今、住んでいる家やマンションを売却しても、賃貸として住み続けられる「リースバック」が注目されています。
しかし、中には「売っても住めるなんで、そんなうまい話があるのかしら…」と思う方もいるでしょう。
そこで、ここでは実際にリースバックで失敗や後悔した人の事例を紹介し、どうすればトラブルを回避できるかコツや注意点などをわかりやすく紹介します。
また、リースバック全般については「【リースバックのまとめ】家を売っても住み続けられる!利用方法や注意点を詳しく解説」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。
- この記事はこんな人におすすめ!
- リースバックが気になっているが失敗するのではないかと心配な人
- リースバックでどんな失敗や後悔があるのか事例を知りたい人
- リースバックのトラブル回避方法や注意点を知りたい人
もくじ
この記事のポイントのまとめ
1.リースバックの仕組みと利用の流れ
①リースバックの仕組み
家を売却してお金を受け取り、そのまま賃貸として住み続けられるという売却方法
②リースバックを利用する際の流れ
- リースバック会社に買取額の査定をしてもらう
- 売買契約を締結して家を買い取ってもらう
- 売却した家の賃貸借契約を締結する
- 買戻し、または退去で終了
2.リースバックでトラブルになりやすいポイント4つ
①買取額でのトラブル
②家賃でのトラブル
③賃貸契約内容でのトラブル
④買戻し額でのトラブル
3.リースバックの失敗・後悔事例7つ
リースバックの7つの失敗事例
- 定期借家契約で短期間しか住めなかった
- 家賃が高くて支払い続けられなかった
- 子供と相続のことで揉めた
- リースバックを利用できなかった
- 居住中の修繕費や諸費用の負担で揉めた
- 買戻し額が高く設定されていた
- 家を転売されてしまった
4.リースバックでのトラブル回避方法と注意点5つ
①自宅の相場価格を調べておく
②復数のリースバック会社を比較する
③契約内容をしっかりと確認する
④お金の流れを計算しておく
⑤リースバック以外の方法も検討する
国土交通省ではトラブル防止の観点から、リースバックの適切な活用方法や注意点などをまとめた「住宅のリースバックに関するガイドブック」を公表しています。リースバックの利用を検討している方は、ぜひ一度確認してみてください。
国交省報道発表資料:住宅のリースバックに関するガイドブック」 を公表しました
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1.リースバックの仕組みと利用の流れ
まず、リースバックの仕組みと利用の流れについて、簡単に確認しておきましょう。
リースバック全般について、よりくわしく知りたい場合は「【リースバックのまとめ】家を売っても住み続けられる!利用方法や注意点を詳しく解説」を参考にしてください。
1-1.リースバックの仕組み
「リースバック」とは、家やマンションを売って代金を受け取り、その家に使用料(家賃)を支払って住み続けるという売却方法です。
通常、不動産を売却すると所有権がなくなるため、明け渡さなければなりません。
しかし、リースバックを利用すれば、家を売却しても家を借りるという形で住み続けることができるため、家の売却代金が必要だけれども、今の家に住み続けたいという人にピッタリだと言えます。
1-2.リースバック利用する際の流れ
リースバックを利用する際の大まかな流れは、次のとおりです。
リースバックの流れ | 具体的な内容 | 売主がやるべきこと |
---|---|---|
①買取額の査定 | 金融機関や不動産会社、リースバック業者が家の査定を行い、買取額(売却代金)を提示する |
|
②売買契約の 締結 |
買取額や諸条件が合えば売買契約を結び、所有権が売主から金融機関やリースバック会社に移る |
|
③賃貸借契約の締結 | 金融機関やリースバック会社が貸主、売主が借り主となり、家の賃貸借契約を結ぶ |
|
④リースバック終了(以下、どちらかになる) |
||
買い戻す場合 |
リースバックの契約時に取り決めていた買戻し額を支払えば、所有権を売主に戻すことができる |
|
退去する場合 | あらかじ定められた賃貸期間が過ぎた場合、買戻しをしなければ退去となる |
|
必要な手続きや流れは同じでも、リースバック会社や不動産会社によって利用条件や契約内容は異なります。
トラブルになりやすいポイントをあらかじめ確認しておくことが大切です。
2.リースバックでトラブルになりやすいポイント4つ
リースバックでトラブルになりやすいポイントは、次の4つです。
- いくらで売れるのか(買取額)
- いくらで借りられるのか(家賃)
- いつまで住めるのか(賃貸契約内容)
- いくらで買い戻せるか(買戻し額)
これらの4つのポイントについて、具体的にどのようなトラブルが生じやすいのかを一つずつ詳しく説明します。
2-1.買取額でのトラブル
リースバック利用でトラブルになりやすいポイントの一つが、買取額(いくらで家が売れるのか)です。
一般的に家やマンションをリースバックで買い取ってもらう場合の買取額は、市場相場価格の7割程度になります。
例えば、市場相場価格が3,000万円の家を売却した場合、仲介、買取、リースバックそれぞれの査定額の目安は次のとおりです。
買取:約2,100万円(相場価格の7割程度)
リースバック:約2,100万円(相場価格の7割程度)
買取やリースバックで売却すると、仲介よりも数百万〜1千万円近く売却額が安くなってしまい、そのため、必要な額のお金が手に入らなかったり住宅ローンの残りを完済できなかったりといったトラブルに陥るケースがあります。
2-2.家賃でのトラブル
リースバックを利用して家やマンションを借りて住む場合の家賃は、売却額(買取額)の5〜10%程度の間で設定されることが多いです。
例えば、買取額が2,000万円、賃料が8%で設定された場合、おおよその月々の家賃は次のようになります。
2,000万円×0.08=160万円(年間の家賃)
160÷12ヵ月=約13万3,000円(月々の家賃)
賃貸物件の家賃は、一般的に地域や立地の影響を受けます。しかし、リースバックの家賃は売却額によって決まることが多いです。
そのため、リースバックした家やマンションが家賃の安い地域にある場合、周囲の賃貸物件よりも家賃が高くなってしまう場合があります。
2-3.賃貸契約内容でのトラブル
リースバック利用のトラブルで多いのが、賃貸契約内容によるものです。
賃貸借契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」があります。
普通借家契約であれば、契約を更新して住み続けることができますが、定期借家契約は原則として契約更新ができないため、あらかじめ決められた契約期間が満了すれば退去しなければなりません。
契約内容を確認しておかないと、ずっと住み続けたいと思っていたのに、2〜3年で出ていかなければならないトラブルに陥ることがあります。
リースバックで長く住み続けたい場合は、賃貸契約内容をしっかりと確認しておくことが大切です。
2-4.買戻し額でのトラブル
リースバックで売却した家やマンションは、将来、買い戻すことができます。
しかし、いざ買い戻そうとした際に、思っていたよりも買戻し額が高かったというケースがあるため注意が必要です。
例えば、買戻し額が買取額の2割増しに設定されている場合、相場価格が3,000万円の家をリースバックで売却し、買い戻す際の目安額は次のようになります。
リースバックでの買戻し額:2,520万円(買取額の2割増し)
一般的に、買い戻しする際は、買取の際に受け取った売却代金よりも数百万円単位で高くなります。
将来、買い戻す予定がないとしても、万が一買い戻すことになった場合に後悔しないよう、買戻し額の設定を確認しておくことが大切です。
これらのトラブルがあることを踏まえたうえで、リースバックの利用が適しているのか、どのようなリースバックのタイプやリースバック会社を選べば良いのかわからない場合は、イクラ不動産にぜひご相談ください。
3.リースバックの失敗・後悔事例7つ
リースバックにおける失敗や後悔の事例として、次のようなものがあげられます。
- 定期借家契約のため短期間しか住めなかった
- 家賃が高くて支払い続けられなかった
- 子供と相続のことで揉めた
- リースバックを利用できなかった
- 諸費用や家の修繕費の負担で揉めた
- 買戻し額が高く設定されていた
- 家を転売されてしまった
これらの失敗・後悔事例において、具体的にどのような問題があったのかを一つずつ詳しくみていきましょう。
3-1.定期借家契約のため短期間しか住めなかった

ずっと住めると思っていたのに、来年退去しなければなりません。お金がないので買戻すこともできず、このまま出ていくことになりそうで失敗したと困っています。
リースバックの失敗で多いのが、賃貸契約内容が定期借家契約になっていたというものです。
定期借家契約の場合、原則として契約更新がないため、契約期間が満了すると退去するか買戻しするかを選ばなくてはなりません。
3-2.家賃が高くて支払い続けられなかった

一般的に、リースバックを利用した場合の家賃の基準は、売却した際の買取額です。
そのため、買取額が高かった場合、周辺の賃貸物件よりも家賃がかなり高くなることがあります。
家賃を抑えるために買い取ってもらう額を低くするケースもありますが、結果として手元に入るお金が少なくなってしまうことがあるため安易におすすめはできません。
3-3.子供と相続のことで揉めた

リースバックで家を売却すると、所有権がリースバック会社に移ります。そのため、売主が亡くなった場合、相続財産の対象にはなりません。
相続人の予定がある場合などは、あらかじめリースバックの利用を相談しておくと良いでしょう。
3-4.リースバックを利用できなかった

利用条件がそれほど厳しくない点がリースバックのメリットですが、住宅ローンの残額が多すぎる場合は利用できません。
また経済状態が悪いと、賃貸契約の締結の際、連帯保証人の代わりとなる保証会社の審査に通らず、リースバックが利用できない場合も稀にあります。
3-5.諸費用や家の修繕費の負担で揉めた

リースバックを利用すると、これまで所有権のあった家やマンションを「借りる」立場になります。
そのため、賃貸契約の内容によっては、所有していたときには考えが及ばなかった家の修繕費や退去時の原状回復費などの費用が必要です。
あとから後悔することがないよう、契約時に細かく確認しておかなければなりません。
3-6.買戻し額が高く設定されていた

買戻し額は、売却額(買い取ってもらったときの額)を基準に定められていることが多いですが、不動産市場の動向が加味されることもあります。
将来、買い戻す予定がない場合でも、リースバックを選ぶ際に買戻し額の設定を確認しておくようにしましょう。
3-7.家を転売されてしまった

リースバック会社が家を転売する場合もあります。
転売されたとしても賃借人の権利は守られますが、転売時に抵当権が設定されると、場合によっては退去を強いられる恐れもあります。
万が一の場合を考え、リースバックの利用を検討する際に、転売の可能性や条件についても確認しておくようにしましょう。
4.リースバックでのトラブル回避方法と注意点5つ
最後に、リースバック利用で発生しがちなトラブルを回避する方法と注意点を5つ紹介します。
リースバックの利用を検討する際は、次のような点に注意することが大切です。
②復数のリースバック会社を比較する
③契約内容をしっかりと確認する
④お金の流れを計算しておく
⑤リースバック以外の方法も検討する
それぞれの注意点について、詳しく説明します。
4-1.①自宅の相場価格を調べておく
リースバックの利用を検討する際だけでなく、家やマンションなどの売却を考えたときは、まず相場価格を調べることが重要です。
なぜなら、相場価格がわからないと、不動産会社やリースバック会社が出す査定額が適切かどうか判断できないからです。
適切な査定額がわからないと、安く買い叩かれてしまうかもしれません。
イクラ不動産独自の価格シミュレーターを使えば、簡単に素早く相場価格を調べることができます。もちろん、ご利用は無料&秘密厳守です。
さらに、リースバックや売却方法でわからないことがあれば、宅建士の資格を持ったイクラ不動産の専門スタッフにいつでも無料で相談できます。
4-2.②復数のリースバック会社を比較する
リースバックの契約内容や条件は、リースバック会社によってさまざまです。
買取額や賃貸契約内容を比べるのはもちろんのこと、リースバック会社独自のサービスも比較してみましょう。
たとえば、次のような特色のあるリースバックがあります。
- 高齢者の見守りサービス付き
- 長く住めば買戻し額が安くなる
- 事業用物件でも対応可能
- 賃料の値上げなし
- 最初の年の家賃割引
自分に合ったリースバックを見つけるためにも、復数のリースバック会社を比較することが大切です。
リースバック大手業者については、「リースバック大手おすすめ業者7選を徹底比較!サービスの違いや特徴を紹介」で詳しく説明しています。
どのリースバック会社を選べば良いのかわからない場合は、イクラ不動産にぜひご相談ください。
宅建士の資格を持ったイクラ不動産の専任スタッフが、中立な立場から適切なアドバイスをさせていただきます。
また、イクラ不動産独自の価格シミュレーターを使えば、簡単に素早く相場価格を調べることが可能です。もちろん、無料&秘密厳守でご利用いただけます。
4-3.③契約内容をしっかりと確認する
リースバック会社を比較する際や契約を結ぶ際は、必ず契約内容をしっかりと確認し、わからないことや不明な点があれば聞いておくことが大切です。
特に、賃貸契約が定期借家契約ではなく普通借家契約になっているか、契約更新時に費用がかかるのか、家の修繕や退去時の原状回復費用はどのように定められているのかなどを細かくチェックしておきましょう。
また、買い戻す予定がなくても、買戻し額がいくらで設定されているか確認しておくことをおすすめします。
4-4.④お金の流れを計算しておく
リースバックを利用する場合は、家を売却する額(買取額)だけでなく、賃貸として住む期間の家賃も含めたお金の流れをしっかりと計算しておくことが大切です。
買取額がいくら高くても、住んでいる間の家賃が高くて支払えなければ、リースバックをした意味がありません。
今、必要となるお金を手に入れたうえで、先々も見据えた計画を立てておくようにしましょう。
4-5.⑤リースバック以外の方法も検討する
家を売却しても住み続けられるリースバックは、一時的にまとまったお金が必要で、かつ家を出て行きたくない人にとって魅力的な売却方法です。
しかし、どのようなケースでもリースバック向いているわけではありません。
状況によっては、リースバックではなく仲介や買取で家を売却するほうが有効な場合もあります。
リースバックだけに固執するのではなく、ほかの方法も検討したうえで、リースバックの利用を検討するのがおすすめです。
イクラ不動産にご相談いただければ、宅建士の資格を持ったイクラ不動産の専任スタッフが、あなたの状況をしっかりとお聞きしたうえで、中立な立場からリースバックが向いているかどうかアドバイスをさせていただきます。
ご利用は無料&秘密厳守です。
リースバックが向いていない場合は、ほかの売却方法や手段をご案内させていただきます。どうぞご安心ください。
まとめ
この記事のポイントをまとめました。
- 「リースバック」とは、家やマンションを売って代金を受け取り、その家に使用料(家賃)を支払って住み続けるという売却方法
- リースバックで重要なポイントは、次の4つ
・いくらで売れるのか(買取額)
・いくらで借りられるのか(家賃)
・いつまで住めるのか(賃貸契約内容)
・いくらで買い戻せるか(買戻し額) - リースバックでよくある失敗や後悔は次の7つ
・定期借家契約のため短期間しか住めなかった
・家賃が高くて支払い続けられなかった
・子供と相続のことで揉めた
・リースバックを利用できなかった
・諸費用や家の修繕費の負担で揉めた
・買戻し額が高く設定されていた
・家を転売されてしまったいくらで売れるのか(買取額) - リースバックのトラブルを回避する方法は、次の5つ
①自宅の相場価格を調べておく
②復数のリースバック会社を比較する
③契約内容をしっかりと確認する
④お金の流れを計算しておく
⑤リースバック以外の方法も検討する
リースバックは、家を売って売却代金を得たうえで、賃貸として住み続けることができるという売却方法です。
ただし、契約内容をしっかりと確認しておかないと、賃貸期間が限られてしまう、家賃が高くなる、買戻しに思った以上のお金がかかるといったトラブルが生じて、失敗や後悔につながる恐れがあります。
そのような事態に陥らないためにも、リースバックの利用を検討する際は、リースバック会社や契約内容をしっかりと確認し、比べてから選ぶことが大切です。
「リースバックを利用したいけど、自分に合っているかわからない」「リースバックで失敗しないか不安」「どのリースバック会社を選べば良いかわからない」という方は、ぜひ、イクラ不動産でご相談ください。
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