【2022年度版 詳細解説】埼玉県の土地売却価格相場・動向

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【2022年度版 詳細解説】埼玉県の土地売却価格相場・動向

この記事では、埼玉県の

  • 土地の売却成約までにかかった期間及び売却価格・相場の動向

という、土地を売る際に知っておきたい基本知識に加え、

  • 高く売れる土地の特徴
  • 売れにくい土地の特徴
  • 売れにくい土地を売るための対策方法

について知ることができます。

もくじ

この記事のポイントまとめ

1.【2022年度版】埼玉県の土地が売却成約までにかかった期間及び売却価格・相場の動向

売却成約までにかかった期間は平均約5.4ヵ月、平均売却価格は約2,407万円です。

また相場の動向は、おおまかに以下のとおりです。

・2019年に比べ売却価格は、約11.3%上昇
・2019年に比べ成約した物件の㎡単価は、約7%上昇
・2019年に比べ成約件数は、約▲34.6%下降

詳しくは「1.【2022年度版】埼玉県の土地が売却成約までにかかった期間及び売却価格・相場の動向」をご覧ください。

2.埼玉県で高く売れる土地の特徴(2022年度版)

埼玉県で高く売れる土地の特徴は、一般的に以下のとおりです。

  • さいたま市など東京都心に近い
  • 新幹線が停車するなど、交通の便が良い
  • 不整形地でない
  • 更地である
  • 周辺環境が良い

上にあげたような特徴が多くあてはまり、なおかつ「駅や商業施設などが近くにある生活しやすい」場所にある土地だと査定額が高くなります。

詳しくは、「2.【チェックリスト付き】埼玉県で高く売れる土地の特徴(2022年度版)」をご覧ください。

3.埼玉県で売れにくい土地の特徴(2022年度版)

売れにくい土地の特徴としてあげられるのは、一般的に次のようなものです。

  • 東京都心から遠い
  • 交通の便が悪い
  • 不整形地である
  • 更地でない
  • 周辺環境が悪い

詳しくは、「3.埼玉県で売れにくい土地の特徴(2022年度版)」をご覧ください。

4.【事例で解説】埼玉県で売れにくい土地を売るための方法3つ(2022年度版)

埼玉県で売れにくい土地を売るための対策法3つについて、実例でご紹介いたします。

その方法は、次のとおりです。

【2022年度版 埼玉県で売れにくい土地を売るための対策方法3例】
対策方法(例)
東京都心から遠い ・ニーズのある買い手を探す
更地でない ・古家付きの土地として売却する
周辺環境が悪い ・売却価格を下げる

4.【事例で解説】埼玉県で売れにくい土地を売るための方法3つ(2022年度版)」の章で、詳しくご覧いただけます。

1.【2022年度版】埼玉県の土地が売却成約までにかかった期間及び売却価格・相場の動向

1-1.【2022年度版】埼玉県の土地が売却成約までにかかった期間

【2022年度版 埼玉県の土地の売却成約までにかかった期間】
埼玉県平均
土地の売却成約までにかかった期間 約5.4ヵ月

不動産は、「マンション>戸建て>土地」の順に売れやすく、土地の場合、以下のような理由から売却期間が長くなりがちです。

  • 境界の調査や確定に時間がかかる
  • 古い家が建っている場合、解体して更地にしてから売買契約を結ぶケースもある

参考として実際に売却成約した売主のアンケートを見ると、全体の7割以上が6ヵ月以内に契約しており、比較的活発に売却が行われていることがわかります。

【2022年度版 埼玉県の土地の売却にかかった期間アンケート】
順位 売却にかかった期間 割合
1位 3ヵ月以内 51.6%
2位 6ヵ月以内 27.5%
3位 1年以内 14.7%
4位 2年以内 3.8%
5位 2年以上 2.4%

※イクラ不動産の利用者アンケートより

1-2.【2022年度版】埼玉県の土地の売却価格・相場の動向

【2022年度版 埼玉県の土地の売却価格・相場】
 埼玉県平均
土地売却価格・相場 約2,407万円

2022年現在、埼玉県の土地相場の動向は次のような傾向です。

〈2022年度版 埼玉県の土地相場の動向まとめ〉

・2019年に比べ売却価格は、約11.3%上昇
・2019年に比べ成約した物件の㎡単価は、約7%上昇
・2019年に比べ成約件数は、約▲34.6%下降

【主な要因】

  • 在宅ワークの増加で都内へアクセスのしやすい、さいたま市をはじめ埼玉県南部エリアの人気が高まった
  • 東京都・千葉県・神奈川県から埼玉県に引っ越してくるケースが多い
  • 都内へ交通アクセスのしやすい地域は盛り上がっているものの、その他地域は県外に出る人が多く偏りがある

埼玉県は2021年の住民基本台帳の人口移動報告で、埼玉県外から入る人(転入者)から埼玉県内から出る人(転出者)の人数を差し引き、転入者の数が多いこと、いわゆる転入超過数が全国第2位と非常に多くなっています。

また、全国の市区町村単位で見ていくと、さいたま市が全国の市区町村の中で最も転入超過数が多く、都心へ通勤・通学しやすいエリアでの住宅需要が高まっており、土地の価格も上昇していることがわかります。

さいたま市の中でも、JR京浜東北線など主要沿線が通る浦和区・大宮区・南区は、都心まで電車で約30分の距離にあり、特に人気があります。一方で、桜区や西区などは駅周辺の土地価格は全体的に見ると上昇しているものの、駅から離れた郊外では下降傾向にあります。

さいたま市の他にも、川口市・蕨市・戸田市といったJR線沿いの市も都心へのアクセスのしやすさから人気が高まり、土地の価格も上昇傾向にあります。同様に所沢市や川越市も人気が高いですが、新興住宅地の需要が高く、土地の価格自体は他地域から比べると上昇率はやや落ち着いています。

埼玉県内の土地売買成約件数に関しては、2022年3月1日の段階で埼玉県内の人口は10ヵ月連続で減少していることが影響し、やや下降傾向にあります。人口減少以外にも、首都圏全体で中古マンションや戸建ての在庫数が減っていることも関係しています。

また、以下のようなエリアの住宅需要や地価が高まっています。

〈住宅需要・地価が高まっているエリア〉

1.都心へアクセスしやすいエリア
⇒JR京浜東北線:さいたま市、川口市、蕨市
⇒JR武蔵野線:さいたま市
⇒JR埼京線:戸田市

【主な要因】

  • 在宅ワークの普及により、都内へアクセスしやすいエリアの人気が高まった

参考:埼玉県「令和03年(2021年)埼玉県統計年鑑」
埼玉県「埼玉県の推計人口(令和4年3月1日現在)について」
総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2021年(令和3年)結果」

2.【チェックリスト付き】埼玉県で高く売れる土地の特徴(2022年度版)

基本的に、土地は「駅や商業施設などが近くにある生活しやすい立地」でなければ高くは売れません。

加えて、埼玉県では以下に掲げた特徴に多く当てはまっているほど、査定額が高くなります。

【2022年度版 埼玉県で高く売れる土地の一般的な特徴 チェックリスト】
チェック項目 チェック
さいたま市など東京都心に近い ・都心から30分圏内にある
新幹線が停車するなど、交通の便が良い ・駅までの交通手段が近くにある
・特急が止まる駅がある 等
不整形地でない ・正方形や長方形の形をしている
・デッドスペースができない土地の形をしている 等
更地である ・建物が立っていないまっさらな土地
周辺環境が良い ・商業施設、病院、銀行などが近い
・学校、幼稚園が近い 等

以下の章で、これらの特徴について詳しく解説します。

2-1.[特徴1]さいたま市など東京都心に近い

埼玉県内で特に人口の多いさいたま市は商業施設や交通機関、医療機関が充実しており、各世代からの需要が高いです。

JR京浜東北線・JR武蔵野線線・湘南新宿ラインといった主要沿線が通っており、都心まで電車で約30分の距離にあるため、在宅ワークの需要増加に伴いさいたま市の人気も上がっています。

他にも、川口市や蕨市、戸田市なども同様に、都心に近い市も人気が高まっており、土地の取引件数も集中しています。

2-2.[特徴2]新幹線が停車するなど、交通の便が良い

駅まで10分以内の立地や特急・急行が止まる駅、周辺施設へのアクセスがしやすい土地は高く売れやすいです。郊外でも駅や周辺施設へのバス停がある土地は、同様に高く売れやすいです。

2-3.[特徴3]不整形地でない

土地は正方形や長方形に近い形をしていると、無駄なスペースが生じにくく、敷地を最大限に活用することができるため高く売れやすくなります。

2-4.[特徴4]更地である

まっさらな状態で売買される更地は、購入者にとって解体する手間・費用がかからず、すぐに新しい建物を建設できるため買い手がつきやすいです。

2-5.[特徴5]周辺環境が良い

周辺環境が良いエリアにある土地は高く売れます。
商業施設や病院、銀行といった生活に必要な施設が近くにあるほか、歩道が整備されていたり小学校・中学校が近くにある立地であれば、より購入意欲がアップする土地になります。

3.埼玉県で売れにくい土地の特徴(2022年度版)

【2022年度版 埼玉県で売れにくい土地の一般的な特徴 一覧表】
説明
東京都心から遠い ・都心から1時間以上の距離がある
交通の便が悪い ・最寄りの駅までの交通手段がない
・バスの本数が30分に1本 等
不整形地である ・三角地や旗竿地といった形地
・デッドスペースができてしまう土地の形をしている 等
更地でない ・建物が建ったままの土地
周辺環境が悪い ・基地、廃棄物処理場などの嫌悪施設が近くにある
・大気汚染や騒音がなどがひどい場所にある 等

以下の章で、これらの特徴について詳しく解説します。

3-1.[特徴1]東京都心から遠い

埼玉県では、さいたま市や川口市といった都心への交通アクセスがしやすい埼玉県南部地域が特に人気があるため、郊外にある地域はなかなか買い手がつきにくいです。

一般的に、通勤や通学に便利な交通の便が良い土地のほうが好まれる傾向にあるため、条件を満たしていない土地は売れにくく、売れても高値はつきにくいです。

ただし埼玉県北部地域でも、JR上越新幹線が停まる熊谷駅がある熊谷市は、新幹線での通勤を市で後押しする新幹線補助金制度を新規転入者向けに実施していることも影響し、土地の価格はやや上昇傾向にあります。

参考:熊谷市役所「おいでよ、熊谷!新幹線で楽ちん通勤しませんか?」

3-2.[特徴2]交通の便が悪い

駅やバス停、国道などの幹線道路まで遠い土地はあまり人気がありません。

ただし、埼玉県の主要都市であるさいたま市へ、車で30分以内でアクセスできるような物件であれば売りやすいでしょう。

3-3.[特徴3]不整形地である

三角地や旗竿地といった不整形地は、「整形地に比べて、実際に活用できる面積が狭い」、「建物が建てにくい」など、使い勝手が良くないため売れにくいです。

旗竿地の査定については、「土地が旗竿地(専通)の場合の査定方法についてまとめた」で詳しく説明しています。ぜひ参考にしてみてください。

用語解説

  • 三角地……三角形の土地
  • 旗竿地……前面道路と細長い通路でつながっている、ちょうど旗のような形の土地

3-4.[特徴4]更地でない

建物が建ったままの土地は、購入者が解体にかかる費用・期間がデメリットと捉えられ、なかなか買い手がつきにくいです。

ただし、リフォームをすれば問題なく住める家など、建物自体の価値が見込める場合は更地にしてしまうよりも、古家付きとして売却をするほうが良いケースもあります。

3-5.[特徴5]周辺環境が悪い

以下のような施設が近くある土地の場合、売り出してもなかなか買い手がつかないことがあります。

  • 墓地・焼却場・暴力団事務所などの嫌悪施設
  • 工場・ガソリンスタンドなど、においが強い施設
  • 高速道路や幹線道路など、排気ガスによる大気汚染の影響がある場所
  • 線路横や踏切など、騒音がひどい場所

用語解説

  • 嫌悪施設……一般的に、住んでいるところの近くにあると嫌な気持ちになりがちな施設や建物のこと。墓地、焼却場、廃棄物処理場、暴力団関連の建物、など

4.【事例で解説】埼玉県で売れにくい土地を売るための対策方法3つ(埼玉県・2022年度版)

埼玉県で売れにくい土地を売るための対策法3つについて、実例でご紹介いたします。

その方法は、次のとおりです。

【2022年度版 埼玉県の売れにくい土地を売る対策方法の例】
対策方法(例)
東京都心から遠い ・ニーズのある買い手を探す
更地でない ・古家付きの土地として売却する
周辺環境が悪い ・売却価格を下げる

〈事例1〉
東京都心から遠い場合の成功事例

〈概要〉

売主Uさんは、熊谷駅から徒歩15分圏内に所有していた土地を売却することになりました。都心まで30分以上かかるため、あまり人気がないと考えていましたが、土地の安さや周辺環境の良さを筆頭に子育て世代にアピ―ルしたところ、4ヵ月後に売却することができました。

〈高く売れたポイント〉

・ニーズのある買い手を探す
埼玉県では埼玉県南部エリアの土地に人気が集中していますが、郊外にある土地でもメリットとなる場合があります。

例えば、さいたま市内の平均土地価格は坪約120万円しますが、熊谷市は坪約52.6万円と半分以下の価格に設定されています。郊外の戸建てで伸び伸びと子育てをしたいといった需要が一定数あるため、子育て世帯にターゲットを絞りアピールするなど、ニーズのある相手に向けた告知を行うことで、売却をしやすくなります。

地元に詳しい不動産会社に相談することで適正な価格でニーズのある買い手を手早く見つけることができます。

〈お客様の声〉

熊谷市内に所有していた土地を売ろうと考えました。
不動産会社に相談したところ、さいたま市以外でも郊外の戸建て需要が増えてきているという話を聞き、子育て世帯に向けてアピールをしました。子育てのしやすい環境ということが伝わり、無事売却をすることができてほっとしました。

〈事例2〉
更地でない場合の成功事例

〈概要〉

売主Nさんは、小手指駅から徒歩10分圏内にある土地を相続しましたが、売却することを決めました。築41年経つ実家(木造住宅)が残ったままだったので、解体するべきか悩んでいました。早めに売却をしたかったため、古屋付きの土地として売りに出したところ、6ヵ月後に売ることができました。

〈売れたポイント〉

・古家付きの土地として売却する
一般的に更地のほうが、購入者にとって費用・期間を考えると売れやすい傾向にあります。

ですが古家つきで売ることにより、価格は安くなりますが手間をかけずに売ることができます。売却期間に土地のみ所有しているよりも、固定資産税を抑えられるといったメリットもあります。更地にするよりも、建物付き土地として売却をしてしまうのもひとつの手です。

〈お客様の声〉

所沢市にある土地を相続しましたが、自分は既に別の場所に家を持っていたので売却することに決めました。実家が建ったままだったので、更地にして売るか解体するか悩みましたが、手間をかけずに早く売却したかったので古家付きの物件として売却することにしました。
結果6ヵ月後に売ることができ、税金も多く払わなくすんだのでよかったです。

〈事例3〉
周辺環境が悪い場合の成功事例

〈概要〉

売主Wさんは、さいたま市緑区内にある土地を売却することになりました。霊園が近隣にあったため、相場より価格を下げて売り出したとことろ3ヵ月程で売ることができました。

〈早く売れたポイント〉

・売却価格を下げる
相場よりも価格を下げることでスムーズに売却することができます。なかなか買い手が見つからない場合は、売却価格の見直しをすることも大切です。地元に詳しい不動産会社に相談し、買い手のつきやすい適正価格にすることで買い手がみつかるケースも多いです。

〈お客様の声〉

さいたま市内に持っていた土地を売ることになりました。できるだけ早く売りたいと思っていたのですが、霊園が近くにある土地はすぐに売れないといった情報を見かけ、思い切って相場よりも価格を下げて売り出すことに決めました。無事3ヵ月後に買い手がついて満足です。

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