群馬県の「戸建てを売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
群馬県の「戸建ての売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「群馬県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
戸建てを売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて) (32.7%) |
群馬県における戸建て売却理由の第1位は「住み替え」です。 駅前の再開発が進む高崎市や太田市などの中心部へ、利便性を求めて住み替える方も多いようです。 |
2位 売り時だと思ったから (29.4%) |
「令和5年地価調査結果」によると、群馬県の住宅地の平均地価変動率は-0.6%(前年-0.9%)と下落しています。しかし都市部や郊外の利便性の良い地域の地価は上昇傾向で推移しているため、戸建ての売り時だと判断する人が増えたと考えられます。 |
3位 転勤・転職(仕事や勤務地の変化など) (10.5%) |
総務省の「人口移動報告」によると、2023年に群馬県から県外へと転出した方の数は約3万8千人です。転勤や転職などで引っ越しをし、現在住んでいる戸建てを売却する方が多くみられます。 |
4位 離婚・別居 (8.5%) |
「人口動態調査」によると群馬県の離婚率は1.49(人口千対:2022年)で、全国の1.42を0.07ポイント上回っています。女性が社会進出することで経済的不安が少なくり、離婚という選択肢を取りやすくなったのも要因と考えられます。 |
5位 ローンの返済苦など金銭的な理由 (7.8%) |
第5位は「ローンの返済苦など金銭的な理由」という結果でした。コロナ禍が落ち着き景気が持ち直したとは言え、今後もローンの支払いが困難になる人は一定数いると思われます。 |
6位 その他(7.2%) |
高齢になると「介護施設への入居」や「資産整理」などのために、家を手放し現金化する方は少なくないようです。 |
7位相続関連 (3.9%) |
第7位の群馬県での戸建て売却理由は「相続」でした。群馬県において、相続を理由とする戸建ての売却は件数としては少ないものの、よくある売却理由の一つです。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、戸建て売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(32.7%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
新築の戸建てに住み替えるため売却をしました。不動産会社に相談するとすぐに中古戸建てを探している人が見つかり、あっという間に契約に至りました。築年数が経っていましたが、数年前にリフォームをしていたため、傷みが少なかったのが早期売却に繋がったのかなと思いました。
〈買主への上手な伝え方〉
住み替えは売主にとっては大きな理由のひとつです。買主にはそのまま伝えても問題ないでしょう。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
2位(29.4%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
退職後の人生を考えていたとき、所有していた投資用の戸建てを思い切って手放そうと思いました。資金回収もでき、これからも収益物件としては惜しいかとも思いましたが、管理をしていくのも面倒になってしまっていました。そんな時、ちょうど地価が上がっているタイミングだったので決断しました。仕事漬けだった毎日から、少しゆったりとした時間を過ごせそうです。
〈買主への上手な伝え方〉
売主の「売り時」は買主の「買い時」とは言いにくいため、買主には、個人的な事柄は伏せておき、単なる住み替えと伝えておいても良いでしょう。
3位(10.5%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
転職のため県外に引越しをすることになり売却をしました。かなり離れたところに引越しをしたので、お願いしていた不動産会社さんとは定期的にメールや電話でやり取りをしました。築40年以上経っていたので、土地柄もあり売るのは時間がかかるかなと想定していましたが、地元の不動産会社さんだったのが良かったのか、以外に早く売却でき安心しました。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤や転職など仕事に関する理由で住み替えすることは、メジャーなため、そのまま伝えても良いでしょう。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
4位(8.5%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
離婚したため家の売却を行いました。早く手放したかったので、自宅近くにあった不動産会社さんに飛び込みました。価格重視よりも期間を重視したからか、あまり売却価格は高くありませんでしたが、それでも2ヵ月と短期間でスムーズに話が進んだので満足しております。
〈買主への上手な伝え方〉
離婚率の高い世代と家を購入する世代はほぼ同じだとみられます。離婚はネガティブな印象を与える可能性もあるため、単なる「住み替え」と濁しておきましょう。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。「住み替え」などと濁して伝えるほうが良いでしょう。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
離婚による売却については、「【離婚×不動産まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
5位(7.8%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
経営している会社が業績不振のため住宅ローンの支払いが困難になり、不動産会社さんに相談しました。上手くいくとローンを全額返せるかもしれないと提案してくれたので、ダメもとでお願いしてみました。一生懸命動いてくれて、本当に全額返済ができる金額で売却できました。感謝しかありません。
〈買主への上手な伝え方〉
不景気で、なかなか業績が回復しない企業は少なくないため、住宅ローンの支払いが困難になったりすることがあります。持ち家を売却せざるを得ないケースも見られます。
あまり良いイメージを与えないので、買主には「住み替え」とだけ伝えましょう。
6位(7.2%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
叔父は独り身で脳梗塞を患い、一人暮らしが困難になった為、施設に入ることになりました。そのため家の売却を頼まれました。書類の取り交わしに時間がかかりましたが、無事に手続きが完了し売却できました。肩の荷がおりて良かったです。
〈買主への上手な伝え方〉
単身の方が老人ホームに入居するのに、それまで住んでいた家を売却するケースも増えています。そのまま伝えても問題はないでしょう。
7位(3.9%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
疎遠だった父が亡くなり、急に相続の話がありました。住む予定もないし、所有してても負担になるだけなので売却することにしました。築年数が古いので売却価格は大したことはないと思っていましたが、思ったより高値で売れました。この資金で父のお墓を建ててあげたことで、少しは親孝行ができたのではないかなと思いました。
〈買主への上手な伝え方〉
相続した戸建てに誰も住まないため売却するケースがよくあります。正直に伝えても買主の心証を損じる心配はないと言えるでしょう。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 群馬県の転入・転出の状況は、ともに増加傾向となっている
- 群馬県では戸建ての売却理由で最も少なかったのは「相続関連」という結果だった。