茨城県の「土地を売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
茨城県の「土地の売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「茨城県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
土地を売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 相続関連(39.7%) |
茨城県で土地を売却した理由の1位は「相続関連」でした。土地や家を相続したものの利用する予定がない場合は、所有していてもランニングコストがかかるため売りに出す人が多くいるようです。 |
2位売り時だと思ったから (28.9%) |
「令和5年茨城県地価調査」によると、茨城県の住宅地の地価は32年ぶりに上昇しました。地価が上昇した今が売り時だと考え、売却する人が増えたと考えられます。 |
3位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて) (12.2%) |
茨城県における土地の売却理由第3位は、「住み替え」という結果でした。子供の進学や家族の定年退職など、ライフステージの変化により、家や土地を売って住み替える人も多くいます。 |
4位転勤・転職(仕事や勤務地の変化など) (6.4%) |
茨城県で土地を売却した理由として、「転勤・転職」も比較的多く見られました。仕事で勤務地が変化することにより、今の家や土地を売って新しい住まいを求める人が多いようです。 |
5位その他 (5.1%) |
老人ホームや介護施設などへの入居費用を支払うために土地や家を売却したと回答した方もいました。 |
6位 ローンの返済苦など金銭的な理由(4.5%) |
ローンの返済が困難になった、事業の資金繰りや家計が厳しいなど、金銭的な理由で土地を売却するというケースもあります。 |
7位離婚・別居 (3.2%) |
茨城県の離婚率は1.41(人口1,000人に対して:2022年)で、全国平均の1.42とほぼ同じです。離婚することにより土地や家を売却する人が、やはり一定数いるようです。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月30日
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、土地売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(39.7%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
一人暮らしをしていた叔父が亡くなり、子供もいなかったので、家と土地を相続することになりました。ただ、亡くなってから発見されるまで数日経っていたため、不動産会社の人に聞いたところ事故物件になってしまうとのことでした。ほかですでに家もあるので安くなっても良いと思い、事故物件の買取をしている不動産会社に土地と家を買い取ってもらいました。気分的にもすっきりとしたので良かったと思います。
〈買主への上手な伝え方〉
相続で取得した家の売却は買主にネガティブな印象を与えることはないので、そのまま事実を伝えても問題はありません。
ただし、故人が室内で亡くなり、遺体の発見が遅れたようなケースでは事故物件として扱われる可能性があります。そのような場合は買主に対してどこでどのように亡くなったのかを告知する義務を負うため、注意が必要です。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。「住み替え」などと濁して伝えるほうが良いでしょう。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
2位(28.9%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
ずっと前に土地を購入して放置していたのですが、そのまま海外赴任になってしまい、数年ぶりに日本に戻ってきました。知人から所有している土地の周辺が値上がりしていると聞き、また海外に行くことになる前に売ることを決めた次第です。相続もしていなかった額で売れたので驚きました。
〈買主への上手な伝え方〉
所有している土地を少しでも高く売れるのなら、そのチャンスを逃したくないというのは売主として自然なことです。
ただし買主側は少しでも安く買いたいと考えていることを押さえておかなければなりません。「高く売却できると考えた」と伝えることで買主に悪い印象を与えかねないような場合は、「資産整理のため」などと言葉を濁して伝えるほうが良いでしょう。
3位(12.2%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
子供が東京の高校に進学することになり下宿させることも考えたのですが、ちょうど実家の近くへの住み替えも予定していたので、家と土地を売却して新しい家を買うことにしました。古い家だったので売れるか心配でしたが、土地に高い値段がついたようで、思っていたよりも高く売れ、安心して住み替えられました。熱心に売却活動をしてくれた不動産会社の担当の人に感謝しています。
〈買主への上手な伝え方〉
ライフスタイルの変化に伴う住み替えは珍しいことではないため、そのままの理由を伝えても買い手に悪い印象を与えることはないでしょう。
しかし、家の老朽化が原因で住み替えるなど、ネガティブな理由による売却の場合は正直に事実を伝えると買主が見つかりにくい状況に陥りかねません。どのように売却活動を進めていくべきか、不動産会社の担当者と相談しながら進めていくことをおすすめします。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
4位(6.4%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
九州方面への転勤が決まったので、6年ほど前に建てた今の家と土地を売却することにしました。もともと茨城出身ではないので、特にこちらに残る意思もなかったからです。先に向こうでの新居を決めてからの売却だったので、比較的余裕をもって売ることができました。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤や転職に伴う売却も一般的な理由に該当するため、そのまま伝えても大丈夫です。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
5位(5.1%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
駐車場として貸し出していた土地なのですが、最近解約が相次いでいろいろと面倒になったので、売ることにしました。高く売れたというわけではありませんが、あれこれと気を揉むことが減ったのですっきりとしました。
〈買主への上手な伝え方〉
単なる資産整理のような場合は、そのままの理由を買主に伝えても心証を悪くする心配はありません。
投資用物件を売却する際は、月々のレントロールなどを準備しておくと、取引の際の説明がスムーズに進むでしょう。
6位(4.5%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
事業の調子が良いときに土地をいくつか購入していました。値上がりを見越したものもありますし、いざというときに売って資金にしようと考えたからです。ここ数年、経営不振が続き資金繰りが苦しくなったので、そのうちの一つを売却することにしました。これで当面の資金は確保できました。
〈買主への上手な伝え方〉
何らかの理由によってまとまった金額が必要となったために土地の売却を考える方もいます。ただし金銭的な利用のための売却は個人的な事情にあたることから、買主にそのまま伝えなくても問題ありません。「住み替えのため」や「資産整理のため」などと言葉を濁して伝えましょう。
7位(3.2%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
数年前から折り合いが悪かったのですが、お互いに我慢ができなくなり離婚することになりました。結婚してから購入した家と土地があったのですが、財産分与をするために売却することにしました。幸い住宅ローンは完済しており、不動産会社の方が親身に相談に乗ってくれ、少しでも高く売却できる方法を提案してくれたおかげで無事に売却できました。
〈買主への上手な伝え方〉
離婚を理由とした売却は、場合によっては買主から縁起が悪いと捉えられかねず、売りに出しても購入を避けられてしまうことがあるかもしれません。買主にとって影響がない場合は、売却理由を詳細に伝える必要はないため、単に「住み替え」などとしておくほうが良いでしょう。
離婚による売却については、「【離婚×不動産売却まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説 」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 茨城県の土地の売却理由で最も多かったのは、「相続関連」という結果だった
- 32年ぶりに地価が上昇したことで、今が売り時だとだと考え、売却する人が増えたと考えられる
- ライフステージの変化によって、家や土地を売却し、新しい住居に住み替える人の割合もやや高い