三重県の「土地を売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
三重県の「土地の売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「三重県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
土地を売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 相続関連(34.3%) |
親や兄弟などから不動産を相続したものの利用する予定がない場合は、所有していても固定資産税や管理費などがかかるため売りに出す人が多くいます。三重県の土地の売却理由でも、「相続関連」が1位という結果でした。 |
2位売り時だと思ったから (29.3%) |
「令和5年地価公示」によると、三重県の住宅地の地価は31年連続で下落しています。そのため、これ以上地価が下がらないうちに売却しておこうと考える人も多くいるようです。 |
3位 ローンの返済苦など金銭的な理由 (13.1%) |
ローンの返済が困難になった、事業の資金繰りや家計が厳しいなど、金銭的な理由で土地を売却するというケースも比較的多くあります。 |
4位その他 (8.1%) |
そのほかの売却理由として、「親の介護のために実家に戻ることにしたため、住んでいた家や土地を売ることにした」「老人ホームへ入居するにあたって家や土地が不要になった」といった回答も寄せられました。 |
5位住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて) (6.1%) |
三重県における土地の売却理由第5位は、「住み替え」という結果でした。子供の進学や家族の定年退職など、ライフステージの変化により家や土地を売却して住み替える人もいらっしゃいます。 |
6位 離婚・別居(5.1%) |
三重県の離婚率は1.47(人口1,000人に対して:2022年)で、全国平均の1.42よりやや高いです。離婚により土地を売却する人が一定数いるようです。 |
7位転勤・転職(仕事や勤務地の変化など) (4.0%) |
三重県で土地を売却した理由として、「転勤・転職」も数は少ないですが一定数見られました。仕事で勤務地が変化することにより、新しい住まいを求める人が多いようです。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月30日
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、土地売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(34.3%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
叔母から相続した土地を売却することにしました。先日叔母が亡くなり、子供もいなかったので、私が叔母の家と土地を相続することになりました。しかし、土地を保有し続けるには費用が嵩むため、売却することを決めました。私のことを心配し、よく気にかけてくれていた叔母の家や土地を最後、こうやって相続して手続きや売却を行うことは一つの恩返しになるのではないかと思いながら、売却を行いました。
〈買主への上手な伝え方〉
相続で取得した土地や家を売却するケースは珍しいことではありません。正直に伝えても買主の心証を損じる心配はそれほどないと言えます。
ただし、長期間放置されていた孤独死など問題があった場合は、あらかじめ不動産会社に伝えておく必要があります。そのうえで、売却方法を相談するようにしましょう。
2位(29.3%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
ずっと放置していた土地でどう処理すれば良いのかわからず、不動産会社に相談しました。すると、不動産会社の方が手取り足取り土地の売却について色々なことを教えてくださり、1週間ほど考えて今が売り時かもと思い、売却することを決めました。少し期間はかかりましたが、無事買い手が見つかり売却することができました。
〈買主への上手な伝え方〉
地価が下落している地域では、これ以上地価が下がらないうちに売却しておこうと考える人も多いようです。しかし、必ずしも買い手に詳しい事情を伝える必要はないため、単に「住み替えです」と濁しても良でしょう。
3位(13.1%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
自営業をしているのですが経営難に陥り、資金不足になってしまったため、家と土地を売って資金を得ることにしました。駅から徒歩10分ほどの場所にあり交通の便が良かったので、相場価格より少し高めで売ることができました。
〈買主への上手な伝え方〉
経営難や業績不振などで家や土地を売る人は一定数います。このような金銭的な理由で家や土地を売却する際、土地や家そのものに問題がなく、買主の購入に影響を与えないのであれば、買主に売却理由を詳しく伝える必要はありません。
もし買主から売却理由を聞かれたら、「資産整理のため」などと答えても問題ないでしょう。
4位(8.1%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
母の容体が悪くなり介護が必要になったので、実家に戻ることにしました。実家と住んでいた家が割と近い場所にあったので、ゆっくり時間をかけて家と土地を売却することにしました。売却まで1年ほどかかりましたが、相場価格より少し高く売ることができたので満足しています。
〈買主への上手な伝え方〉
高齢になった親との同居により、今まで住んでいた家と土地を売却するケースも増えています。買主にそのまま事実を伝えても問題はありませんが、急ぐ場合は価格交渉で不利になることもあるので、「住み替え」などと濁して伝える方が良いでしょう。
5位(6.1%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
名張市の土地と家を売却しました。津市に職場があり、もう少し職場に近いところに住みたいと思い、津市へ住み替えを行うことにしました。名張駅に近かったこともあり、そこそこの価格で売却することができたので良かったです。
〈買主への上手な伝え方〉
住み替えは土地の売却理由としてはメジャーなため、買主にそのままを伝えても悪くとられる心配はないでしょう。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
6位(5.1%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
酒癖の悪い夫に愛想がつき、離婚することを決意しました。結婚してから購入した家と土地は、まだローン返済中だったのですが、アンダーローンだったことで売却することができました。本当に良かったです。
〈買主への上手な伝え方〉
離婚の理由は個人的なものであり、土地そのものには関係ありません。離婚は買主にマイナスイメージを与える可能性が高いため、単なる「住み替え」であるとだけ伝えておきましょう。
しかし、以下のような瑕疵がある場合は、買い手に説明が義務付けられています。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害 ・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
離婚による不動産の売却については、「【離婚×不動産売却まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説」でくわしく説明しています。
7位(4.0%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
京都の方の会社へ転職することになったため、四日市市の家と土地を売却することにしました。時間にゆとりがなく、短期間で売りたかったので、相場よりも価格を下げて売りに出しました。価格を下げたことで、買い手の目に留まり、2ヵ月ほどで売却することに成功しました。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤や転職に伴う土地の売却は、マンションや戸建てと違い、あまりメジャーではありませんが、一定数いらっしゃいます。また、転勤や転職が売却理由である場合、特に買い手が不利益になることはないので、そのまま伝えても問題ないでしょう。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 三重県の土地の売却理由で最も多かったのは「相続関連」という結果だった
- 三重県では一部の地域を除き、地価が年々下落しているため、これ以上地価が下がらないうちに売却しておこうと思う人も多い
- ローンの返済苦など金銭的な理由で土地を売却する方の割合もやや高い