岡山県の「戸建てを売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
岡山県の「戸建ての売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「岡山県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
戸建てを売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて) (27.1%) |
岡山県における戸建て売却理由の第1位は「住み替え」です。「子どもの成長に伴い住環境を変えるため」や「通勤時間を短縮するため」など、生活スタイル変更を理由とした声が多く聞かれました。 |
2位 売り時だと思ったから (18.7%) |
「令和5年地価公示の概要」によると、岡山県の住宅地の平均変動率は0.4%と、前年の-0.3%から上昇へ転じています。岡山市北区では駅前の大規模再開発が進行中ということもあり、今後も売り時とみて戸建ての売却に踏み切るケースも多くなると考えられます。 |
3位 離婚・別居 (18.1%) |
「101の指標からみた岡山県」によると、岡山県の女性就業率は47.7%で全国平均の46.5%よりも高いです。自立して生活ができる女性が多い背景から離婚という決断をしやすくなり、戸建て売却理由のランキング上位になったと考えられます。 |
4位 相続関連(11.0%) |
親が亡くなり実家を相続したものの、すでにマイホームがあるため住む予定がない。または、複数の相続人がいるので家を売って売却額を分けるなどの理由により、相続した家を売却するケースが多いようです。 |
5位転勤・転職(仕事や勤務地の変化など) (10.3%) |
転勤が決まった場合、自宅は「売却する」「賃貸に出す」「空き家のままにする」が考えられます。所有し続けるとなると、転勤中も住宅ローンや税金、維持管理費が発生するため、精神的にも楽だと言える売却を選択する方は少なくないようです。 |
6位 ローンの返済苦など金銭的な理由 (9.0%) |
戸建てを購入する場合、ローンを組む人も多いです。しかし、ローンは返済期間が長期にわたるため、諸事情により返済が困難となるケースもあります。そのため、ローンの返済苦のため家を手放すと言う決断をする方もいるようです。 |
7位 その他 (5.8%) |
2022年12月に厚生労働省から発表された「令和2年都道府県別生命表」で、岡山県の平均寿命は女性が88.29歳と「全国1位」、男性は81.90歳で「全国10位」と上位にランクインしています。しかし、岡山県は健康寿命が短いと言われています。そのため、介護施設への入居などを理由に家を売却する方も一定数いるようです。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、戸建て売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(27.1%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
夫婦でつくりあげた注文住宅で、思い入れもあった家でしたが、育児するには不便な部分が多く売却して住み替えることを決めました。築浅で物件としては良かったと思うのですが、土地が安い地域だったため、価格を高くはできませんでした。しかし家を気に入って購入したいと言ってくれた方がいて、その人に買ってもらいたく契約となりました。大切にしてもらえると嬉しいです。
〈買主への上手な伝え方〉
子供の成長に合わせ住み替えることは、前向きなイメージを与えます。買主にはそのままの理由を伝えて問題ありません。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
2位(18.7%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
戸建ての売却を迷っていたときに、不動産会社に「北区の地価が上がってきている」とアドバイスを受けたので売却を決めました。いざ売りに出してみると、予想以上に良い条件の買主さんが見つかり売却することができました。「今が売り時」のタイミングで売却できたので大変満足しています。
〈買主への上手な伝え方〉
所有している戸建てを高く売りたいと思う方は多くいます。しかし、買主からすると「買い時」とは言い難いため、単なる「住み替え」などと言い換えて伝えることをおすすめします。
3位(18.1%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
別居中の元夫が所有していた戸建てに私一人で住んでいたのですが、正式に離婚が決まったので処分することにしました。訳あって夫は売買契約できる状態ではなかったため、承諾を得て私が手続きをしました。 内覧で来た3人家族が非常に気に入ってくれ買ってくれることになったため、契約もスムーズに進みました。無事に終わり安心しました。
〈買主への上手な伝え方〉
離婚に伴う戸建て売却は、買主にはあまり良いイメージを与えません。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。「住み替え」などと濁して伝えるほうが良いでしょう。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
離婚による売却については、「【離婚×不動産売却まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説 」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
4位(11.0%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
両親の死去により、二人が住んでいた家を相続しました。しかし、今の家の方が利便性が良いので引っ越すつもりもなく、賃貸することも考えましたが、管理や税金など考えると労力が大きすぎると判断し売却を決断しました。売却活動する中で、実家の隣の方の子供夫婦が物件に興味があり購入希望であることが分かり、そのご夫婦に売却することが決まりました。欲しいと思ってくれる方に買って貰えて嬉しかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
相続した家を保有し続けるには、維持・管理費、税金などの負担がかかるため、売却を決断をすることは珍しくありません。心証を悪くすることはないため、買主には正直に伝えても良いでしょう。
5位(10.3%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
転勤で県外に引越しすることになり戸建ての売却をしました。古い家なので室内の壁の一部にヒビが入っており、リフォームしなければ売却は難しいかと思っていました。しかし現状のまま購入してくれる買い主さんがいて、引渡しまで短期間で進めることができました。不動産会社さんの交渉が上手だったのだと思われます。大変良くして頂きありがとうございました。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤や転職などによる売却も一般的な理由なので、買主にそのまま伝えても問題ないでしょう。しかし、家自体にトラブルになる要因がある場合は、隠すことなく不動産会社に相談しましょう。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
6位(9.0%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
今後の住宅ローンの支払いが不安になったことと、銀行の対応に不信感があり売却することにしました。売り出して直ぐに良い方に買っていただくことになり、気が楽になりました。銀行との面倒なやり取りもなくなり、数年来の悩みが消えました。
〈買主への上手な伝え方〉
金銭的な事情による売却は個人的な問題です。買主にとっては不要な情報のため、通常の住み替えと伝えだけで良いでしょう。
7位(5.8%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
親が認知症を発症したため、介護施設へ入居することになり、不要になった戸建てを売却しました。土地の相場は調べて大体把握していましたし、築50年超なので建物の価値もほとんどないと思っていたのであまり売却価格には拘りませんでした。売却できた安心感の方が強く、安堵しております。
〈買主への上手な伝え方〉
介護施設への入居で、空き家となる実家を売却するケースも少なくありません。買い主にはそのまま伝えるか、資産整理と伝えれば充分でしょう。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 岡山県は他都道府県よりも離婚による戸建ての売却が多く、売却理由として3位という結果だった
- 岡山県の平均寿命は女性が「全国1位」、男性は「全国10位」となっており、今後も相続による売却が増えると考えられる