
夫のボーナスが急に減って住宅ローンのボーナス払いが払えないのですが、どうしたらいいのでしょうか…
こちらは、イクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
※イクラ不動産は不動産会社ではなく、無料&匿名で不動産の相談・会社選び・査定ができるサービスです。
せっかくマイホームを購入しても、住宅ローンを払えないと最終的にお家は強制売却されてしまいます。
強制的に売却されたからといってローンの支払いがなくなるわけではなく、売却後に残ったローン分は引き続き支払わなければなりません。そのため、ローンの支払いが苦しくなった際にどのような方法を選択するかが、今後の生活に大きな影響を与えます。
ローンの残額が少なければ、ローン完済のために家を売却しても、これまでと同じように住み続けられるリースバックを利用することも可能です。
こちらでは、実際に住宅ローンを払えない人の割合がどのくらいなのか、払えない場合はどのように対処すればよいのかについてわかりやすく説明します。
- この記事はこんな人におすすめ!
- 住宅ローンの支払いが苦しい人
- ローンの支払いが滞納していて、どうすれば良いかわからない人
- できるなら今の家に住み続けたい人
もくじ
1.住宅ローンを払えない人の割合
住宅ローンを払えなくなってしまった人の割合そのものを調査した統計データはありません。
ただし、住宅金融支援機構が行っている「リスク管理債権」に関するデータが参考になります。リスク管理債権とは、支払いが滞ったり返済不能となってしまったりしている債権(さいけん:お金や不動産を受け取る権利)のことです。
2018(平成30)年において、金融機関による貸付金の元金総額は23兆4930億円であるのに対し、3ヵ月以上返済が滞っていたり返済不能となっていたりするリスク管理債権の金額は3,666億円でした。
また、リスケジュールなどの貸出条件緩和債権は、4,539億円となっており、両方合わせたリスク管理債権は8,205億円です。
これらから、住宅ローンを払えない人の割合は、借りている人の約3.5%と推測できます。
また、自己破産の件数からもヒントを得られます。自己破産とは、裁判所を通じて財産を清算し、借金を免除してもらうことです。
裁判所の司法統計によると、2014(平成26)年に自己破産した人は65,189人であり、そのうち16.1%の人が「住宅ローンが原因で破産した」と回答しています。
数年でこういった数字が大きく変わることは少ないので、だいたい1年に1万人程度の人が住宅ローンを払えなくなって自己破産している計算になります。
以上のように、住宅ローンの返済は多くの家庭の家計を圧迫しており、実際に払えなくなってしまう方が少なからず存在することが明らかになっています。
2.ボーナス払いが払えない場合も同じ扱い
住宅ローンのボーナス払いとは、年12回の返済とは別に、ボーナス月に併せて住宅ローンの返済額を他の月より増やして支払う方法です。できるだけ住宅ローンの返済をはやめに終わらせたいと考えている方が利用されています。
ただ、お家を購入した当初は順調にボーナス払いができても、会社の業績悪化や家庭の出費増などの事情によりボーナス払いが払えなくなることがあります。
しかし、

などということは簡単にできません。
ボーナス払いが払えない場合も住宅ローンが払えない人という扱いをされます。
3.住宅ローンを払えなくなるとどうなるの?
では、住宅ローンを払えなくなってしまうとどうなるのか確認していきましょう。
3-1.住宅ローン滞納後、3ヵ月以内
住宅ローンを借りている銀行から電話や手紙で、返済してくださいと督促(とくそく)がきます。
住宅ローンを滞納してしまうと、本来の返済日の翌日から遅延損害金が発生し、1日ごとに加算されてしまいます。
遅延損害金は
で求めることができます。
遅延損害金利息の利率は、利息制限法により定められており、年約15%程度です。(参考:日本貸金業協会)
例えば、毎月の支払額が11万円で、そのうち元金が7万円だった住宅ローンを10日滞納してしまった場合の遅延損害金は、
7万円×15%÷365日×10日=288円ほどとなります。
金額は少額ですが、うっかり忘れていたということのないように注意しましょう。
また、銀行にもよりますが、一度でも滞納してしまうと金利が上がってしまうこともあるので、住宅ローンが支払えなくなりそう、または滞納してしまった場合は、すぐ銀行に相談しましょう。
3-2.住宅ローン滞納後、3~6ヵ月
滞納期間が3ヵ月ヶ月を超えると、信用情報機関のブラックリストに登録されるので、クレジットカードが使えなくなったり、新たなローンを組むことができなくなります。
また、銀行から住宅ローンを分割払いできる権利がなくなった(期限の利益喪失)ので、「一括返済してください」と求められます。
3-3.住宅ローン滞納後、6ヵ月以上
一括返済できない方がほとんどですので、保証会社または債権回収会社(サービサー)があなたに代わって、残っている住宅ローン全額を立て替えて銀行に支払います。これを代位弁済(だいいべんさい)と言います。
これにより、債権者が銀行から保証会社(またはサービサー)に切り替わります。
代位弁済が行われると、保証会社(またはサービサー)は、立て替えたお金を回収するためにあなたのお家を競売(けいばい・きょうばい)にかける準備を進めます。
競売とは、借金返済ができなくなったときに、強制的にお家を売却されることです。
裁判所の執行官がお家の現地調査に来て、物件情報がインターネットや新聞で公開され、購入者が決まるとあなたはお家から出ていかなければなりません。
また、競売後に残った住宅ローンについては、引き続き返済する必要があります。
滞納後のより詳細な流れについては、「住宅ローンを滞納・延滞するとどうなる?返済できないときの対処方法」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
4.住宅ローンを払えない場合の5つの対処方法
住宅ローンをどうしても払えなくなってしまったら、どのようにして解決すればよいのでしょうか。
4-1.滞納していない場合
まだ滞納していない場合は、以下の2点の方法をすぐに試してみるべきです。
4-1-1.銀行にリスケの相談をする
まずは、住宅ローンを借りている銀行に「リスケジュール」の相談をしましょう。リスケジュール(リスケ)とは、住宅ローンの返済方法を変更し、返済計画を再設定することです。
現状のままでは支払えないことを相談すると、以下の救済措置が受けられるケースもあります。
一時的な返済猶予 | 1年間は利息の支払いだけにしてもらうなど |
返済期間の延長 | 5~10年の延長が可能
ただし、35年ローンを組んでいる場合は不可 最大35年ローンになる場合なら可能となる(35年ローンでも既に10年は支払ったなど) |
また、他の金融機関の安い金利と同じような金利にできないか相談してみるのも1つの方法です。
ボーナス払いが払えない場合も同様です。
借りている銀行に、ボーナス併用払いから毎月払いのみへの変更を伝えてください。その上で、銀行が指定する所定の書類に必要事項を記入し、申請書類を提出します。
書類を提出した後は銀行側が返済方法について審査を行い、認められれば毎月払いへの変更が完了します。利用している住宅ローンによっては変更ができないタイプもあるので早めに相談してください。
4-1-2.住宅ローンを借り換える
2つ目の方法は、住宅ローンの借り換えです。今の住宅ローンよりも有利な条件の住宅ローンに借り換えれば、払えるようになる可能性があるからです。
たとえば、今借りている住宅ローンの金利が現状の金利より高い場合、金利の低い条件のローンに借り換えることが可能です。今の住宅ローンの返済期間が短くなっている場合には、返済期間を長くすることによって支払いを楽にすることができます。
ただし、住宅ローンの借り換えには、保証料や繰り上げ返済費用、登記費用など約30~80万円ほどかかりますので、銀行にシミュレーションしてもらい、判断しましょう。
リスケの相談も住宅ローンを借り換える場合も滞納してしまうと対応してくれなくなる可能性が高いので、早めに相談に行くべきです。
4-2.滞納している場合
すでに滞納してしまっている場合は、以下の方法を検討しましょう。
4-2-1.住宅ローン以外にも借金がある場合は、債務整理
債務整理とは、住宅ローンやキャッシング、ローンなどの負債を整理するための手続きです。金利をカットしたり、元本を減額・免除したりして、借金問題を解決することができます。
債務整理の手続きには
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
という3つの方法があります。
自己破産すれば、全ての借金を0にすることができますが、お家や車などの財産も手放さなけばなりません。
そこでお家を失いたくない場合は、任意整理もしくは、個人再生を検討すべきです。
任意整理とは、裁判所を介さずに、直接借金の借入先と交渉し、利息のカットや月々の返済額の減額をしてもらう方法です。
任意整理の対象とする借金を選ぶことができるので、住宅ローンを借りている金融機関を対象から外すことで、お家を手放さずに済みます。
一方、個人再生とは裁判所を介して、借金の一部を大幅に免除してもらう方法です。
原則、整理する借金を選ぶことができませんが、住宅資金特別条項(じゅうたくしきんとくべつじょうこう:住宅ローン特則ともいう)を利用すれば、住宅ローンのみ今まで通り返済し(またはリスケジュールして)、他の借金だけを減額することができます。
基本的に住宅ローン以外の借金が100万円以下であれば「任意整理」、それ以上の高額になっているならば「個人再生」を選択するのがおすすめです。
さらに詳しく知りたい方は「借金返済が厳しくても家を失わずに残す方法は?」も併せてご覧ください。
4-2-2.住宅ローンの支払いだけが苦しい場合は、任意売却して住み替える
住宅ローンの滞納を放置していると、最後は競売となって、お家を強制的に売却されてしまいます。
競売の最大のデメリットは、お家が安値でしか売れないことです。
前述した通り、競売後に残った住宅ローンは、引き続き返済しなければなりませんので、できるだけお家を高く売却し、残る住宅ローンの額を減らすことは重要です。
そこでおすすめなのが、任意売却(にんいばいきゃく)です。
基本的に、残っている住宅ローンの金額がお家の売却価格を上回っているオーバーローンの場合は、お家を売却することができません。
しかし、金融機関の許可を得ることで、完済できるお金が現時点で用意できなくても、売却できるようになるのが任意売却という方法です。
競売は、相場価格の6割程度でしか売却できないケースが多いですが、任意売却であれば相場に近い7~9割の金額で売却できる可能性が高いので、その後の負担を小さく抑えることができます。
ただし、任意売却は競売の手続きが進む中で行わなければならないので、タイムリミットがあることに注意が必要です。任意売却が成立するまでにかかる時間は平均で1〜3ヵ月程度のため、できるだけ早い段階で不動産会社に相談する必要があります。
任意売却のタイムリミットについては「任意売却ができる期間」も併せてご覧ください。
4-3.売却しても住み続けたい場合はリースバックがおすすめ
ローンを完済するために家を売却すれば、当然ですが家を明け渡して引っ越しをしなければなりません。しかし、子供を転校させたくない、周囲に知られなくないなどの理由から、今の家に住み続けたい場合もあるでしょう。
そのようなときにおすすめなのが、リースバックです。
ローンの残額が少なければ、家を売却した代金でローンを完済したあとも、賃貸としてこれまでと同じように住み続けられるリースバックを利用することができます。
もし月々のローン返済額とリースバックの家賃とがほぼ同じ額であっても、ボーナス払いや固定資産税などがなくなるため、家計を楽にすることができるでしょう。
リースバックについては、「【リースバックのまとめ】家を売っても住み続けられる!利用方法や注意点を詳しく解説」で詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
住宅ローンを払えないという人は、まず住宅ローンを借りている銀行に相談しましょう。2、3ヵ月程度の滞納なら、いつまでに滞納分を支払うのか約束して、確実に入金すれば許してもらえます。
住宅ローンが払えないときは、家を手放すことも考えなければなりません。
残っている住宅ローンの金額が家の売却価格を下回っているアンダーローンの場合は、銀行などに相談せずとも自らの判断で売却ができます。
家を売却してもこれまでと同じように住み続けたい場合は、リースバックを利用することも可能です。
しかし、家の売却価格で住宅ローンの残りを完済できない場合は任意売却となり、金融機関の承諾を得なければなりません。「住宅ローンが残っている家(マンション・一戸建て)を売る方法」も併せてご確認ください。
いずれにしても、まずは家の売却額がどれくらいになるのか確認して、取れる選択肢を把握しておくことが大切です。
自分のお家がいくらなのか知りたいという人は「イクラ不動産」をご利用ください。
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