「都市計画区域」は計画的な街づくりを進めるエリア、
「都市計画区域外」は人が集まっていないので、とりあえず置いておくエリア、
「準都市計画区域」は田舎だが重要な地域なので、制限があるエリアです。
こちらでは、都市計画区域、都市計画区域外、準都市計画区域とはなにか、詳しく説明します。
都市計画区域とは都市計画法が適用される地域
都市計画区域とは、都市計画法という法律に定められた内容を守らなければならない地域のことです。
都市計画法の目的は、都市づくりの計画(都市計画)を立て、実現することにあります。そして、その都市計画を定める区域を都市計画区域ともいえます。
まず、都市計画を定めるエリアを「都市計画区域(としけいかくくいき)」に、そしてそれ以外のエリアを「都市計画区域外(としけいかくくいきがい)」として分けます。そうすると日本全国、都市計画区域内の土地か都市計画区域外にわかれることになります。
実際、日本の全国土の内、都市計画区域は約25%程度ですが、その約25%に全人口の9割以上の人が居住しています。
都市計画区域は、市町村という小さな行政単位ではなく、もっと広域のエリアで街づくりを考えるため、市町村の枠にとらわれず、都道府県単位で計画を立てます。そのため、決定するのは都道府県知事になります。さらに都道府県をまたいで都市計画を作るときは国土交通大臣が決定します。
ただし、都市計画区域外で、そのまま自由勝手に開発・建設が行われると、将来、都市としての整備をするときに支障が生じる恐れがあると認められる区域が、「準都市計画区域(じゅんとしけいかくくいき)」として指定されます。
準都市計画区域について
準都市計画区域についてもう少し補足を加えましょう。
準都市計画区域が必要になったのには、理由があります。そもそも、建築基準法に定められている接道の義務や用途地域の制限、建ぺい率や容積率の制限などは、都市計画区域内だけに適用されます。逆にいえば、都市計画区域外では、これらの規制を受けません。
そのため、都市計画区域外では無秩序な開発が行われるおそれがありそうなところに、開発や建築を規制するために局地的に準都市計画区域を定めます。具体的には、田舎の市街地から離れているが、人の往来が多い高速道路のインターチェンジの周辺などが多いです。例えば、福井県にある永平寺は有名ですが、その周辺は永平寺準都市計画区域に指定されています。
準都市計画区域内では、都市計画区域に準じた規制が適用されるため、用途地域や特定用途制限地域、風致地区などを定めることができますし、接道の義務や建ぺい率や容積率の制限も適用されます。しかし、都市計画事業を積極的に進める地域ではなく、規制だけが適用されるような区域といえます。
そのため、準都市計画の影響度は低く、日本の全国土の内、準都市計画区域は1%を下回っており、当然、全人口の1%未満にとどまります。
まとめ
まとめると次のようになります。
- 都市計画区域:計画的な街づくりを進めるエリア
- 都市計画区域外:人がそれほど集まっていないので、とりあえず置いておくエリア(田舎)
- 準都市計画区域:田舎だが、重要な地域なので制限があるエリア
都道府県は、市または人口、就業者数その他の事項が政令で定める要件に該当する町村の中心の市街地を含み、かつ、自然的及び社会的条件並びに人口、土地利用、交通量その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する必要がある区域を都市計画区域として指定するものとする。この場合において、必要があるときは、当該市町村の区域外にわたり、都市計画区域を指定することができる。
(都市計画法第5条)
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