住宅ローンの返済がつらい理由とその対処方法についてまとめた

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住宅ローンの返済がつらい理由とその対処方法についてまとめた

今の家のローンが正直つらいです…
あと18年もあるのですが、今後どうしたらいいのでしょうか?

こちらは、イクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
※イクラ不動産は不動産会社ではなく、無料&匿名で不動産の相談・会社選び・査定ができるサービスです。

住宅ローンでお家を購入した場合、最初は良くてもだんだんと「返済がつらい…」と感じる方は少なくありません。ただし、住宅ローンを黙って滞納してしまうことは絶対にやめましょう。

こちらでは、なぜ住宅ローンの返済がつらくなるのか、つらくなってしまった場合どうしたらよいのかについてわかりやすく説明します。

1.住宅ローンの返済がつらい理由

住宅ローンを使うと手元に現金がなくても高額なお家を購入できますが、その後「返済がつらい」と感じる人はとても多いですし、実際に支払いができなくなってしまう人もいます。

どうして住宅ローン返済がつらくなってしまうのでしょうか。

1-1.無理をして借りている

一番の大きな理由は「もともと無理をして住宅ローンを借りている」からです。

安定した職業についていて、最低限の給料が継続的にもらえているなら、銀行は住宅ローンを貸してくれますが、無理をして借りても結局は支払いがつらくなります。

1-2.ボーナス払い

住宅ローンを利用するとき、ボーナス払いを設定していることも理由の1つです。ボーナス払いとは、通常の毎月返済金額を抑える代わりにボーナス月の支払い額を多くする返済方法です。

確かにボーナス払いを利用すると、月々の手取りが少ない方でも返済しやすいように思えます。

しかし、実際にボーナスが入ってくると、日頃の赤字を埋め合わせたり、気が大きくなってちょっと贅沢をしたり旅行に行ったりしてしまい、出費も増えてしまうものです。すると、結局は住宅ローンに充てるお金がなくなり、支払いがつらくなります。

また、公務員などでボーナスが確実に出る方は良いですが、出なくなる可能性のある人は、出なくなったときに支払えなくなるリスクが高くなります。

1-3.返済途中で事情が変わった

住宅ローンの返済期間は30年以上になることもあり、非常に長いです。その間にどのような状況の変化があるか現時点では予想がつきません。病気や怪我をして働けなくなることもありますし、リストラで失業する可能性もあります。

このように返済途中で事情が変わり、返済がつらくなってしまう方も多いのです。

2.つらくならない住宅ローン借入の金額は?

住宅ローン返済がつらくなるのは、そもそも「入ってくる収入に比べて返済金額が高すぎる」からです。つらくならないのはどの程度の借入額なのか、年収に比べた適切な借入額を確認しましょう。

2-1.返済比率(返済負担率)

住宅ローンと年収の適切な関係の指標として「返済比率(返済負担率)」があります。略されて「返比(へんぴ)」とも呼ばれます。

返済比率(返済負担率)とは、年収に対して年間の住宅ローン返済額が占める割合です。この場合の年収は、税金や健康保険料等を引いた手取り額で計算します。返済比率が高ければ高いほど、生活費など他に充てることができるお金が少なくなるので、支払えなくなるリスクが高くなります。

たとえば手取り500万円の人が年間150万円の住宅ローンを支払う場合、返済比率は30%となります。銀行でも住宅ローンの審査をするときに必ず返済比率の計算をしており、返済比率が一定以上高くなると、審査で落とし、住宅ローンを借りることができません。審査基準は金融機関にもよりますが、だいたい30~35%程度です。

ただ、「返済負担率が30%なら返済がつらくならない」という意味ではありません。銀行の審査基準である30~35%といった比率は、あくまでも借りられる額の上限ですので、実際は自分に合った返済比率を決めなければなりません。

家族の状況などにより、給料をあまりローンに回せないのであれば負担率が20%でもつらくなる可能性があります。なお、一般的に無理のない返済比率は20~25%と言われており、20%に収まるのが理想的です。

あくまでも目安ですので、返済負担率の数字だけではなく、自分たちの家計状況に応じて判断しましょう。

2-2.年収の5倍

住宅ローンと年収についてのもう1つの指標として「住宅ローンの借入金額は年収の約5倍」というものです。借りられる最大金額は「年収の約7倍」とされているので、約5倍程度であればつらくないということになります。たとえば、年収500万円の人なら2,500万円というのが1つの指標となります。

ただ、これもあくまで一般的な指標です。独身であまりお金を使わない方なら、多くのローンを借りても余裕がありますが、家族があり出費が多い人は同じ借入金額でも負担が大きくなってしまいます。

また、今は独身でお金がいらなくても、将来結婚して子供ができる可能性もあります。

このように、年収と住宅ローン借入額の関係については絶対な基準ではないので、参考程度に覚えておくのが良いでしょう。

3.住宅ローンの返済がつらくてもこれだけはダメ!

ローンの返済がつらいからといって、以下のことには注意が必要です。

3-1.新たに他から借り入れる

住宅ローンの返済がつらいからと言って、カードローンやキャッシング、教育ローンや自動車ローンなど、他から新たに借り入れるのは絶対にやめてください

そもそも、住宅ローンは、居住用住宅の購入促進を図っているため、他のローンと比べて金利がかなり安くなっています。そのため、他から借り入れてしまうとさらに支出が増えてしまうからです。

他からの借り入れは、あくまでもその場しのぎにしかならず、後からもっと返済がつらくなってしまうので絶対にやめましょう。

3-2.勝手に賃貸に出す

住宅ローンの返済がつらいけど、お家を手放したくないので、賃貸しようと考える方もいます。しかし、住宅ローン返済中のお家を賃貸に出すことは基本的にやめておきましょう。

そもそも、住宅ローンは「契約者本人やその家族が住む」という条件で借りているため、対象者となっている人以外が住むことは、契約違反となります。

金融機関によっては、違反を理由に「一括でローンを返済してほしい」と言うこともできるのです。

また、賃貸に出す場合は、アパートローンなどの不動産投資目的の融資へと切り替えなければならず、金利が高くなるので、今以上にローンの返済がつらくなってしまいます。

賃貸を検討している場合は、住宅ローンを借りている銀行に必ず相談しましょう。

Point
住宅金融支援機構もしくは旧住宅金融公庫の住宅ローンについては、再起支援借上げ制度(マイホーム借上げ制度)が利用できます。

このマイホーム借上げ制度では、一時的にお家を賃貸し、その家賃収入を住宅ローンの返済に充てることが認められています。

(参考:一般社団法人移住・住みかえ支援機構

3-3.買い替えは条件による

今よりも返済額が減る安い物件へ買い替えるのは、得策とは言えません。

お家を買い替えるには、不動産会社に支払う仲介手数料や登記費用、引越し費用といった諸費用がかかってくるからです。

決して安易に考えず、今のお家を売却したらいくらくらいになり、どのくらい諸費用がかかるのかきっちり把握した上で、検討しなければなりません

4.住宅ローンの返済がつらい時の対処方法

住宅ローン返済がつらくなったときの対処方法として、次のようなことがあげられます。

抵当権と住宅ローン

4-1.まずは金融機関に相談を

住宅ローンの返済がつらい時は、まず借りている金融機関(銀行)に必ず相談しましょう。各金融機関には、住宅ローンの返済について相談を受け付けてくれる窓口があります。

リストラや給料のカット、会社の倒産など、事情によっては返済期間の延長や1年間利息だけの支払いにしてくれるなどの救済措置を受けられるケースがあるからです。

そのため、住宅ローンの返済がつらい時はできるだけ早めに金融機関に相談しましょう。長く延滞してしまうと、せっかく受けられた救済措置が受けられなくなる可能性があるので注意が必要です。

4-2.家計の見直しをする

家計の見直しをするのも1つの手です。

家計の見直しは、まず固定費から行うのが基本です。固定費とは、毎月または毎年一定額の支払いが発生する費用のことで、住宅ローンはもちろんのこと、保険料や携帯代・インターネットなどの通信費、教育費などが含まれます。

保険の見直しや車を手放す、格安携帯への乗り換えなど、固定費は一度見直せば、その後繰り返し節約できるので、支出を大幅に抑えることができます。

4-3.住宅ローンを借り換える

今より金利が低くなったり、返済期間が長くなる住宅ローンに借り換えると、現状の返済を減らすことができる可能性があります。

ただし、住宅ローンの借り換えには、保証料や繰り上げ返済費用、登記費用など約30~80万円ほどかかります。

また、固定金利か変動金利かによっても金利や月々の返済額が大きく変わるので、銀行にシミュレーションしてもらい、判断しましょう。

目安としては、

  • 借り換え前と借り換え後で1%以上金利が低い
  • 住宅ローンの残高が1000万円以上ある
  • 返済期間が10年以上残っている

上記の条件に当てはまる場合は、借り換えがおすすめです。

4-4.賃貸に住み替える

今のお家をあきらめて、賃貸に住み替えるのも1つの方法です。

お家の売却価格より残っている住宅ローンの金額が下回っているアンダーローンの状態であれば、売却が可能です

アンダーローン

持ち家の場合、毎年、固定資産税の支払いやマンションの場合は管理費や修繕積立金、駐車場代などが毎月かかってきます。

賃貸に住み替えればこれらの費用はかからず、月々の返済額も下がるので、生活が楽になります。

また、現在火災保険に加入している場合は、経過していない年数分は返金されるため、一時的にお金を受け取ることもできます。

4-5.任意売却(にんいばいきゃく)する

反対に、お家の売却金額より残っている住宅ローンの金額が上回っているオーバーローンの状態では、売却することができないのでしょうか。

オーバーローン

そのような場合に利用できるのが、任意売却です。

任意売却とは、金融機関の合意を得ることにより、オーバーローン状態であってもお家を売却できる方法のことです。

住宅ローンを3ヶ月以上滞納すると、強制的にお家を売却する(競売:けいばい、きょうばい)手続きが進んでしまいます。

競売では、相場価格の6割程度でしか売れないケースがほとんどですが、任意売却であれば、相場に近い金額(約7~9割)での売却が見込めます。

競売でも任意売却でもお家の売却後に残った住宅ローンは、引き続き返済しなければなりませんので、できるだけ高く売却できるかどうかは今後の生活に大きく影響します

競売のメリット

また、任意売却であれば、その後の返済額を毎月5,000円~3万円程度に設定してもらえることが多いので、今より大幅に負担を減らした金額で返済が可能となります。

どうしても返済がつらく、競売で売却するくらいであれば任意売却を選択するほうがメリットが大きいです。

ただし、任意売却できる期間は決められていますので、できるだけ早く行動する必要があります。

任意売却について詳しく知りたい方は任意売却とは?わかりやすく解説!も併せてご覧ください。

まとめ

住宅ローンの状況(アンダーローンかオーバーローンか)によって、今後選択できる方法も異なってくるため、返済がつらいと思った段階で、まず現在のお家の売却価格がいくらなのか知っておくべきです。

アンダーローンになるのかオーバーローンになるのか調べる方法については「住宅ローンが残っている家(マンション・一戸建て)を売る方法で説明していますので、ぜひ読んでみてください。

住宅ローンを延滞したまま放置すると、競売が進み、強制的にお家を売却されてしまうため、できるだけ早めにあなたが取れる選択肢を把握しておきましょう

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