全国の「戸建てを売却する理由」について、お客様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、併せて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
戸建てを売却する理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)(34.8%) |
戸建てに住んでいるのはファミリー層が多いため、家族の人数の変化や進学、就職などが家族全体のライフスタイルに影響をおよぼすことが多く、売却の大きな理由になっています。 |
2位売り時だと思ったから(21.5%) |
建物のみならず土地の資産価値や、不動産市況、その他個人的な理由から、売却のタイミングを考えて判断する方も多いようです。 |
3位相続関連(18.2%) |
地方の実家を相続してすぐ売るケースの他、利用頻度が少ないことが分かって数年後に売却というケースも多々あります。 |
4位転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)(8.7%) |
一定数あるケースですが、マンションよりも戸建ての方が売りにくい傾向にあるため、割合は少なめです。 |
5位離婚・別居(7.9%) |
戸建ての場合、物理的に家を分けることはむずかしいため、売却した代金を夫婦で分けるという方法がよく選択されています。 |
6位ローンの返済苦など金銭的な理由(6.2%) |
住宅ローンの支払いが厳しくなったほか、何らかの理由でまとまったお金が必要になったため売ることにしたというケースも少なからずあるようです。 |
7位その他(2.7%) |
親が高齢になったため、実家を売却して高齢者施設などの入居費用にあてるといったケースが多く見受けられました。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2021年10月〜
順位別に実際のお客様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、戸建て売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説します。
1位(34.8%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
両親と同居していて子どもも3人いたので、一時は7人が家にいる状態でした。でも、両親が他界して子どもも独立したので広い戸建ては必要なくなり、管理も大変なので売ってマンションに引っ越すことにしました。思い入れのある家なのでさびしかったですが、感じのよい買主さんだったので、安心して引き渡せました。
〈買主への上手な伝え方〉
住み替えは戸建ての売却理由として大変一般的なので、買主にそのままを伝えても悪くとられる心配はまずないでしょう。
2位(21.5%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
古い戸建てだったので、どうせ安い値段でしか売れないだろうとこれまで放っておいてたのですが、近くに大型の商業施設ができて土地の値段が上がったようなので、売るなら今だと思い不動産会社に相談をして売却を決断しました。結果、想像していなかった額で売れたので、本当によかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
高く売れる時に売りたいと思うことは売主の当然の希望ですので、買主に尋ねられたらそのままを伝えても問題はないでしょう。
3位(18.2%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
実家の戸建てを相続したあとで転勤が決まり、新しくマンションを買ったものの、実家はそのままにしていました。古い家なのに、固定資産税の通知が来てびっくり。毎年、こんなに支払わないといけないなら、売ってしまおうということになりました。もっと早くに売っておけばよかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
相続による売却は地方の戸建てなどに多く、理由として一般的なため、正直に伝えても買主の心証を損じる心配はないと言えます。
4位(8.7%)転勤・転職
〈売主様の実際の回答・声〉
転勤はないだろうと思って戸建てを買ったのに、まさかの異動辞令が出てどうしようかと散々悩みました。単身赴任をしようかとも考えましたが、戻ってくるかどうかもわからなかったので、思い切って売ることにしました。家族全員で暮らせるのが一番です。単身赴任にしなくてよかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤・転職による売却はあまりメジャーではないものの、理由として買主の心証を損じる心配はないと言えます。正直に言っても問題はないでしょう。
5位(7.9%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
離婚をするにあたって、戸建ての家をどうしようかと悩みました。家は夫名義ですが、子どもを私が引き取ることになったのでそのまま住み続ける方向も考えてみたのですが、あと少し残っているローンをきちんと払ってくれるかどうか心配だったので、売却してローンの支払ってしまい、、残ったお金を分けることにしました。
〈買主への上手な伝え方〉
離婚・別居と言った理由は、正直に伝えると買主に暗い印象を与え、物件を売れにくくしてしまう恐れがあります。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。「住み替え」などと濁して伝えれば良いでしょう。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害 ・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
6位(6.2%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
夫の実家が事業に失敗したため、家を売って補填することになりました。とにかく急いでお金を準備しなければならなかったので、買取を使うことにしました。買取をしてくれる複数の不動産会社を比べて一番高く買い取ってくれるところを選べてよかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
物件に特定の瑕疵や、買主が生活するうえで障害となるような問題が生じていない限り、プライベートな売却理由を伝える義務はありません。
「住み替え」などと濁しても問題ありませんし、心配な場合には不動産会社に相談すると、売主にとって損にならない最適な伝え方を提案してもらえるでしょう。
7位(2.7%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
実家の両親が高齢になり、父の方は認知症の様子もあったため、戸建ての実家を売却して施設への入居費用にすることを決めました。いろいろな不動産会社に相談しましたが、高齢者施設とのつながりがあるところを探すのが大変でした。
〈買主への上手な伝え方〉
高齢者施設への入所のために土地を売るという理由は珍しいものではなく、買主も聞いて心証を悪くすることはほとんどないため、正直に伝えても問題ないでしょう。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 戸建ての売却理由として最も割合が多いのは住み替え・買い替えで、総回答数のおよそ35%にのぼった。
- 相続による売却の割合も、戸建ての方がマンションよりも高くなる。理由としては、相続のパターンとして地方に住む親の一戸建てを承継することが多いという点が考えられる。