沖縄県の「土地を売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
沖縄県の「土地の売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「沖縄県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
土地を売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 売り時だと思ったから(44.9%) |
沖縄県の土地の売却理由第1位は「売り時だと思ったから」でした。「令和5年沖縄県地価調査」によると、沖縄県の住宅地の地価は、10年連続で上昇しています。そのため、上昇傾向にある今が売り時だと判断して、土地を売却する人が増えたと考えられます。 |
2位相続関連 (28.0%) |
親や兄弟などから不動産を相続したものの利用する予定がない場合は、所有していても固定資産税や管理費などがかかるため売りに出す人が多くいます。 |
3位 ローンの返済苦など金銭的な理由 (7.5%) |
リストラなどでローンの返済が困難になった、事業の資金繰りや家計が厳しいなど、金銭的な理由で土地を売却するというケースもあります。 |
4位その他 (7.5%) |
そのほかの売却理由として、「親の介護のために実家に戻ることにしたため、住んでいた家や土地を売ることにした」「老人ホームへ入居するにあたって家や土地が不要になった」といった回答も寄せられました。 |
5位住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて) (5.6%) |
沖縄県における土地の売却理由第5位は、「住み替え」という結果でした。子どもの進学や家族の定年退職など、ライフステージの変化により、家や土地を売却して住み替える人がいます。 |
6位 離婚・別居(4.7%) |
沖縄県の離婚率は2.13(人口1,000人に対して:2022年)で、全国で1番高いです。離婚することになり、財産分与を行うために、家や土地を売る人が他県と比べて多くいるようです。 |
7位転勤・転職(仕事や勤務地の変化など) (1.9%) |
仕事で勤務地が変化することにより、今まで住んでいた家や土地を売却し、新しい住居に住み替える人が一定数います。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月30日
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、土地売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(44.9%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
かなり前に購入していた那覇市の土地を売却しました。もう少し売却するのを待とうかとも考えましたが、知人や親戚から周辺の土地の価格がかなり上がっていると聞き、高いうちに売ってしまおうと思いました。いざ売りに出してみると、狭い土地なのに思っていたよりも高く売れたので驚きました。
〈買主への上手な伝え方〉
高く売れる時に売りたいと思うのは、売主として当然の希望です。しかし、買主側からすると「高く買うことになった」という気持ちになるかもしれません。そのような心配がある場合は、単に「資産整理のため」などと伝えるほうが良いでしょう。
2位(28.0%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
一人暮らしをしていた父が他界し、実家を相続することになりました。私は進学を機に東京の方へ上京しており、今も東京で生活しているので沖縄に戻る予定はなかったので、売却することを決めました。離れた場所からの売却だったので、少々手続きが大変でしたが、不動産会社の担当の人がこまめに連絡をしてくれて手助けをしてくれたので、無事に売却できました。とても感謝しています。
〈買主への上手な伝え方〉
相続した土地を売却するケースは多いため、正直に伝えても買主の心証を損じる心配は少ないと言えるでしょう。
相続による不動産売却については、「相続した不動産の売却方法から流れ、手続き、相続税対策まで徹底解説!」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
3位(7.5%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
勤めている会社の経営が悪化してボーナスカットとなり、ローンの返済が厳しくなったので、家と土地を手放して安い賃貸に移り住むことにしました。急なことでしたが、幸いローンの支払いができなくなって滞納する前に手を打ったので、普通に売却することができました。ズルズルと先延ばしにせずに、すぐ決断をして本当に良かったです。
〈買主への上手な伝え方〉
買主の購入に影響を与えないのであれば、売主のプライベートな理由を特に伝える必要はありません。買主から売却理由を聞かれたら、「住み替えのため」などと答えを濁しても問題ないでしょう。
4位(7.5%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
夫が亡くなってからずっと一人で暮らしてきたのですが、近頃、歳のせいか家事などを今までのようにこなすことができなくなりました。それを近所の方に相談したら、老人ホームに入居することを勧められ、入居することにしました。家と土地は、不動産会社の方に助けてもらいながら、なんとか売却を済ませることができました。
〈買主への上手な伝え方〉
単身の方が老人ホームに入居するのに、それまで住んでいた家や土地を売却するケースは近年よくあることです。そのまま買主に伝えても問題ないでしょう。
5位(5.6%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
名護市の築50年ほどになる実家で家族三世帯でずっと住み続けていたのですが、建物がかなり老朽化してきたので、家と土地を売却して新しい家に引っ越しすることにしました。売却方法について、更地にして売ることも考えましたが、更地にするにはお金がかなりかかるので、古屋付きの土地として売り出すことにしました。査定通りの価格で売ることができたので良かったです。
〈買主への上手な伝え方〉
住み替えは土地や家の売却理由としてはメジャーなため、買主にそのままを伝えても悪くとられる心配はないでしょう。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
6位(4.7%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
沖縄出身の夫と結婚して夫の故郷に新居を構えたのですが、都会の方で育ってきた私にとって石垣市での暮らしは辛く、夫ともすれ違いが増え、離婚することになりました。財産分与のために土地と家を売ることになり、不動産会社に買取をお願いしました。買取にしたことで、早く事を収めることができました。
〈買主への上手な伝え方〉
離婚を理由とした土地の売却は買主から縁起が悪いと捉えられかねず、売りに出しても購入を避けられてしまうことがあります。このような場合は、売却理由を「住み替え」などと濁して伝える方が良いでしょう。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害 ・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
離婚による不動産の売却については、「【離婚×不動産売却まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説」でくわしく説明しています。
7位(1.9%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
福岡の方の会社へ転職が決まり、今まで住んでいた家と土地を売却しました。数年前に購入した中古戸建てで、築年数が約25年とちょっと古かったですが、立地が良く土地面積が広かったことで無事に買い手がつきました。
〈買主への上手な伝え方〉
土地の場合、マンションや戸建てと違って転勤・転職による売却はあまりメジャーではありませんが、それによって買主の心証を損なうことは考えにくいため、正直に伝えても問題ないと言えます。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 沖縄県の土地の売却理由で最も多かったのは「売り時だと思ったから」だった。地価が上昇している今が売り時だと判断して、土地の売却に踏み切る人も多い
- 親や兄弟などから相続した土地を売却する人も比較的多い
- ローンの返済苦など金銭的な理由で、土地を売却する人の割合もやや高い