売却理由の1位は「住み替え」でした。家族構成の変化などがきっかけで、戸建ての売却を検討される方が多いようです。 |
2位転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
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第2位は「転勤・転職」という結果でした。総務省の人口移動報告では、新潟県の転出者数は約2万8千人で、転勤・転職を機に家を売却する方が多くみられます。 |
3位売り時だと思ったから(10.4%) |
「令和5年地価公示結果」によると、新潟県内の住宅地の価格が上昇した地点は、新潟市を中心に計69地点に上っているため、売り時だと判断する人が増えたのだと考えられます。 |
4位相続関連
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「新潟県の老年人口」によると、令和5年9月で推計される県人口に占める老年人口の割合は33.6%で、前年に比べて0.3%ポイント上昇しているとのことから、今後も相続関連での売却は増えていくと思われます。 |
5位離婚・別居
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「人口動態調査」によると新潟県の離婚率は1.13(人口千対:2022年)で、全国平均1.42と比べてみても低い事が分かります。しかし、離婚となった場合は財産分与のために、家を売却することは少なくないようです。 |
6位ローンの返済苦など金銭的な理由
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ローンの返済苦など金銭的な理由での売却が6位という結果でした。病気、けが、失業など思いがけない理由でローンが支払えなくなり、家を手放す方もいます。 |
7位
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その他の理由としては、「介護資金を用意する」「隣人トラブル」などを理由に自宅の売却を決断する人もいるようです。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、戸建ての売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(31.3%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
子供が独立し、夫婦2人だけでは家が広すぎるため、もう少しコンパクトな戸建てに住み替えようと売却することにしました。部屋数が2つ少なくなるだけで、随分と掃除も楽になりました。引っ越して良かったです。
〈買主への上手な伝え方〉
家族構成に合わせて住み替えをする方は多く、買主にそのまま伝えても悪い印象を与えることはありません。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
2位(30.2%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
転職のため、地元を離れて移住することにしました。用途のない不動産を持っていても仕方がないため、売却を決めました。 不動産会社に相談したところ、タイミング良く物件を探していた人がいたため、とんとん拍子に話が決まりました。小さなお子さんのいるご家庭だそうで、小学校の近くに家を建てておいて良かったと思いました。
〈買主への上手な伝え方〉
仕事の都合で地元に戻らない可能性が高いときは、現在の住まいを売却することは珍しくありません。マイナスの印象は与えないため、買主には転職による「住み替え」であると伝えても問題ありません。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
3位(10.4%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
セカンドハウスを所有していましたが、子ども達が大きくなり行く機会が減りました。そんな時に、一時低迷していたその地域の不動産価値が上昇してきたことを耳にしました。駅に近く、温泉もあり、部屋の間取りが広かったので、購入者はすぐ見つかりました。また別の家族の思い出の場所となってくれたら嬉しいです。
〈買主への上手な伝え方〉
立地条件が良ければ早期売却が実現できる可能性が高いと言えます。ただし、買主には金銭に関する事情は告げずに「資産整理」と言い換えたほうが無難です。
4位(9.9%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
亡くなった母が単身で住んでいた戸建てを相続しました。家財道具があったのですが、早く処分したかったため不用品の処分などもすべて不動産会社にお任せしました。築40年以上で線路脇の住宅だったため、少額でも売却できて満足でした。
〈買主への上手な伝え方〉
戸建てなどの不動産を相続しても、マイホームを持っている子どもが維持していくのははなかなか大変なものです。そのため、売却するケースが多いようです。 特にマイナスイメージは与えないため、買主には「相続関連」とそのまま伝えて良いでしょう。
5位(7.1%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
義両親と上手くいかなかったのが原因で離婚しました。慰謝料代わりに貰った戸建てでしたが、気分を変えたくなったので、友人に紹介してもらった不動産会社で売却しました。 これでスッキリしました。
〈買主への上手な伝え方〉
義両親との不仲が原因で離婚する例も少なくありませんが、マイナスイメージを与える可能性があります。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。「住み替え」などと濁して伝えるほうが良いでしょう。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
離婚による売却については、「【離婚×不動産売却まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説 」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
6位(6.6%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
ペアローンを組んで戸建てを購入していましたが、主人が寝たきりになってしまい、今後も住み続けた場合の維持管理等を考えたとき、生活が苦しくなると感じ売却を決意しました。立地や建物の状況が良かったため、納得いく価格で売却できました。新しく取得した住宅の頭金も払えたので、しばらくは心配事なく暮らせそうです。
〈買主への上手な伝え方〉
夫婦でペアローンを組んで住宅を購入した場合、どちらかに何かあった時のことを考えておくことが大切です。ローンがそのまま配偶者に残るため、毎月の返済負担が大きくなり、返済が困難となったためにやむを得ず売却する方もいます。しかし、プライベートな事情を買主に伝える必要はありません。「住み替えのため」などと言葉を濁して伝えるとよいでしょう。
7位(4.4%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
両親の介護をするため、実家で同居することになり、それまで住んでいた戸建てを手放すことにしました。近隣では数年も買い手が付かない物件があると聞いていたので心配でしたが、3ヵ月ほどで売却し引き渡すことが出来たので、本当に嬉しかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
高齢の両親のために同居し、住んでいた戸建てを売却する事例も見られます。特にマイナスイメージは与えないため、買主には「同居のため」とそのまま伝えて良いでしょう。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 新潟県の住宅地地価は、26年連続の下落となったが、下落率は前年より0.2ポイント縮小した
- 新潟県の離婚率は、全国順位は47都道府県中46位と低いが、離婚による戸建ての売却も一定数見受けられる