栃木県の「土地を売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
栃木県の「土地の売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「栃木県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
土地を売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 相続関連(44.6%) |
栃木県で土地を売却した理由として、1位になったのは「相続関連」という結果でした。親や兄弟から土地や家を相続したものの利用する予定がない場合は、所有していてもランニングコストがかかるため売りに出す人が多くいるようです。 |
2位売り時だと思ったから (23.6%) |
「令和5年栃木県地価調査」によると、栃木県全体の住宅地の地価は31年連続で下落しています。そのため、これ以上地価が下がらないうちに売却しておこうと考える人もいるようです。 |
3位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて) (14.6%) |
栃木県における土地の売却理由第3位は、「住み替え」という結果でした。子どもの進学や家族の定年退職など、ライフステージの変化により土地や家を売却して住み替える人もいます。 |
4位離婚・別居 (5.5%) |
栃木県の離婚率は1.43(人口1,000人に対して:2022年)で、全国平均の1.42とほぼ同じです。離婚により土地や家を売却する人が、やはり一定数いるようです。 |
5位その他 (4.6%) |
老人ホームや介護施設などへの入居費用を支払うために土地や家を売却したと回答した方もいました。 |
6位
|
栃木県で土地を売却した理由として、「転勤・転職」が6位という結果でした。仕事で勤務地が変化することにより、今の家や土地を売って新しい住まいを求める人も多いようです。 |
7位ローンの返済苦など金銭的な理由 (3.6%) |
ローンの返済が困難になった、事業の資金繰りや家計が厳しいなど、金銭的な理由で土地を売却するというケースもあります。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月30日
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、土地売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(44.6%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
一人暮らしをしていた父が亡くなり、兄弟で実家と近くの土地を相続することになりました。兄は父を一緒に暮らしていたのでそのまま実家を相続し、私が土地を相続したのですが、特に利用予定もなかったので兄にも相談し、売却することを決めました。不動産会社の担当者の人がいろいろと丁寧に教えてくれたため、無事に売却できました。
〈買主への上手な伝え方〉
相続で取得した家や土地の売却は買主にネガティブな印象を与えることはないので、そのまま事実を伝えても問題はありません。そのまま「相続した不動産の利用予定がないため」や「相続による資産整理」などと伝えれば良いでしょう。
2位(23.6%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
以前からいつか売ろうと思っていた土地があったのですが、ずるずるとそのままにしていました。親戚から地価が上がっていると聞いたので不動産会社に査定をしてもらったところ、思っていたよりも高かったのでそのまま売却することにしました。長年の懸念が一つ片付いてホッとしています。
〈買主への上手な伝え方〉
同じ土地を売るのであれば、少しでも高く売りたいと考えるのは当然のことです。しかし、売主側の「高く売れた」は、買主側にとっては「高く買うことになった」に繋がります。買主の心証を悪くしたくないのであれば、単に「資産整理」などと伝えておくほうが良いでしょう。
3位(14.6%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
息子夫婦に子どもが誕生したので同居の話が出たのですが、家が狭くて古かったので思い切って二世帯住宅に住み替えることにしました。今の家と土地を売却して、息子夫婦の勤務先に近い場所に新しく建てることに。担当してくださった不動産会社の担当者の方が親切に対応してくれ、売却はもちろん、提携している工務店と新しい家の建築までサポートしてくれたので、安心して住み替えられました。本当に感謝しています。
〈買主への上手な伝え方〉
ライフスタイルの変化に伴う住み替えは珍しいことではありません。特にポジティブな住替え理由であれば、そのまま伝えても悪い印象を与えることはないでしょう。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
4位(5.5%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
長年連れ添ってきた妻と離婚をする運びとなりました。離婚にあたり、現在住んでいる家や投資用の不動産も財産分与の対象となるということだったので、すべて売却してお互いに分け合う形を取りました。バタバタと売ったので得をしたのか損をしたのかよくわかりませんが、不動産会社の方の熱心な営業活動のおかけで無事に売却できてほっとしております。
〈買主への上手な伝え方〉
離婚を理由とした売却は、買主によってはあまり歓迎されないこともあるため、「資産整理」などと濁して伝えるほうが良いケースも多いです。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
離婚による売却については、「【離婚×不動産売却まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説 」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
5位(4.6%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
高齢のため、夫婦で老人ホームへ入居することに決めました。家と土地の売却資金で老人ホームの入居費用を捻出できるのではないかと考えて不動産会社に相談したところ、こちらが思っていたよりも高い査定金額を提示してくれたので、売却をお任せすることにしました。結果、老人ホームの入居費用に加えて老後の生活費も確保できたので、満足しています。
〈買主への上手な伝え方〉
何らかの理由によってまとまった金額が必要となったために土地の売却を考える方もいます。ただし金銭的な利用のための売却は個人的な事情にあたることから、買主にそのまま伝えなくても問題ありません。「住み替えのため」などと言葉を濁して伝えましょう。
6位(3.6%)転勤・転職(仕事や勤務先の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
栃木に赴任してから土地と家を購入したものの、会社から突然の転勤を命じられてしまいました。単身赴任も検討したのですが、家族全員で過ごしたいとの思いから売却を決意し、新天地での生活をスタートすることにしました。まだ住宅ローンが残っていたのですが、比較的築年数が新しかったこともあり、売却金額でローンを完済でき、残りの金額を新たな家の購入費用に充てられました。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤や転職に伴う売却も一般的な理由に該当するため、そのまま伝えても大丈夫です。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
7位(3.6%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
家を建てようと住宅ローンを組んで土地を購入した矢先に、事業がうまくいかなくなり家を建てるどころではなくなったので、やむを得ず土地を売却することになりました。買った額よりも少し安くなりましたが、不動産会社の方が親身に相談に乗ってくれ、少しでも高く売却できる方法を提案してくれたおかげで、無事売却金額と少しの補填でローンを返済できました。
〈買主への上手な伝え方〉
住宅ローンの返済が困難など個人的な事情による売却の場合は正直に理由を伝える必要はありません。売り急いでいると思われて相場よりも安い価格を提示される可能性もあるので、「資産整理」や「計画変更のため」など無難な理由に言い換えたほうが良いでしょう。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 栃木県の土地の売却理由で最も多かったのは「相続関連」という結果だった
- 栃木県では一部の地域を除き、地価が年々下落しているため、これ以上地価が下がる前に売却しておこうと思う人が増えてきている
- ライフステージの変化によって住み替えを行う人も多い