茨城県の「戸建てを売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
茨城県の「戸建ての売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「茨城県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
戸建てを売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)(45.2%) |
戸建てを売却した理由の1位は「住み替え」という結果でした。東京まで短時間でアクセスできる、つくばエクスプレス沿線の住宅地は人気の地域となっています。そのため、利便性を求めて住み替える方も多いようです。 |
2位売り時だと思ったから (19.8%) |
「令和5年地価調査結果」によると、県北の地価下落は緩和されつつあり、県南県西地域の地価は上昇しています。このことから、売り時と考えて戸建てを売却する方が多くみられます。 |
3位転勤・転職(仕事や勤務地の変化など) (12.9%) |
第3位の戸建ての売却理由は「転勤・転職」です。「人口移動報告」によると、2023年に茨城県から県外へ転出した人の数は約6万人でした。将来を見据えて、家族で転居し持ち家を売却するのは多い傾向にあります。 |
4位 離婚・別居 (6.9%) |
厚生労働省が公表している「令和4年人口動態統計(確定数)」によると、茨城県の離婚率は1.41、全国順位は28位です。離婚に伴う財産分与のために戸建てを売却して現金化する方も少なからずいます。 |
5位 その他(6.5%) |
近隣住民との騒音、ゴミ問題、迷惑駐車、隣家との境界線などさまざまな問題が理由で、戸建ての売却を考える方も少なくないようです。 |
6位 ローンの返済苦など金銭的な理由(5.5%) |
住宅ローンを契約するうえで、リスクとなり得るのは病気や怪我です。返済が苦しくなり、仕方なく家を手放さなくてはならないない方もいるようです。 |
7位相続関連 (3.2%) |
茨城県の「高齢化の指標」によると、65歳以上の人口は 853(単位:千人)となっており、総人口に占める割合は30.8%となっています。今後も高齢化は加速する見込みとのことから、相続による家の売却は増えていくと思われます。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、戸建て売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(45.2%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
自宅が古くなったので、リフォームや建て替えよりも新たな地で住み替えをしたいと前々から考えていました。いろいろ探したところ、気に入った戸建てが見つかったので今の家の売却に踏み切り、住み替えをしました。
〈買主への上手な伝え方〉
住み替えは戸建ての売却理由としてはメジャーなため、買主にそのままを伝えても悪く取られる心配はないでしょう。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「【買い替え(住み替え)×自宅売却まとめ】流れと成功のコツ・考え方を基本から解説」で詳しく説明しています。
2位(19.8%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
賃貸に出していた戸建てですが、もう住むことは無いと考えたため、高く売れるなら売ろうと思い売却しました。このエリアの需要が高いこと、時間を掛ければ高く売れることを不動産会社さんから聞き、相場よりも少し高い値段で売り出すことにしました。結果、無事に購入者が現れ、当初思っていた価格よりも高い金額で売却する事ができたのでとても満足しています。
〈買主への上手な伝え方〉
高く売れる時に売りたいと思うことは、売主にとっては当然のことでしょう。
しかし、それは買主にとっては嬉しくない状況であることも多いため、単に「住み替えです」と売却理由を濁しても良いかもしれません。
3位(12.9%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
急遽、4月から東京への転勤の辞令が出ました。今後のことを家族で検討した結果、家を売却することにしました。近くに偕楽園や千波湖がありとても良い環境だったので、買い主にも気に入って貰える自信はありました。数組の内覧希望があり、その中でも「ぜひ住みたい」と言ってくださった方に売却が決まり、心置きなく引っ越しできました。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤・転職による売却も一般的な理由なため、転勤による「住み替え」と伝えて問題ないでしょう。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
4位(6.9%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
離婚した際に家を引き継いだものの、やはり夫との思い出がある家を手放したくなったので、引っ越しました。また、子どもが大学に進学するため、維持費を抑えて教育費にまわしたいのも理由の一つでした。建物の状態が比較的良かったので、スムーズに買い主が見つかり、無事に売却できました。新しい場所で心機一転できましたし、家計の負担も軽くなり良かったです。
〈買主への上手な伝え方〉
離婚を理由とする売却は少なくありません。しかし、離婚・別居といったネガティブな理由は、買主の印象を下げてしまう恐れがあります。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。「住み替え」などと濁して伝えるほうが良いでしょう。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
離婚による売却については、「【離婚×不動産まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説 」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
5位(6.5%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
隣人とのトラブルで、なぜか我が家が近所でも悪者扱いされていて、疲れ果ててストレスを感じるようになりました。この生活環境から離れたくなり売却して引っ越すことにしました。かなりの期間、手間がかかるのかと思っていましたが、考えていたより早く売却できました。今はストレスなく生活できていて幸せです。
〈買主への上手な伝え方〉
住環境にトラブルがある物件は、「環境的瑕疵(欠点)のある物件」と言われており、家を売る場合、売主は買主に対して瑕疵を伝えなければならないという「告知義務」があります。このような場合は、隠すことなく不動産会社に相談しましょう。
6位(5.5%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
脳梗塞の後遺症で仕事を続けることが出来なくなり、住宅ローンの返済が厳しい状況になってしまいました。家族と相談した結果、返済が難しいと判断したため戸建ての売却を考えました。不動産会社には住宅ローンが完済できるように販売してほしいとお願いし、価格を設定してもらいました。良い購入者に巡り合うことができ、少し安心できました。
〈買主への上手な伝え方〉
突然の病気で高額な治療費が必要となり、不動産を売却することがあります。 ただ、買主にはプライベートな売却理由を伝える義務はありません。ただの「住み替え」であると伝えましょう。
7位(3.2%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
親から戸建てを相続しましたが、毎年固定資産税を納めていくのが負担になっていました。売却しようと不動産会社に相談したところ、ちょうどその土地で戸建てを探している人がいたため、想定以上に速く売却することができました。売却価格も想定内だったので、文句の付けようがありません。大満足です。
〈買主への上手な伝え方〉
相続した家を保有していても、維持・管理費などの負担から売却に切り替えるケースもあります。正直に伝えても買主の心証を損じる心配はないといえます。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 茨城県の住宅地の地価平均変動率は、2023年に32年ぶりに上昇に転じている
- 茨城県では、離婚率は全国平均よりやや少なめだが、離婚による戸建ても売却も一定数見受けられる