京都府の「マンションを売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
マンションを売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)(32.9%) |
京都府でマンションの売却理由として1位になったのは「住み替え」でした。 京都府だけでなく、住み替えを理由としたマンション売却は全国的にも多く、より快適に暮らせる住まいを求める人が目立ちます。 |
2位売り時だと思ったから (17.8%) |
今が「売り時」と考えてマンションを売却したという理由が2位に入りました。 インバウンドの回復に伴い、海外からの京都のマンション需要も再び増加傾向にあるようです。 |
3位相続関連 (13.2%) |
第3位にランクインしたのは、相続関連でマンションを売却したという回答です。 相続したものの利用する予定がない場合は、所有していてもランニングコストがかかるため売りに出す人が多くいます。 |
4位 転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)(12.8%) |
京都府でマンション売却をした理由として、「転勤・転職」も比較的多く見られました。 仕事で勤務地が変化することにより、新しい住まいを求める人が多いようです。 |
5位ローンの返済苦など金銭的な理由(8.7%) |
ローンの返済が困難になった、事業の資金繰りや家計が厳しいなど、金銭的な理由でマンションを売却するという理由もあります。 |
6位離婚・別居(8.2%) |
京都府の離婚率は1.41(人口1,000人に対して:2022年)で、全国平均の1.42とほぼ同じですが、離婚することによりマンションを売却する人が、やはり一定数いるようです。 |
7位 その他 (6.4%) |
京都府は世界的に有名な観光地であり、投資用のマンションも数多くあります。老朽化が進む前に築浅の物件に買い替えする投資家も多いようです。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、マンション売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(32.9%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
子供が独立して夫婦だけになったため、今のマンションを売って新しいマンションに住み替えることにしました。ややコンパクトなマンションのほうが、老後になったら住みやすいと考えたからです。思ったより高値で売れたので、新たにローンを組まずに購入することができました。
〈買主への上手な伝え方〉
これからのセカンドライフを考えて新しい住まいを手に入れるために、現在のマンションを売ることは前向きな取り組みといえます。買主にはプラスのイメージを与えるため、ありのままの状況を伝えましょう。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
2位(17.8%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
10年ほど前に、安かったので上京区に古いマンションを購入しました。息子が大学生のときに半分下宿のように使っっていたのですが、今、かなり高くなっているとのことだったので売り時だと思い、さらに古くなる前に売却することにしました。思ったより高値で売れたので、老後の資金に余裕ができました。
〈買主への上手な伝え方〉
マンションの資産価値は築年数が古くなるごとに下落する傾向があり、修繕費は反対に増えていく一方です。そのため、ある程度高値で売れるうちに売却する人は少なくありません。
ただし、買主にはあまり金銭的な事柄は伝えないほうが良いでしょう。
3位(13.2%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
父が住んでいたマンションを兄弟三人で相続しましたが、共有すると揉める原因になると聞いたこともあり、話し合いの上、売却することにしました。売却金は三人で平等に分けたため、特にトラブルはありません。
〈買主への上手な伝え方〉
共有不動産は持分などでトラブルになることもあります。そのため、兄弟間でのトラブルを避けるために売却して利益を等分に分け合うご家庭が多いようです。買主には単なる「相続」であると伝えれば良いでしょう。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
4位(12.8%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
就職してから京都府内での異動ばかりだったのでマンションを購入したのですが、このたび、はじめて関東地方に転勤になりました。売却代金でローンを完済できそうだったので、これまで賃貸に住んでいたと思うことにして売却を決めました。すぐに買い手が見つかり喜んでいます。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤や転職で遠方に行くため、所有している不動産を整理することはよくあるケースです。どちらかというとプラスのイメージが強いため、買主にはそのまま伝えましょう。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
5位(8.7%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
事業の資金繰りがうまくいかなくなり、やむを得ずマンションを売却することにしました。経営がうまくいっているときにローンを組まずに買っていたので、売却代金でかなり補填できたので助かりました。
〈買主への上手な伝え方〉
ローンの返済が苦しい、まとまったお金が急に必要になったなど、買い手に影響を及ぼさないプライベートな事情は、別段、伝える必要はありません。ただの「住み替え」であると伝えましょう。
6位(8.2%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
いわゆる熟年離婚することになり、自宅マンションを売却することにしました。どちらかが住むことも考えましたが、それぞれ別の場所で暮らしたいということから、売ってお金を分けることにしました。気持ち的にはスッキリとしています。
〈買主への上手な伝え方〉
京都府では、離婚によるマンション売却は他県より低いほうとはいえ、一定数の割合を占めています。買主にはマイナスイメージを与えるため、通常の「住み替え」であると伝えておきましょう。
離婚による売却については、「【離婚×不動産まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
7位(6.4%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
これまで投資用として所有していたワンルームマンションを売却して、ほかの投資にまわすことにしました。不動産投資は思ったよりも儲からなかったし、管理を自分でするのも向いていなかったというのが理由です。
〈買主への上手な伝え方〉
京都府内においても、投資用でマンションを所有しているケースが多いです。買い手も投資用で購入することがほとんどのため、売却理由をそのまま伝えても問題はないでしょう。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 京都府のマンション売却理由の第1位は「住み替え」という結果だった。より良い環境を求めるケースや家族構成の変化などが住み替えの理由として多く見受けられる。
- 京都府は世界的に有名な観光地であり、インバウンドも回復していることから、海外の買い手からも中古マンションの需要が上昇している。
- 離婚や金銭的な理由などによる売却の場合、買い手に影響がないのであれば、単に「住み替え」などと伝えるのも一つの手である。