家やマンションの購入のために住宅ローンを組む際、配偶者(妻や夫)、家族に多額の借金があると、住宅ローンの審査に通らない理由になるのではないかと心配な人もいるでしょう。
結論から述べると、基本的に住宅ローンの審査自体には、配偶者や家族の借金は関係はありません。しかし、配偶者や家族が連帯保証人になる場合やペアローンを検討中の場合は審査に落ちる理由になるため注意が必要です。
ここでは、住宅ローンの審査の際に、配偶者や家族の借金がどのように影響するかについて説明します。
この記事で具体的にわかる3つのポイント
- 住宅ローンの審査では、ローンを組む人の年収や勤続年数、勤務先、家族構成、すでにある借金の金額などが調べられる
- 住宅ローンを組む本人の借金は重要な審査項目だが、配偶者や家族の借金は審査に影響しないと考えてよい
- 配偶者や家族が住宅ローンの保証人になる場合や共にペアローンを組む場合は、該当者の借金も審査されるため審査に通らない場合がある
- この記事はこんな人におすすめ!
- 家族や配偶者に借金があるので、住宅ローンが組めるかどうか心配な人
- 住宅ローンの審査に、家族の借金が影響するか知りたい人
- 借金があっても保証人になったりペアローンを組んだりできるか不安な人
もくじ
1.配偶者や家族の借金は住宅ローン審査に落ちる理由にならない
基本的に、配偶者(妻や夫)や家族に借金があっても、住宅ローンの審査には影響しません。
なぜ、配偶者や家族の借金が住宅ローンの審査に影響しないのでしょうか。まず、住宅ローンの利用を申し込んだ際の審査について説明します。
1-1.住宅ローン審査で調べられる項目
住宅ローンは、金融機関が数千万円という高額なお金を貸し付けることになるため、どのような人でも利用できるわけではありません。
そこで、住宅ローンを申し込むと、きちんと返済できそうかの「審査」を受けることになります。
住宅ローンの審査で調べられるのは、おもに次のような項目です。
- 年収
- 勤続年数
- 勤務先
- 家族構成
- 今の住宅形態
- 現在の年齢
- 住宅ローン完済時の年齢(予定)
- 住宅の担保価値
- 頭金の割合
- すでにある借金の金額、借入先
年収は高い方がよく、勤務先は倒産のリスクが低い上場企業や公務員が優遇されます。年齢は若い方が有利で、住宅の担保価値(購入する物件の価値)は高い方が良いです。
これらの項目について、基本的に住宅ローンを申し込んだ本人についてのみ審査され、住宅ローンを利用できるかどうか決まります。
1-2.住宅ローン審査に通らないのはどのような場合か?
住宅ローンの審査に通らないおもな理由は、住宅ローンを申し込んだ本人について、年収が足りない、年齢が高すぎる、勤務先の信用がない、勤続年数が足りないなどです。
特に住宅ローンの審査では、「すでにある借金の金額や借入先」が問題になります。
住宅ローンを利用する前に他社で借金をしていると、そちらの返済もしないといけないので、金融機関への返済が滞る可能性が高くなるからです。
そのため、住宅ローンを申し込んだ人がサラ金やクレジットカード会社で借入をしていると、住宅ローン審査に落ちる可能性が非常に高くなります。
また、過去に債務整理歴がある場合なども、住宅ローン審査に落ちやすいです。
1-2-1.「個人信用情報」で借入状況などが調査される
銀行など金融機関が、住宅ローン審査で申込人の借入状況を調査するとき参照するのが「個人信用情報」です。
個人信用情報とは個人の借金に関する記録で、どこの会社からいくらの借入をしているのか、利率はどのくらいかなどの詳細な情報が登録されています。
金融機関はそれぞれ「信用情報機関」に加盟しており、融資の審査を受けたらローンの申込みをした人の個人信用情報を照会して閲覧することが可能です。
申込人本人の個人信用情報から、すでに多額のサラ金やカードなどの利用がわかればローン審査に落ちます。
1-3.配偶者や家族の借り入れなどは調べられない
これらの審査や調査は、基本的に申込者本人の信用情報についての対応です。
金融機関は、基本的に申込者本人ではない人の信用情報まで調べることはありません。たとえ同居の親族であっても、調べられることはないと考えて大丈夫でしょう。
よって、配偶者や家族が多額のサラ金やクレジットカードローンを抱えていても、申込者本人に問題がなければ、住宅ローン審査に通らない理由にはなりません。
2.配偶者や家族の借金で注意が必要な場合
配偶者や家族の借金は住宅ローンの審査に影響しないと述べましたが、「連帯保証人」や「連帯債務人」になる場合やペアローンの利用を考えている場合は注意が必要です。
2-1.連帯保証人や連帯債務人になれない場合がある
住宅ローンを組むとき、一人だけの収入では不十分で審査に通らないケースがあります。
住宅ローンを借りられる金額は申込人の年収に応じて決まるため、年収が低い人の場合、住宅ローンを利用して多額のお金を借りることができません。
この場合、配偶者が働いていれば、配偶者が「連帯保証人」や「連帯債務人」になることで収入が合算され、単独より高額な住宅ローンを借りることができます。
しかし、配偶者にサラ金やカードなどの借金があると、連帯保証人や連帯債務人になるのがむずかしくなります。なぜなら、保証人にもローンの申込者と同様に審査があるからです。
配偶者に多額のサラ金やカードの借金があると、金融機関が個人信用情報を調べた際に、連帯保証人や連帯債務人としての価値がないと判断して審査に落とすこともあります。
また、審査に落ちることで、借金のことを相手に知られてしまうことは避けられないでしょう。
2-2.ペアローンを組めない場合がある
夫と妻がそれぞれで住宅ローンを組むペアローンは、より多額の資金を借り入れることができるため、年々利用者数が増えています。
特に、首都圏や都心部の家やマンションなどは非常に高額なので、夫婦がペアローンを組んで購入するケースが多いです。
しかし、ペアローンは夫婦それぞれで住宅ローンを組むことになるため、どちらも金融機関の審査を受けなければなりません。
当然ですが、借金があると、相手が住宅ローン審査に通っても自分は落ちる場合があるため、ペアローンが利用できない恐れがあります。
相手に隠していた借金も、知られてしまうことは避けられないでしょう。
3.配偶者や家族に借金がある場合の対処法
配偶者や家族に借金があって連帯保証人やペアローンの審査に通らない場合の対処法として、次のようなものがあげられます。
- 違う金融機関に相談してみる
- 住宅ローンの借り入れ額を減らす
それぞれについて、具体的に説明します。
3-1.違う金融機関に相談してみる
1つ目の対処法は、さまざまな金融機関の住宅ローンの利用条件を調べたうえで、ほかのところにローンの申し込みをするというものです。
住宅ローンの利用条件は、金利も含めて金融機関によって大きく異なります。1つの金融機関で住宅ローンの審査に落ちたからといって、ほかの金融機関の審査に落ちるとは限りません。
金利や返済条件によっては、同じ額を借りるのであっても、連帯保証人がいらない場合もあります。
ただし、やみくもに申し込むのは避けましょう。住宅ローンの審査の結果も個人信用情報に記録されるため、いくつもの金融機関で審査に落ち続けていると、ますます審査に通りにくくなってしまうからです。
3-2.住宅ローンの借り入れ額を減らす
2つ目の対処法は、住宅ローンによって借り入れをする額を減らすというものです。
住宅ローンの借入額を減らすことで、連帯保証人が不要になる場合があります。
ただし、当然ですが家やマンションの購入に充てられるお金が少なくなってしまうため、購入や買い替えの資金計画を見直さなければなりません。
まとめ
この記事のポイントをまとめました。
- 配偶者(妻や夫)や家族の借金は、一般的に住宅ローンの審査に通らない理由にはならない
- 住宅ローンの審査では、ローンを組む本人について、次のような項目が審査される
・年収
・勤務先や勤続年数
・家族構成
・今の住宅形態
・現在の年齢と住宅ローン完済時の年齢(予定)
・住宅の担保価値
・頭金の割合
・すでにある借金の金額 - 審査で特に重要視されるのが申込者本人の借り入れ状況で、個人信用情報を使って詳細に調査される
- 配偶者や家族が住宅ローンの連帯保証人や連帯債務人になる場合や共にペアローンを組む場合は、該当者の借金も審査対象になるため注意が必要
住宅ローンを組む際の審査で、配偶者や家族の借金が理由で通らないことはまずありません。
ただし、連帯保証人になったりペアローンを組んだりする場合は、配偶者や家族も審査対象となるため注意が必要です。場合よっては、住宅ローンの予定が変わることもあるでしょう。
もし、今の家やマンションを売却して、新たに夫婦でローンを組んで新しい家を買おうとしている場合は、借金があるために予定が変わるかもしれません。
まずは、どれくらいの住宅ローンが組めるかを調べるとともに、今の家やマンションがどれくらいで売れそうかを知っておきましょう。
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