岡山県の「土地を売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
岡山県の「土地の売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「岡山県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
土地を売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 相続関連(33.6%) |
岡山県の土地の売却理由第1位は「相続関連」でした。相続人が複数いる場合は、土地などの不動産を相続しても物理的に分割することは不可能なため、売却して遺産を分配しやすくする傾向にあります。 |
2位売り時だと思ったから(31.8%) |
「令和5年地価公示の概要」によると、岡山県の住宅地の平均変動率は0.4%と、前年の-0.3%から上昇へ転じています。岡山市北区では駅前の大規模再開発が進行中ということもあり、今後も売り時とみて土地の売却に踏み切るケースも多くなると考えられます。 |
3位 ローンの返済苦など金銭的な理由 (8.4%) |
第3位は金銭的な理由で土地を売却するという理由でした。何らかの事情により経済状況が厳しくなったため、土地を売りに出したという人が約8%強を占めています。 |
4位その他(7.5%) |
2022年12月に厚生労働省から発表された「令和2年都道府県別生命表」で、岡山県の平均寿命は女性が88.29歳と「全国1位」、男性は81.90歳で「全国10位」と上位にランクインしています。しかし、岡山県は健康寿命が短いと言われています。そのため、介護施設への入居などを理由に土地を売却する方も一定数いるようです。 |
5位離婚・別居(6.5%) |
「101の指標からみた岡山県」によると、岡山県の女性就業率は47.7%で全国平均の46.5%よりも高いです。自立して生活ができる女性が多い背景から離婚という決断をしやすくなっているのかもしれません。 |
6位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)(6.5%) |
岡山県における土地売却理由の第6位は「住み替え」でした。ライフスタイルの変化がきっかけで売却を検討される方が多いようです。 |
7位転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)(5.6%) |
転勤・転職が決まり、その土地を離れる場合は、不動産の固定資産税、維持管理費等の負担から逃れるため、売却を選択する方は少なくないようです。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月30日
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、土地売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(33.6%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
実家が空き家になり引き継いだものの、立地が悪く、今後残しておいても、負の遺産になり得るため、売却に動きました。買い手が付くか不安でしたが、見つかったとの連絡を受けた時は嬉しかったです。売却価格は二束三文だろうと思っていたので、値段が付いただけでも良かったです。
〈買主への上手な伝え方〉
資産価値が低くく、所有しているだけで金銭的な負担が発生する不動産は「負動産」と呼ばれることもあります。しかし、買い主からしてみれば購入するだけ魅力のあるものなので、心証の悪くなるようなことは言わず、ただの「相続した不動産の整理です」と伝えましょう。
2位(31.8%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
古いアパートを持っていたのですが、建物の老朽化が進んで借り手もすべていなくなり、今後どうしようかと考えていたところ、岡山の地価が上がり出したということを聞きました。これは予想していなかったため、ラッキーだと思い売却を決断しました。建物を解体後、土地として売却活動をスタートさせましたが、とんとん拍子で売買完了に至りました。
〈買主への上手な伝え方〉
立地条件が良い土地は、高く売れやすいことが多く、買い手が見つかりやすいです。このような場合は、単に「資産整理」であると買い手に伝えれば良いでしょう。
3位(8.4%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
長引く不況や物価高騰の影響でボーナスがカットされ、ローン返済が難しくなりなりました。仕方なく、土地と家を仕方なく手放すことにしました。幸いなことに、土地付き建物の需要が増しているらしく、買い手もすぐ見つけることができました。不安が解消され、良かったです。
〈買主への上手な伝え方〉
金銭的な理由で土地を売却する場合は、少しでも早く現金化したいと思う方もいるでしょう。しかし、売却を急ぐ場合は、足元を見られ相場よりも安くなることもあるので注意が必要です。ただ、個人的な理由なので買い手への申告義務はありません。「住み替え」などと伝えておきましょう。
4位(7.5%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
叔母が高齢になり、もう一人暮らしでは不安だということで、施設に入居することになりました。住んでいた家は古家だったこともあり、建物付きの土地で売り出すことにしました。すぐに決まった買主のご夫婦は、もうすぐ第2子が生まれるということで、希望に満ち溢れていました。大事にしていた土地を引き継いで貰えて嬉しかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
介護施設などに入所する場合は、介護費用を捻出するために家や土地を売却することは珍しくありません。正直に伝えたとしても悪く思われることはまずないでしょう。気になる場合は「住み替え」と伝えても良いです。
5位(6.5%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
性格の不一致から離婚することになり、資産運用で購入していた土地も手放すことになりました。まだ活用前だったのですが、整形地にしていたので、売り出し後は反響も良く、短期間で売却することができました。
〈買主への上手な伝え方〉
離婚を理由とする売却は少なくありません。 しかし、離婚はマイナスイメージを買主に与える可能性が高いため、「利用しない土地」であるとだけ伝えておきましょう。
離婚による売却については、「【離婚×不動産売却まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説 」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
6位(6.5%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
築50年以上の実家は段差のあるところが多く、年老いた両親には生活し辛い場所になっていました。そこで、私の住むマンションで同居する事にしました。そのため、住んでいた家を壊し、更地にした上で売却する事になりました。比較的スムーズに契約まで進み、金額的にも希望額に近く満足してます。
〈買主への上手な伝え方〉
昔の家屋は段差が多く、高齢者にとっては住み辛い環境のことが多いです。より良い環境を求めて住み替えすることは良くあることですので、「同居のため住み替え」と素直に伝えて良いでしょう。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
7位(5.6%)転勤・転職(仕事や勤務先の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
同居する子どもが山口県に転勤が決まったため、家と土地を売却することになりました。主人が他界し、女手一つで3人の子どもを育ててきたこの家を手放すのは辛かったですが、小さなお子さんのいる家族に購入が決まった時は正直、嬉しかったです。私も新天地での生活を楽しむことにします。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤や転職で遠方に行くことになると、今まで住んでいた土地に戻らない場合も多いです。所有している土地や建物を売却するのは珍しいことではないため、買主にはそのままの事情を伝えましょう。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 岡山県の土地の売却理由で最も多かったのは「相続関連」という結果だった
- 岡山県の住宅地の平均変動率は0.4%と、前年の-0.3%から上昇へ転じているため、上昇しているうちに売っておこうと判断するケースも多い
- ローンの返済苦など金銭的な理由で、土地の売却に踏み切る人も一定数見受けられる