宮城県の「戸建てを売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
宮城県の「土地の売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「宮城県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
戸建てを売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて) (30.4%) |
定年退職や両親の近くで暮らすため、ペットを飼い始めたためなど、ライフステージの変化に伴って家を住み替えるという方も多く見受けられました。 |
2位 売り時だと思ったから(23.2%) |
「みやぎ経済月報・宮城県景気動向指数」によると、全体的な経済は緩やかに持ち直しているものの、住宅投資は分譲住宅や持家の減少により4期連続の減少となっています。そのため、これ以上の損失を避けるため売却に踏み切る方も多いようです。 |
3位転勤・転職(仕事や勤務地の変化など) (23.2%) |
第3位は「転勤・転職」という結果でした。総務省の人口移動報告では、宮城県の他都道府県への転出者数は約4万7千人で、維持費の負担をなくす、まとまった現金を得ることができるなどの理由から持ち家を手放す方もいるようです。 |
4位 離婚・別居 (8.7%) |
「人口動態調査」によると宮城県の離婚率は1.35(人口千対:2022年)です。全国平均は1.42なので、やや少ないことが分かります。離婚後は相手と連絡を取ることは避けたいと思う方が多く、金銭的なトラブルになりやすい戸建てを売却するケースが多いようです。 |
5位 相続関連 (6.3%) |
第5位は「相続」という結果でした。相続した不動産を売却して現金化し、複数の相続人で分配することで今後のトラブルも避けられるため、売却に至るケースもあります。 |
6位 ローンの返済苦など金銭的な理由 (4.4%) |
病気やケガで収入が減ってしまったり、急遽まとまったお金が必要になってローンの返済が苦しくなった場合は、大きな財産である家を売却する方も少なからず見受けられます。 |
7位 その他 (3.9%) |
高齢になり老人ホームに入居する際に、老後の預貯金はなるべく切り崩したくないと言う方は家を売却し、入居費用に当てるケースもあるようです。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、戸建て売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(30.4%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
主人の退職をきっかけに、余生は静かなところでのんびり過ごそうと住み替えのため売却を決めました。希望価格を高めに設定する場合は買い手が決まるまでに時間がかかると聞き、売却には時間がかかるだろうと覚悟していましたが、最終的には不動産会社さんに思った以上に良い価格で売却していただいたので非常に有難かったです。
〈買主への上手な伝え方〉
所有者の高齢化に伴い、静かな環境に身を移したいと考えることも自然なことですので、買主にそのままを伝えても悪くとられる心配はまずないでしょう。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
2位(23.2%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
セカンドハウスとして所有している戸建てがあり、管理も面倒になってきたため不動産会社に相談したところ、転勤や進学に合わせて引っ越しをする人が多い年末以降は売り時だとアドバイスしてもらったので売却を決めました。そのおかげか納得のいく価格と期間で売ることができました。
〈買主への上手な伝え方〉
家の購入ニーズが最も高まる時期は、購入検討者の多い「2月から3月」です。買主には「住み替えのため」もしくは「資産整理のため」と伝えておけば十分でしょう。
3位(23.2%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
県外への転勤のため築7年の戸建てを売却しました。不動産会社から今は新築の価格が上がっていて、同じ金額で昔と同じ家を建てることはできないため、築浅の中古物件が人気だと聞いて、相場より少し高めで売り出しました。納得いく価格で売却できて大変満足です。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤・転職による売却も理由としてメジャーなため、正直に伝えて問題ないでしょう。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
4位(8.7%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
離婚が切っ掛けです。2018年築の一戸建て住宅で、1人で住むには広すぎることもあり、すぐに不動産会社を探しました。1ヵ月も経たずに契約となりました。広い角地で南向きの住宅だったこともあり、とても気に入っていただけたようです。住宅ローンの残債が残らず希望価格で売ることができました。
〈買主への上手な伝え方〉
離婚・別居といったネガティブな理由のため、詳しい事情は話さないほうが良いでしょう。正直に言うと買主の印象を悪くする恐れがあります。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。「住み替え」などと濁して伝えるほうが良いでしょう。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
離婚による売却については、「【離婚×不動産まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説 」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
5位(6.3%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
母から3年前に相続した戸建があったのですが、売却しました。換気をこまめにしないと家が早く朽ちてしまうと知人に聞いて、週に1、2回通っていたのですが、管理に疲れてしまい売却に至った次第です。幸いにも家の傷みも少なく買い手も早く見つかり安心しました。
〈買主への上手な伝え方〉
相続で取得した不動産を売却するケースは珍しいことではありません。正直に伝えても買主の心証を損じる心配はそれほどないといえます。
6位(4.4%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
両親のために一軒家を購入し、私が住宅ローンを支払っていましたが、勤め先の会社の業績が振るわず、給与がガクンと下がりました。さらに昨年、母にガンが見つかり治療費がかかることになりました。住宅ローンの支払いが厳しくなり一軒家を泣く泣く売却しましたが、結果的にはこれで母の治療費が賄えると安堵いたしました。
〈買主への上手な伝え方〉
長引く不況や物価高騰の影響でローン返済が難しくなり、売却を決断することも少なくありません。ネガティブな理由としてとらわれる場合もあるため、プライベートな売却理由を伝える必要はありません。
「住み替え」などと濁しても問題ありませんし、心配な場合には不動産会社に相談すると、売主にとって損にならない最適な伝え方を提案してもらえるでしょう。
7位(3.9%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
祖父母が住んでいた家の売却をしました、今年1月に祖父が亡くなって祖母が一人暮らしになってしまい、高齢だったことなどから祖母を私たち家族が住む東京に迎え入れ、一軒家を売却することに。築40年の古家でしたが、一番条件の良かった不動産会社さんに売却することができました。祖母の介護費用も確保でき良かったです。
〈買主への上手な伝え方〉
家族の形態が変わるタイミングや現金が必要となったためなどの理由で戸建ての売却を検討する方もいます。理由によっては買主へ正直に伝えても問題はありませんが、「住み替えのため」などと言葉を濁したほうが無難でしょう。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 宮城県では、ライフステージの変化に伴う住み替えで戸建てを売却する方が多い
- 宮城県の住宅投資は分譲住宅や持家の減少により4期連続の減少となっているため、損切目的で持ち家の売却を行う人も一定数見受けられる