静岡県の「戸建てを売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
静岡県の「戸建ての売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「静岡県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
戸建てを売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)(30.5%) |
静岡県の戸建て売却理由の第1位は「住み替え」でした。高齢になり、車を手放しても過ごせる環境を求めて住み替える方もいるようです。 |
2位 売り時だと思ったから(25.1%) |
「令和5年地価公示結果」によると、静岡県全体の住宅地の地価は下落しているものの、下落率は縮小しています。これ以上の損失を避けるため、売却に踏み切る方も多いようです。 |
3位転勤・転職(仕事や勤務地の変化など) (19.6%) |
第3位の静岡県における戸建ての売却理由は「転勤・転職」という結果でした。「人口移動報告」によると、2023年に静岡県から県外へ転出した人の数は約6万4千人でした。仕事や勤務地が変わることにより、戸建てを売却することは比較的多いようです。 |
4位 離婚・別居 (8.5%) |
「人口動態調査」によると静岡県の離婚率は1.42(人口千対:2022年)です。全国平均は1.42なので、平均的だと言えます。離婚や別居を理由に、住んでいた自宅を手放すことも良くあることです。財産分与やペアローンを清算するために売却する人が多いです。 |
5位 ローンの返済苦など金銭的な理由 (8.2%) |
「静岡県内の経済情勢報告」によると、「雇用情勢」は緩やかに改善しつつあるとのことです。しかし、物価上昇や世界情勢に何らかの影響受け、苦しい生活を強いられる方も少なくないようです。 |
6位 その他(4.2%) |
「介護資金を用意する」、「高齢の両親と同居する」などの理由で自宅の売却を決断する人もいるようです。 |
7位相続関連 (3.9%) |
静岡県では、戸建ての売却理由として「相続関連」が第7位という結果でした。相続する物件が現在の住まいから離れていたり、管理が大変だったりすることを売却理由にあげらるケースも少なくありません。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、戸建て売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(30.5%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
今まで両親と住んでいた立地が不便で、スーパーや病院まで車で行かないといけない距離にありました。今後のことを考えて、別の場所に住み替えをしようと考えました。たまたま良い移住先が見つかったので、住んでいた家を売却しました。予想ではあまり価値がないと考えていたのでそれを上回る評価と売却ができたことに大変満足でした。
〈買主への上手な伝え方〉
生活の利便性を考えて住み替えることは、よくあるケースといえます。「住み替えです」と買い主に正直に伝えても特に問題はありません。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
2位(25.1%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
衰退してきた地域に所有していたセカンドハウスを売却しました。これ以上地価が下がってしまうと、購入時の価格を割ってしまうので、いよいよ売り時だと思いました。相談した不動産会社さんに新生活スタート前の2~3月は、一年の中でもっとも売り時だとアドバイスをいただき、その時期を狙って動き、無事に売却できました。タイミングは大事だなと思いました。
〈買主への上手な伝え方〉
建物の資産価値は築年数の経過に伴って減少しますが、土地の価格は経済状況や都市開発などの影響を受けます。こちらのケースの場合、買主には「資産整理のため」もしくは「住み替え」と伝えておけば十分でしょう。
3位(19.6%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
故郷への転職が決まり、実家に戻りました。そのため、不要になった家の売却を決めました。購入してくださった方も大変気に入って頂けたようで、良い方に買って頂いて嬉しかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤がきっかけで戸建てを売却することは珍しくありません。一般的な理由と言えるので、買主にはそのまま伝えても問題ありません。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
4位(8.5%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
価値観の不一致で子供が独立したのを機に離婚し、夫婦ともに自宅の売却に同意し、互いの実家に帰ることになりました。購入者もすぐに見つかって、住宅ローンの返済もでき、残りを折半しました。幸先の良い門出になりました。
〈買主への上手な伝え方〉
売却理由が離婚であっても、家自体に問題があるわけではないので、売却価格に影響は与えません。しかし、離婚に良いイメージはないため、買主には通常の住み替えであると伝えておきましょう。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。「住み替え」などと濁して伝えるほうが良いでしょう。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
離婚による売却については、「【離婚×不動産まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説 」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
5位(8.2%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
3年前に離婚し、養育費を支払いながらの生活が少しずつ重荷になり、税金、住宅ローンを滞納してしまいました。自宅を差押えされそうになったので不動産会社さんに相談、任意売却の提案をいただきました。お陰さまで借金は少し残ったものの売却でき、「子供達には迷惑をかけたくない」という一心で、何とか頑張って来たことが報われました。
〈買主への上手な伝え方〉
金銭的な事情によって戸建てを手放す方も少なくありません。個人的な事情を買主に伝える必要はないので、買主には単なる「住み替え」であると伝えれば良いでしょう。
心配な場合には、不動産会社に相談して最適な伝え方を提案してもらいましょう。
6位(4.2%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
両親の介護が必要になり、また子供たちも独立したため、両親のいる実家に同居することにしました。あまり時間に余裕がなかったため価格など、不動産会社さんにお任せしていましたが、査定価格より高く売れてびっくり、嬉しかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
高齢になった親との同居により、住んでいた家を売却するケースも増えています。買主にそのまま事実を伝えても問題はありませんが、急ぐ場合は価格交渉で不利になることもあるので、「住み替え」などと濁して伝えるほうが良いでしょう。
7位(3.9%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
相続で手に入れた戸建ては、建物が非常に古く、リフォームするにも費用がかかるため、相場より安くても売却するつもりでした。現状のままでの売却だったので、やはりあまり高値では売れませんでしたが、管理する手間も省けて安心しています。
〈買主への上手な伝え方〉
相続で取得した戸建ての売却は珍しいことではありません。マイナスイメージを与えないので、買主には「相続した物件の売却」と伝えても問題ありません。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 静岡県では、住宅地の地価平均変動率は、15年連続の下落となっているが下落率は縮小している
- 前年に比べ、転出者数が最も増加しているのは千葉県、群馬県に続いて静岡県となっており、転勤による住み替えも多い