病気になり長期入院しなければなりません…
今後の住宅ローンの支払いをどうすればいいのでしょうか?
何かいい方法があれば教えていただきたいです。
こちらは、イクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
※イクラ不動産は不動産会社ではなく、無料&匿名で不動産の相談・会社選び・査定ができるサービスです。
病気やケガなどで治療が長びくと、住宅ローンを払えなくなってしまうリスクが高まります。
そのような場合、団体信用生命保険やあなた自身が加入している医療保険などで対応できる場合があるため、まず確認をしてみましょう。
こちらでは、病気やケガで住宅ローンを払えなくなったときの対処方法についてわかりやすく説明します。
もくじ
1.団体信用生命保険を利用する
病気やけがで住宅ローンを返せなくなったとき、まずはローンを組んだときに加入している「団体信用生命保険(だんたいしんようせいめいほけん)」の利用を検討しましょう。
1-1.死亡または高度障害の場合は団体信用生命保険が利用できる
団体信用生命保険(団信:だんしん)とは、住宅ローンを借りるときに加入する生命保険です。
住宅ローンの借入期間は長く、その間に何が起こるかわかりません。高額な資金を貸し付けて、途中で死亡されては金融機関に大損害が発生します。
そこで多くの金融機関は、住宅ローン貸付をする際、ローンの契約者を団体信用生命保険に加入させます。
団体信用生命保険は生命保険の一種ですので、適用されるのは基本的に「死亡」または「高度障害」になってしまった場合です。高度障害状態とは、病気やけがにより身体機能が重度に低下している状態をいいます。
団体信用生命保険では、以下の7つの状態を指します。
- 両眼の視力を全く永久に失ったもの
- 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
- 中枢神経系、精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
- 両上肢とも手関節以上で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの
- 両下肢とも足関節以上で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの
- 1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの
- 1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの
契約者が死亡、またはこれらの高度障害になったときは、保険からその時点で残っている住宅ローンの残額が全額支払われるので、家族はそのまま家に住み続けることができます。
代位弁済とは、保証会社があなたに代わって、残っている住宅ローン全額を立て替えて銀行に支払うことです。
この代位弁済が行われると、債権者(お金を貸している側)が銀行から保証協会に切り替わるので、団体信用生命保険は解約され無効になってしまいます。
住宅ローンをすでに滞納している方は、必ず確認してください。
1-2.癌(がん)など高度障害に当てはまらない病気やけがの場合は?
癌(がん)などの高度障害に当てはまらない病気になった場合や、ケガをした場合はどうでしょうか。
1-2-1.団体信用生命保険に特約をつけていないか確認する
団体信用生命保険に、3大疾病や7大疾病などの特約をつけている場合、病気にも適用される可能性があります。
通常、3大疾病は「癌(がん)、心筋梗塞、脳卒中」、7大疾病は「癌(がん)、心筋梗塞、脳卒中、腎不全、糖尿病、肝硬変、高血圧」です。
その他、8大疾病は、7大疾病に慢性膵炎(まんせいすいえん)を加えたもの、9大疾病は、8大疾病にウイルス肝炎を加えたもの、11疾病団信(生活習慣病団信)などもあります。
これらに該当する病気になった場合、あなたの加入している団体信用生命保険にこうした疾病特約などがついていないか確認しましょう。
ただ、このような疾病保障付き住宅ローンに入っていない場合は、保障されないため、治療費と住宅ローンの支払いが重荷になります。
1-2-2.債務返済支援保険に加入していないか確認する
債務返済支援保険(住宅ローン返済支援保険)とは、30日を超える病気やけがによって働けない状態になったときに、最長3年間、毎月の住宅ローンの返済額を補償してくれる保険になります。
この債務返済支援保険は、団体信用生命保険ではなく住宅ローンを借りた金融機関を通じて損害保険会社に申し込んでいる保険です。
病気やけがで入院した場合または、医師の指示による自宅療養の場合も補償されますので、加入していないか確認してみましょう。
2.医療保険を利用する
団体信用生命保険に疾病特約をつけていなかった場合や、債務返済支援保険に加入していなかった場合には、あなたが加入している「医療保険」を見直してみましょう。医療保険は、病気になって入院や通院をしたときに給付を受けられる保険です。
例えば、癌(がん)保険の場合、癌(がん)と診断された時点で一時金が給付されたり、入院1日について〇〇円などの給付を受けられたりします。一時金の給付を受けられたら、そのお金でしばらく住宅ローンを払えるでしょう。
保険金は自分から申請しないと受け取れません。病気になったら加入している保険内容をしっかり確認して、受け取れるお金はしっかり受けとりましょう。
3.労災保険や健康保険の給付制度を利用する
業務中や通勤途中に事故に遭ってけがをした場合や、業務に起因して病気になった場合には「労災保険」を利用できます。
労災保険が適用されると給料の8割程度の「休業補償給付(きゅうぎょうほしょうきゅうふ)」という給付金を受けとることができますし、治療費は全額労災保険が負担してくれます。それだけあれば、当面住宅ローンの返済を続けられる可能性が高いです。
労災保険は労働基準監督署に申請をしないと受けとれないので、早めに請求をしましょう。
また、病気の原因が労働災害ではない場合、健康保険の「傷病手当金(しょうびょうてあてきん)」というお金を受けとることも可能です。傷病手当金とは、健康保険に加入していた人が病気やけがで働けなくなったときに受けとれる給付金です。
金額は、従前の給与額の66%程度となり、支給期間は最長で1年半です。これを受けとることによって住宅ローン返済を継続していける可能性もあるので、忘れずに申請しましょう。申請先は、加入していた健康保険組合や協会けんぽです。
4.金融機関にリスケの相談をする
上記のような方法を使っても住宅ローンの返済がどうしても苦しい場合、金融機関に「リスケジュール」の相談をしましょう。
リスケジュール(リスケ)とは、住宅ローンの返済方法を変更し、返済計画を再設定することです。
状況を相談して理解してもらえれば、
- 1年間は利息の支払いだけにしてもらう
- 返済期間延長(5~10年)をしてもらう
など条件を見直してくれるケースがあります。
ただし、住宅ローンを滞納してしまうと応じてくれなくなる可能性が高まりますので、すぐに相談しましょう。
5.お家を売却する
ここまで紹介したどの方法も利用できない方もおられます。例えば、個人事業主の場合、労災適用外ですし、健康保険の傷病手当金の支給も受けられません。
また、何とか住宅ローンを返していくことはできても、そのために生活を切り詰めなければならないのは苦しいので、根本的に住宅ローンから解放されたい方もおられます。
特に近年は癌(がん)を発症し、今までの生活が一変し、困難な状況に陥ることも少なくありません。先述した通り、疾病保障付き住宅ローンや癌(がん)保険に入っていなければ、収入減の中、残された家族は住宅ローンの支払いと治療費のダブル出費が続くからです。
その場合、お家を売却することで、問題を解決できます。ここで問題となってくるのが、残っている住宅ローンの金額がお家の売却価格を上回っているのか下回っているのかということです。
5-1.アンダーローンの場合は、通常の売却
アンダーローンとは、残っている住宅ローンの金額がお家の売却価格を下回っている状態のことです。
この場合、通常通りにお家を売却すれば、売却代金で住宅ローンを完済できるので、住宅ローンから解放されます。
「住宅ローンが残っている家(マンション・一戸建て)を売る方法」も併せてご覧ください。
5-2.オーバーローンの場合は、任意売却
反対にオーバーローンとは、残っている住宅ローンの金額がお家の売却価格を上回っている状態のことです。
この場合、お家を売却しても住宅ローンを完済することができませんので、基本的に売却することはできません。
そこで、金融機関の合意を得ることにより、オーバーローンの場合でも売却できるようになるのが任意売却(にんいばいきゃく)という方法です。任意売却する際は、不動産会社があなたと金融機関の間に入って交渉をしてくれます。
ただし、任意売却は、通常の売却方法とは異なり、金融機関との交渉やタイムリミットがあるため、不動産会社にとっても非常に難しいのが現状です。
任意売却後に返済できなかった住宅ローンについては、今後も支払っていかなければなりません。そのため、住宅ローンの残高を少しでも減らすために、お家を1円でも高く売ってくれる不動産会社に売却を依頼できるかどうかが重要になります。
まとめ
病気や怪我などで住宅ローンの返済が厳しくなった場合は、ローンを組む際に加入した各種の保険をまず確認してみましょう。
保険が適用できない場合や入院がそれほど長引かないような場合は、住宅ローンを組んでいる金融機関に相談するのも一つの手です。
ただし、長期的に住宅ローンの返済が苦しくなりそうであれば、思い切って任意売却を使って家の売却を考えてみても良いかもしれません。
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