兵庫県の「土地を売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
兵庫県の「土地の売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「兵庫県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
土地を売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
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1位 売り時だと思ったから(40.3%) |
「令和5年地価調査」によると、兵庫県の住宅地の地価は平成20年ぶりに上昇しました。特に、阪神間や神戸市東部は、その高い交通利便性等から需要が根強く、供給が不足気味であることにより、上昇率の拡大傾向が続いています。このような背景から、地価が上昇している今が売り時だと判断して、土地を売却する人もいるようです。 |
2位相続関連 (31.8%) |
第2位にランクインしたのは、相続関連で土地を売却したという回答です。 相続したものの利用する予定がない場合は、所有していてもランニングコストがかかるため売りに出す人が多くいます。 |
3位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて) (8.5%) |
子供の進学や家族の定年退職など、ライフステージの変化により、今の家や土地を売却して住み替える人も多くいます。 |
4位その他 (6.7%) |
そのほかの売却理由として、「老人ホームへ入居するため、今まで住んでいた自宅と土地が不要になった」「親の介護のためにまとまった現金が必要になった」「老後を考えて資産整理を行うことにした」といった回答が寄せられました。 |
5位ローンの返済苦など金銭的な理由 (5.5%) |
思わぬ事態によりローンの返済が困難になった、事業の資金繰りや家計が厳しいなど、金銭的な理由で土地を売却するというケースもあります。 |
6位
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兵庫県の離婚率は1.46(人口1,000人に対して:2022年)で、全国平均の1.42よりやや高くなっており、離婚により土地を売却する人が一定数いるようです。 |
7位転勤・転職(仕事や勤務地の変化など) (3.5%) |
兵庫県で土地を売却した理由として、「転勤・転職」は比較的少ないという結果でした。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月30日
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、土地売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(40.3%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
投資用に購入していた土地を売却しました。父が不動産投資を勧めてくれて、以前、神戸市内の土地を購入しました。しかし、先日父が他界し、いつ、この投資用の不動産を売るのが良いのか検討がつかなくなったので、地価が上昇している今、売却することを決めました。父の言った通り、購入当初よりもかなり高い値段で売却することができたので、投資して良かったなと思います。
〈買主への上手な伝え方〉
高く売れる時に売りたいと思うことは売主の当然の希望としてあるため、買主に尋ねられればそのままを伝えても問題はないでしょう。
しかし、それによって買主に特別な良い影響が与えられるということもないため、単に「住み替えです」と濁しても良いかもしれません。
2位(31.8%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
親から相続した農地を売却しました。農地の売却について全く知らず、とりあえず宅地として売ろうと思っていたのですが、農地を宅地として売るには様々な手続きを踏まないといけないことを知り、どうしたものかと途方に暮れていました。結局、農地として買い手を探すことに。1年ほどかかりましたが、近隣で購入してくれる人が見つかり、売却することができました。
〈買主への上手な伝え方〉
農地の売却は、むずかしいことが多いです。そのまま農地として売るだけでなく、場所によっては宅地に転用してから売れることもありますが、さまざまな手続きが必要です。農地の売却実績がある不動産会社に依頼するほうが良いでしょう。
また、相続した農地を売却することはよくあるケースなので、買い手にはそのまま伝えても問題はありません。
3位(8.5%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
以前、マイホームを建てる際、勤務先に近い神戸市内に土地を購入して家を建てたかったのですが、神戸市内は地価が高く、予算を超えていたので、尼崎市の土地を選び、家を建てました。それから数十年が経ち、貯金も貯まってきたので、神戸市内へ住み替えすることを決断。住み替えたことで、勤務先までの移動時間が短縮されて、仕事の日でも家でゆっくりできる時間が増えました。
〈買主への上手な伝え方〉
住み替えは土地の売却理由としてはメジャーなため、買主にそのままを伝えても悪くとられる心配はないでしょう。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
4位(6.7%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
一人暮らしをしていた父親が老人ホームでお世話になることになり、父親から実家と土地の売却のサポートを頼まれました。希望通りの価格で売ることができ、入所時の費用に充てることができたので、良い売却ができたと思います。
〈買主への上手な伝え方〉
単身の方が老人ホームに入居するのに、それまで住んでいた家や土地を売却するケースが増えています。
また、老後のことや死後の家族のことを考えて資産整理を行う方も増えてきているようです。そのまま伝えても問題ありませんが、住み替えとだけ伝えても良いでしょう。
5位(5.5%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
思わぬことで体を壊してしまい、ローンの返済が苦しくなったので家と土地を売却しました。不動産会社に査定を依頼したところ、アンダーローンであることがわかり、売却活動を始めました。それから約3ヵ月後、無事に買い手が見つかり、売却することができました。ローンの返済が滞る前に売却できてよかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
体調不良などの諸事情によって今まで通り働けなくなり、月々のローン返済が難しくなってしまうこともあります。そのような金銭的な理由で土地を売却する際、買主の購入に影響を与えないのであれば、特に売却理由を詳しく伝える必要はありません。
もし買主から売却理由を聞かれたら、「住み替えのため」と答えを濁しても問題ないでしょう。
6位(3.7%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
夫と年々価値観が合わなくなり、すれ違うことが増えたことが原因で離婚することになりました。結婚当初、地元の明石市にいつかマイホームを建てようと土地を購入していたのですが、不要になったので売却することに。相場ほどの価格で売却することができたので、離婚後の資金に少しゆとりを持てました。
〈買主への上手な伝え方〉
離婚・別居といったネガティブな理由は、たとえその土地自体になんの禍根もなくても、買主にとっては心理的に歓迎しかねるものです。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害 ・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
離婚による不動産の売却については、「【離婚×不動産売却まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説」でくわしく説明しています。
7位(3.5%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
東京の会社に転職することになったので、神戸市内の家と土地を売却することにしました。ずっと新卒から同じ職場でお世話になっていたのですが、キャリアアップを目指し、転職を決意。そこから転職活動を始め、新卒の時に第一希望だったところにダメ元で応募したところ、採用されました。引っ越しまであまり時間がなく、買い手が見つかるか不安でしたが、ありがたいことに買い手がつき、無事売却することができました。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤や転職にによって土地を売却する方は、マンションや戸建てと違い、あまりメジャーではありませんが、一定数いらっしゃいます。転勤や転職による土地の売却は、買主に悪い印象を与えることはないため、そのまま伝えても問題ないでしょう。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 兵庫県の土地の売却理由で最も多かったのは、「売り時だと思ったから」という結果だった
- 地価の上昇により、売り時だと判断して土地を売却する人が増えてきている
- 相続した実家や土地を売却する方も増えてきている