滋賀県の「戸建てを売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、併せて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
滋賀県の「戸建ての売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「滋賀県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
戸建てを売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて) (27.9%) |
警察庁「自主返納件数の都道府県別・月別の推移(令和4年)」によると、滋賀県では約4900件の免許証の自主返納がありました。車の必要な田舎から交通機関の発達した都会に利便性を求めて転居する方も多くいるようです。 |
2位 売り時だと思ったから(20.5%) |
家を売却するときには、「経済状況、市況、物件の状態、ローン金利、季節」などを鑑みて、売り時だと判断して売却に踏み出す方も多いです。 |
3位 転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)(17.2%) |
「滋賀県推計人口の概要 」によると、令和4年(2022年)10月から1年間に滋賀県から県外へ転出した方の数は、約3万7千人です。人事異動に併せて他県へ転居し、現在住んでいる戸建てを売却する方も多く見受けられます。 |
4位 離婚・別居(11.5%) |
「人口動態調査」によると滋賀県の離婚率は1.34(人口千対:2022年)です。全国平均は1.42なので、やや少ないことが分かります。しかし、離婚に踏み切った夫婦の場合、持ち家を売却して新たに人生を再スタートさせる方も少なくないようです。 |
5位ローンの返済苦など金銭的な理由 (9.8%) |
住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローン残高は2022年度に約216兆円と過去最多を記録したとのことです。このことから、今後もローン返済などの金銭的な理由により、戸建てを売却する方は一定数見受けられます。 |
6位 相続関連(9.0%) |
戸建てなどの不動産を相続した場合、物理的に分割して分配するのが難しいため、相続人が複数いる場合には、売却することで遺産を分配しやすくする傾向にあります。 |
7位 その他 (4.1%) |
第7位は「その他」という結果でした。「家族の介護」、「自身の病気」、「近所でのトラブル」などの声も見受けられました。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、戸建て売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(27.9%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
私は独り身で頼れる親族も近くにはいないため、老後を快適に過ごしたく、都会に住み替えることにしました。売却した家は意外にも短期間で買い手が付きびっくりしましたが、安心してこれからの生活を楽しめそうです。
〈買主への上手な伝え方〉
老後の生活を快適に過ごすため、都市部へ住み替えるのは良くあるケースです。そのまま「住み替えです」と買主に伝えても問題ありません。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
2位(20.5%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
子どもたちが独立し、自分も古稀を過ぎたので、20年前に購入した家の築年数から考えても売却のタイミングだと思いました。売却後に不具合が頻発し、その対応と出費に追われる事が心配だったため、住宅検査を受けることで不安を解消し、自信を持って売りに出せました。買い主が第一印象で気に入ってくれたのが、何よりも嬉しかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
建物の状態を見てそろそろ戸建て売却のタイミングだと捉える方も多くいます。ただし、買主からしてみると嬉しい内容ではないため、「住み替え」と濁して伝えても良いでしょう。
3位(17.2%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
勤務先の事業所が閉鎖され、別の事業所に転勤となり、距離的に通勤することが出来ないので家を売却することにしました。購入希望者もすぐに見つかり、スムーズに話を進められました。また、査定額が売却金額から大きく下がることもなく、値引きもほとんどないまま売却出来たためとても良かったです。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤で遠方に転居する場合、そのまま転居先に移住される方は多くいます。イメージは悪くないため、買主には「転勤で」とそのまま伝えても良いでしょう。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
4位(11.5%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
妻の不貞により離婚することになりました。そして財産分与の対象である築18年の戸建ても売りに出すことにしました。一般の仲介で売却を考えていましたが、直ぐにでも清算したかったため、不動産会社へ買い取って貰うことにしました。余計な時間と手間を掛けずに済み良かったです。これから再出発します。
〈買主への上手な伝え方〉
離婚と言うネガティブな理由は、買主には良いイメージを与えません。
プライベートな理由のため、買主には単なる住み替えや買い替えと伝えても、特に問題はないでしょう。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。「住み替え」などと濁して伝えるほうが良いでしょう。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
離婚による売却については、「【離婚×不動産まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
5位(9.8%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
売却しようと思ったのは、ローンの返済が厳しくなってきたからです。リフォームせず現状のまま売却したかったので、少しは値引きもしましたが、新居の購入資金も確保でき、持ち出しなく済んで安心しました。
〈買主への上手な伝え方〉
経済状況は回復の兆しを見せているものの、中小企業ではまだ経営が苦しいところもあるようです。しかし、個人的な事情を買主に伝える必要はないので、買主には単なる「住み替え」であると伝えておきましょう。
6位(9.0%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
実家を相続したものの、交通が不便で誰も居住していなかったこと、建物が老朽化してきたことを理由に家を売りました。一年以内に売却できれば良しと考えていましたが、それより早く買い手がつき、立地があまり良くなかった割には売却価格も満足できるものとなりました。
〈買主への上手な伝え方〉
相続で取得した戸建ての売却は珍しいことではありません。買主には普通に「相続した家の売却」と伝えて問題ないでしょう。
7位(4.1%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
私は昔から退職後にはキャンピングカーで日本一周の旅をするという夢を持っていました。定年まで後3年という時期に、早期退職を実現させられることの目処がついたので、住んでいた戸建てを売却する事にしました。 そして、家電家具をどうしようかと考えていた時、不動産会社さんに家電家具付きでの販売を勧められました。駅から近いこともあって、あっと言う間に売却が完了しました。これからは第二の人生楽しみます。
〈買主への上手な伝え方〉
定年後の隠居生活に向けて戸建てを売却し、ゆとりのあるセカンドライフを送りたいと思われる方もいるようです。とても前向きなイメージを与えるため、買主にはそのまま伝えるか、資産整理でも問題ないでしょう。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 滋賀県では、住み替えによる戸建ての売却が最も多いという結果だった
- 滋賀県では、「堅実、散財しない」などの県民性から離婚率が低めで、離婚による売却の割合も比較的少ない