新しい家を建て始めてから、離婚が決まるケースもあります。そのような場合、建築中の家をどうすれば良いかと困っている人もいることでしょう。
家の建築中に離婚をしても、建築を中止したり住宅ローンの契約を取り消したりすることはできません。そのため、状況に応じた適切な対処が必要です。
こちらでは、家を新築中に離婚した場合について、どうすればよいのかわかりやすく説明します。
- 離婚と家の建築や住宅ローンには法的なつながりはない
- 家の建築を止めたい場合に取れる方法
- 家を完成させてから活用するという方法もある
- この記事はこんな人におすすめ!
- 家を建て始めてから離婚することが決まった人
- 離婚することになり建築中の家をどうすれば良いのか困っている人
- 家を完成させてから離婚後に活用する方法について知りたい人
もくじ
1.家の建築中に離婚することになった場合
まず、家を建て始めてから離婚することが決まった場合、家の建築と離婚との関係について、どのように考えるべきかについて説明します
1-1.家の建築と離婚は無関係
夫婦で住むはずだった家の建築中に離婚が決まってしまった場合、もう家はいらなくなったということで家の建築を止めてもらいたくなります。
しかし、家の建築工事と夫婦の離婚に法律的なつながりはありません。
そのため、夫婦が離婚することになっても、家の建築工事はそのまま継続されます。
「離婚するから工事を止めてほしい」というわけにはいかず、また離婚が決まったからと言って工事が中止されることもありません。
1-2.住宅ローンはどうなる?
家を建てるために組んだ住宅ローンと離婚についても、法律的なつながりは一切ありません。
そのため、離婚で家がいらなくなったとしても、住宅ローンを借りたからには、当然返済義務が生じます。
たとえば、夫の単独名義で住宅ローンを組んだ場合は夫が、夫婦でペアローンを組んだ場合は夫婦の両方が、離婚をしてからもローンを返済し続けなければなりません。
離婚後の住宅ローンの支払いについては、「離婚時、住宅ローンの残りは財産分与で折半しないといけないのか?」や「離婚時の住宅ローン対策!ローンの借り換え、名義変更について解説」でくわしく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
2.離婚により建築を中止したいときは?
「離婚するので、もう家はいらない」となった場合、まず、何をどのようにすれば良いのかを説明します。
2-1.家の「建築請負契約」の内容を確認してみる
離婚で家がいらなくなった場合は、まず、請負契約の内容を確認してみましょう。
もし、「夫婦の離婚時やその他の重大な事情変更が発生した場合には解約できる」といった途中解約の条項が入っていたら、契約を解約できる可能性もあります。
ただし、一般的な請負契約の場合、「離婚によって解約できる」と定められているケースは少ないです。
2-2.契約解消できるか建築業者と協議する
契約内容に「離婚による解約」が入っていない場合は、建築業者との間で「協議」によって契約解消するかどうかを決めるしかありません。
途中で解約するとしても、すでに着工している場合には出来高に応じた代金の支払いが必要です。場合によっては損害賠償を求められる可能性もあります。
夫婦の離婚という個人的な事情によって一方的に契約を解約するのですから、ある程度の負担は覚悟しておきましょう。
2-3.家だけでなく土地をどうするかも決める
また、家を建てるために土地を購入した場合、家の建築を止めても土地購入をなかったことにすることはできません。
残った土地をどのように活用すべきについても考える必要があります。
3.家を完成させて、離婚後に活用する方法もある
離婚によって家の建築を途中でやめると、建築費だけでなく土地も無駄になってしまうため、あまり経済的でないことが多いです。
そのような場合は、家を完成させたうえで、そのあとで有効活用するほうが良いでしょう。
離婚により夫婦で住まなくなった家の利用方法としては、次のようなものが考えられます。
3-1.どちらかが住む
まずあげられるのが、離婚後に、夫婦のどちらかが家に住むという方法です。
ただしこの場合は、居住しない側に住宅ローン返済の負担がかからないよう工夫する必要があります。
夫婦でペアローンを組んだり連帯保証人などになったりしていなければ、住宅ローンの単独名義人が居住すれば、もう一方にはローン負担が発生しないので、そのまま離婚しても大丈夫です。
一方、夫婦でペアローンを組んでいたり連帯保証人になったりしている場合は、そのまま離婚すると家に住まない側にもローン返済の責任が及んでしまいます。
その場合には、ペアローンを解消してもらう、住宅ローンの連帯保証人から外してもらうなどの対応が必要です。
離婚で連帯保証人から外れる方法については、「離婚で住宅ローンの連帯保証人から外れる3つの方法をまとめた」でくわしく説明しています。
3-2.賃貸に出す
2つ目は、完成した家を賃貸に出すという方法です。
新築の家であれば、賃貸に出せばそれなりに高い収益を得ることができるでしょう。
毎月の住宅ローン返済額と毎年の固定資産税の合計を上回る賃料収入を得ることができれば、とりあえず赤字は出さずにすみます。
しかし、住宅ローンは「自分が住む物件のため」という前提で利用できる商品です。
そのため、原則として、第三者に家を貸し出すことに対して、金融機関がOKを出さない可能性があります。
ただし、特別な事情であれば認めてくれるパターンもあるため、まずは住宅ローンを借りている金融機関に相談してみましょう。
金融機関に内緒で貸し出すと、住宅ローンの一括返済を求められる可能性があります。必ず金融機関の承諾を得ましょう。
なお、お家を賃貸に出す場合のメリット・デメリットは「売るのか貸すのかどちらにすべき?賃貸のメリットとデメリットについてまとめた」でくわしく説明してます。ぜひ読んでみてください。
3-3.売却する
3つ目は、未入居のまま新築一戸建ての状態で、土地と一緒に売却してしまうという方法です。
とりあえず家を完成させてから新築未入居で売りに出せば、比較的高い価格で売ることができるでしょう。
ただし、住宅ローンを組んで建てた家を売却する場合は、住宅ローンを完済して抵当権を外してもらう必要があります。
家の売却代金が住宅ローンを上回る場合は問題ありませんが、住宅ローンの額が売却代金よりも多い「オーバーローン」の状態で家を売る場合は、ローン完済に足りない額を貯蓄やほかからの借り入れなどして補填しなければなりません。
離婚による家の売却については、「 離婚で家やマンションを売る時の確認ポイント5つと売却後にやるべきことを解説!」で、オーバーローンの家を売却する方法については、「オーバーローンの家やマンションは売却できる!調べる方法と5つの対処法を解説」でくわしく説明しています。ぜひ読んでみてください。
まとめ
この記事のポイントをまとめました。
- 離婚することは家の建築に法的な影響は何もないため、離婚が決まったからといって家の建築を中止することはできない
- 住宅ローンも離婚により何の影響も受けないため、離婚をしてもローンの名義人が支払いを続けていかなければならない
- 離婚により建築を中止したいときは、次のような点を確認をする
・家の「建築請負契約」の内容を確認して、離婚による契約解消ができるかを調べてみる
・契約解消できるか、建築業者と協議する
・家だけでなく土地をどうするかも決める - 建築を途中で止めるのは経済的損失が大きいので、完成させてから次のように活用する方法もある
・どちらかが住む
・賃貸に出す
・売却する - 住宅ローンのほうが売却額よりも多い「オーバーローン」の状態で売却する場合は、ローン完済に足りない額をほかから補填しなければならない
家の建築中に離婚が決まったからといって、建築を中止することはできません。
家の建築を中止するのか、また、どちらかが建てた家に住むのか売却してしまうのかなどについては、夫婦でしっかりと話し合って決める必要があります。
特に住宅ローンを組んで家を建てている場合は、金融機関への相談も必要になるでしょう。
手っ取り早く、後々のトラブルに発展しにくい方法としておすすめなのは、まず家を完成させて、新築のまま売却して代金を財産分与する方法です。
少しでも高値で家を売りたい場合は、売却に強い不動産会社に売却を依頼することが必須です。
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イクラ不動産については、「イクラ不動産とは」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。