群馬県の「土地を売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
群馬県の「土地の売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「群馬県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
土地を売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 相続関連(40.2%) |
「相続関連」が、群馬県における土地の売却理由のトップでした。住宅地だけでなく農地や山林といった土地を相続したものの、使い道がなく管理も大変なため売却するというケースも多く見受けられます。 |
2位売り時だと思ったから (23.4%) |
「令和5年地価調査結果」によると、群馬県の住宅地の平均地価変動率は-0.9%と下落しております。しかし都市部や郊外の利便性の良い地域の地価は上昇傾向で推移しており、今後も需要が高まりつつあるため、売り時だと判断する人が増えたと考えられます。 |
3位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて) (15.0%) |
群馬県における土地の売却理由第3位は、「住み替え」という結果でした。家族構成の変化やよりよい住まいを求めてなど、さまざまな理由により今の家や土地を売って住み替える人が多いようです。 |
4位ローンの返済苦など金銭的な理由 (6.5%) |
ローンの返済が困難になった、事業の資金繰りや家計が厳しいなど、金銭的な理由で土地を売却するというケースも一定数見受けられました。 |
5位その他 (5.6%) |
そのほかの土地の売却理由として、高齢により「介護施設への入居」や「資産整理」などのために、家を手放し現金化する方は少なくないようです。 |
6位 転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)(4.7%) |
群馬県で土地を売却した理由第6位は「転勤・転職」でした。仕事で勤務地が変化することにより、今の家や土地を売って新しい住まいを求める人が多いようです。 |
7位離婚・別居 (4.7%) |
群馬県の離婚率は1.49(人口1,000人に対して:2022年)で、全国平均の1.42よりやや高いです。売却理由としては多くはありませんが、離婚の財産分与のために、土地を売却する人が一定数いるようです。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月30日
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、土地売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(40.2%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
実家で一人暮らしをしていた母が亡くなり、家と裏山を相続しました。家は賃貸に出すことにしたのですが、裏山は使い道がなかったので売却することに。売れるかどうか心配でしたが、地元での売却に強い不動産会社に依頼したところ、買い手を見つけてきてくれました。値段がどうこうよりも、無事に売れたのでよかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
相続で取得した家や土地の売却は買主にネガティブな印象を与えることはないので、そのまま事実を伝えても問題はありません。ただし、もし故人が室内で亡くなり、遺体の発見が遅れたようなケースでは事故物件として扱われる可能性があります。そのような場合は買主に対してどこでどのように亡くなったのかを告知する義務を負うため注意が必要です。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
2位(23.4%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
いずれ土地活用をしてみようと購入していた土地を売却しました。ちょうど周辺の土地が買った頃よりも高くなっているということだったからです。狭めの土地だったのですが、狭小住宅の建築が得意な工務店と連携している不動産会社に売却を依頼したことで、無事に家を建てたいという買主が見つかりました。この売却代金を元に、ほかの投資をしてみたいと思います。
〈買主への上手な伝え方〉
売り時だと判断して土地を売却する場合、「高く売れそうだから」と「これ以上下がらないうちに」という2つのケースがあります。どちらもそのまま買主に伝えてしまうと、心証を悪くしかねません。単に「資産整理のため」などとしておくほうが無難だと言えるでしょう。
3位(15.0%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
三人目の子供が生まれたので、広い家に住み替えるために土地と家を売却することにしました。今の家は夫の実家を相続したもので、築年数が古く狭かったため、夫から言い出してくれて助かりました。土地と家の売却代金を頭金にしてローンを組み、もう少し郊外に広めの家を建てました。
〈買主への上手な伝え方〉
住み替えの理由はさまざまですが、買主に悪い影響がなく、かつネガティブなものでばなければ、そのまま売却理由を伝えても特に問題はありません。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
4位(6.5%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
リモートワークをする社員が多くなり、それほど駐車場を使わなくなったので、会社で駐車場として使っていた土地を売却しました。ちょうど経営が苦しかったので、事業資金を補填する意味もありました。思っていたよりも高く売れたので、とりあえずこれで何とか凌げそうだと安心しています。
〈買主への上手な伝え方〉
まとまったお金が急に必要になった、、事業の資金繰りが苦しい、住宅ローンの返済が厳しくなったなど、買主にとって関係のない事情による売却の場合は、正直に理由を伝える必要はありません。売り急いでいると思われて相場よりも安い価格を提示される可能性もあるので、「住み替え」「資産の買い替え」など、無難な理由に言い換えるようにしましょう。
5位(5.6%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
ずっと半分趣味で農業をしていたのですが、さすがにつらくなってきたので売却して老後の資金の足しにすることを決めました。住宅地にある畑だったので宅地として売れるということで、不動産会社の人がいろいろなところに連絡をしたり行政書士さんを紹介してくれたりして手配してくれました。おかげさまで無事に売却でき、とても感謝しています。
〈買主への上手な伝え方〉
特に売り急ぐ必要はないものの、何らかの理由によってまとまった金額が必要となったために土地の売却を考える方もいます。ただし金銭的な利用のための売却は個人的な事情にあたることから、買主にそのまま伝えなくても問題ありません。「住み替えのため」や「資産整理のため」などと言葉を濁して伝えましょう。
6位(4.7%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
関西方面への転勤が決まったので、やむなく家と土地を売って引っ越しをすることにしました。東京ならまだ何とかなると思うのですが、さすがに関西は遠く、またこちらに戻ってこれるかどうかもわからないので、あきらめました。幸い、先に会社の社宅に移り住んでからじっくりと売ることができたのでよかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤や転職に伴う売却も一般的な理由に該当するため、そのまま伝えても大丈夫です。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
7位(4.7%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
いろいろと揉めに揉めましたが、離婚が成立したので家と所有していた土地を売って財産分与することになりました。あまり売りたくなかったのですが、妻に支払う分を現金で用意することができず、かといって家も絶対に渡したくなかったので、使っていない土地を売却することに決めた次第です。これで関係が切れると思うとすっきりとしました。
〈買主への上手な伝え方〉
離婚による不動産の売却はそれほど珍しいことではなくなりましたが、まだ縁起が悪いと敬遠する人がいるもの事実です。売却理由を聞かれた際は、買主に影響がなければ正直に伝える必要はありません。「資産整理のため」などと、無難な理由に置き換えて伝えれば良いでしょう。
離婚による売却については、「【離婚×不動産売却まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説 」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 群馬県の土地の売却理由は「相続関連」が1位という結果だった
- 32年ぶりに地価が上昇したことで、上昇した今が売り時だと判断し、土地の売却に踏み切る人が増えてきている
- ライフステージの変化によって、住み替えを行う人も多い